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■--鎌田 慧
++ 週刊新社会 (小学校高学年)…23回          

沈思実行(188)
  靖国再稼働の野望NO
  海上自衛隊の元海将(海軍大将)が靖国神社の宮司に就任した

                         鎌田 慧

◯2013年に強行採決された「特定秘密保護法」は、知る権利や研究・報
道の自由を規制する悪法として、日弁連などが強く反対した。
 その後の「身辺調査」の動きは深く潜行している。どのような保護の
成果になったかは明らかでない。
 11年が経って、今度はその経済版である「重要経済安保情報保護法
案」が、衆院本会議で審議入りした。特定秘密の上に、さらに半導体製
造や宇宙開発など、企業の「重要経済情報」の漏洩が処罰の対象になる。

◯この間、警視庁公安部による大河原化工機の会社幹部が「経済安保」
の犠牲になったことが明らかになった。同社の噴霧乾燥機の輸出は、生
物兵器の製造に転換可能だ、としたのは「捏造」、「冤罪」だった、と
現職警部補が暴露した。これから経済安保の名目での拡大解釈が増え
そうだ。

◯前々回に書いた「防衛装備品の第三国移転」という名の「戦闘機輸
出」。れっきとした武器輸出だが、三菱重工などの兵器産業の要請に応
じて、岸田内閣が「現在、戦闘が行われていると判断される国へ移転す
る場合を除く」との但し書き付きで、戦闘機の輸出を解禁する。

◯プーチンのウクライナ侵攻やネタニヤフのガザ侵攻では、戦闘機より
も無人機が「活躍」している。それを見れば、大枚はたいての新型戦闘
機開発がどれだけの意味があるのか。
 平和憲法は戦闘行為厳禁。共同開発国の英伊がその戦闘機で人殺しを
しても、「戦闘は行われていない」と責任を回避するのか。

◯そればかりか、戦時体制に備えたかのように、自衛隊幹部が靖国神社
に集団参拝している。さらに今度は、海上自衛隊の元海将(海軍大将)が
天下りかのように靖国神社の宮司に就任する。
 靖国神社は日本軍人の教育支柱、陸海軍所管の国家施設だった。
 が、今は戦犯も祀る一宗教法人に過ぎない。戦争反対の兵士までも、
強制的に祀ったとして離脱を求める裁判も起きている。首相の参拝は、
政教分離の原則に違反する。

◯靖国神社はこれから来る自衛隊員を、元海将が迎え入れる、憲法違反
の装置となるのか。    (4月3日発行「週刊新社会」第1349号より)
.. 2024年04月13日 09:34   No.2998001

++ 毎日新聞 (社長)…372回       
【近事片々】より

 ・最近、はて?と思うことば。
  「大東亜戦争」。陸自部隊の投稿サイトに現れ、消えた。
  戦後、封印されたはずなのに、亡霊のごとく。
 ・でも、その名で起こした過ちは消せない。
  残すべき歴史の教訓こそ大切に。
 ・期限を設けたガソリン補助金をずるずる続けたり、5年後禁止を
  約束した企業献金を30年後の今も手放さなかったり。
  その無原則たるや。   (4月10日「毎日新聞」夕刊1面より)

.. 2024年04月13日 09:40   No.2998002
++ 東京新聞 (社長)…3049回       
志賀原発30キロ圏150人超が孤立、能登半島地震後最長16日

 内閣府は12日、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)周辺の避難計画など
を協議する作業部会を同県庁で開き、能登半島地震の後、30キロ圏内の
14地区で150人超が最長16日間孤立していたことを明らかにした。原発が
緊急事態になっていたとしても30キロ圏外へ避難できず、被ばくの危険
にさらされた恐れがある。
 
 孤立した地区は輪島市7地区計113人、穴水町の6地区計31人、七尾市
の1地区10人。1月16日まで最も長く孤立したのは輪島市浦上地区の1人
で、最終的に自力避難した。同市諸岡地区では61人が孤立し、ヘリコプ
ターなどでの避難が完了したのは1月13日だった。孤立の原因は、のり
面崩落による道路への土砂堆積や落石、倒木などで、11地区は山間部だった。

 また、30キロ圏内の30カ所以上で道路が通行止めとなり、少なくとも
6カ所の放射線防護施設が地震直後に使用できなかったか、その可能性
があったことも報告した。通行止めになった箇所のうち一部では、迂回路
が確認できなかった。(後略)
            (4月13日東京新聞朝刊7面より抜粋)

.. 2024年04月14日 06:55   No.2998003
++ 東京新聞 (社長)…3050回       
◆<社説>原発事故対策 避難計画は不要なのか

 原発は、どれほど対策を講じても事故の可能性をゼロにはできない。
万が一の際、周辺住民の安全確保を左右するのが避難計画だ。それを、
まさか裁判所がこうも軽んじるとは驚きを禁じ得ない。
 住民が関西電力美浜原発3号機と同高浜原発1〜4号機の運転差し止めを
求めた仮処分申請。このうち美浜3号機と高浜1、2号機は営業運転開始
から40年を超えて再稼働した「老朽原発」で、3、4号機も来年40年に
なるが、福井地裁は3月末、訴えを退けた。
 住民側は施設の老朽化に加え、基準地震動(耐震性の目安になる揺れ
の強さ)が低く見積もられているなど、安全性が確保されていないと
主張。県の避難計画も実効性に欠けると訴えてきた。
 一層の不安をかきたてたのが能登半島地震だ。北陸電力志賀原発が立地
する石川県志賀町で震度7を観測し、原発にさまざまなトラブルが発生した。
 現地で多数の建物倒壊や道路寸断が起きたことを受け、住民側は「地震
による原発事故が起きた場合、屋内退避も避難もできず、被曝(ひばく)
を強いられることになる」とあらためて書面を出して訴えた。
 これに対し、地裁は「原子力規制委員会において新規制基準への適合が
認められ、その審査基準において不合理な点はない」と断じたが、そも
そも規制委は、原子炉の状態が国の規制基準に適合しているかを審査する
だけで「安全」を保証するものではない。
 しかも福井地裁は「避難が必要になるような事態が起きる危険性は立証
されておらず、避難計画の不備については判断するまでもない」と住民の
訴えを一蹴した。
 しかし「避難が必要になるような事態が起きない安全性が立証されて
いる」という事実がない以上、判断を避ける理由にはなるまい。規制委
の「適合」を根拠に、深刻な事故は起きないと決め付けているだけでは
ないか。原告側が上訴したのも当然だ。
 国は原発から30キロ圏内の自治体に避難計画の策定を義務付けている
が、規制委は避難計画を評価の対象外としており、避難計画に不備があ
るかを判断するのは、まさに司法の役割であろう。
 避難計画は事故の際、住民を放射能被曝から守る「命綱」とも言うべ
きものだ。それを軽んじるような司法の姿勢には、強い違和感を覚える。
(4月12日東京新聞朝刊

.. 2024年04月14日 07:02   No.2998004
++ 週刊新社会 (小学校高学年)…24回       
岸田首相が軍事大国ニッポンへ    沈思実行(189)
 人を殺して金儲けする武器商人国家は平和憲法の放棄だ
                     鎌田 慧

◯ 3月下旬のこの欄で、戦闘機輸出を狙う岸田首相を「羊の皮を被った
狼」と批判した。ついに3月26日、国会にはかることなく、政府の国家
安全保障会議で「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定、戦闘機の輸出
解禁を決定した。集団的自衛権行使の容認、敵基地攻撃能力の保有に次
いで、武器輸出の決定。
 岸田首相は平和国家のプライドをかなぐり捨て、一挙に軍事国家に
変身させた。

◯ 1976年、三木武夫内閣のとき、先に佐藤栄作内閣が決定していた、
共産圏や紛争当時国への武器輸出の禁止を、さらに厳格化して「武器輸出
は謹む」との政府統一見解を決めた。
 それは半世紀ほど守られてきたのだが、2014年、安倍晋三首相が「移転
禁止先の明確化」などの条件つき、「防衛装備移転三原則」を決めた。

 この時からの後ろめたさからか、「防衛装備移転」などという大衆
欺瞞語を使いはじめた。
 が、今回は「現に戦闘が行われている国は除外する」との原則を緩
めて、大量殺人が可能な戦闘機の輸出を認めたのだ。

◯ 人を殺して金儲けをする「武器商人国家」となる今回の決定は、
平和主義を掲げる憲法の理念の放棄であるばかりでなく、その放棄が
国会での討論を踏まえることのない、政府の独断だった。民主主義的な
手続き無視の暴政だ。
 昨年12月にも、武器輸出規制を緩和して、ライセンス生産国への輸出
が可能とされ、地対空ミサイル「パトリオット」の米国輸出を決定して
いる。
 輸出拡大は兵器メーカーの最大の欲望であり、三菱重工業、IHI
などの悲願だった。

◯ 岸田内閣は、有事の際には自衛隊が空港や港を使用できる、那覇
空港など16カ所の「特定利用空港・港湾」の指定も狙っている。

◯ さらに在日米軍の機能強化のために、自衛隊との「指揮系統」を
連携させる方針や米太平洋艦隊司令官を日本に派遣する案も浮上して
いる。
 平和憲法下の軍事大国化は、矛盾であり欺瞞、かつもっとも危険
な方針だ。

 前々回で紹介した宮崎かづゑさんの「遠い道」は「長い道」の誤り、
訂正してお詫び致します。
         (4月10日

.. 2024年04月14日 07:07   No.2998005
++ 日本海新聞 (幼稚園生)…4回       
島根原発2号機 運転差し止め訴え
  高裁松江支部に市民団体が署名提出

 鳥取、島根両県の住民でつくる市民団体「島根原発2号機運転差止仮
処分申立てを応援する会」(鳥取市)のメンバーは12日、申し立てについ
て「住民の命と平穏な暮らしを優先する判断を裁判官に求める」として
集めた署名を広島高裁松江支部に提出した。
 同会は3月に鳥取、米子両市の街頭で署名活動を行い、松江市では戸
別訪問して賛同者を募った。3月3日から今月11日までに、オンライン
署名を含めて全国の個人から6037筆、団体42筆が集まった。半分程度は
鳥取県で集まったという。
 同会のメンバーが、同支部の書記官に署名を手渡した。
 共同代表の山中幸子さん(64)は「1月の能登半島地震で避難計画が絵
に描いた餅だと分かった。署名の重みを感じて判断してほしい」と
訴えた。
 原告の1人の土光均さん(69)は「予想以上に多くの署名が集まり、問
題点の共有ができた」と話した。 (後略)
                (4月13日「日本海新聞」より抜粋)

.. 2024年04月16日 04:49   No.2998006
++ 東京新聞 (社長)…3051回       
政治家小池百合子の命運
前川喜平(現代教育行政研究会代表)

 小池百合子東京都知事の学歴詐称疑惑が再燃している。火を付けたの
は小池氏の元側近小島敏郎氏とカイロでの元同居人北原百代氏が文芸春
秋5月号に寄せた手記だ。
 小島氏によれば、前回の都知事選前の2020年5月末に出版された石井
妙子著「女帝 小池百合子」でカイロ大学卒業の学歴を虚偽と指摘され狼
狽(うろた)えた小池氏が、小島氏の発案により、元ジャーナリストA氏
に文案を作成させて、小池氏のカイロ大学卒業を証する同大学長名の
「声明」を作成、駐日エジプト大使館のフェイスブックに載せてもらった
のだという。
 これは私文書偽造罪に該当する疑いがある。
 「声明」は単に小池氏の学歴を証するだけでなく、卒業証書の信憑性
に疑義を呈することは「名誉毀損(きそん)であり、看過することができ
ない」と警告し、モハメドオスマンエルコシト学長のサインと大学の公
印らしきものが記されていた。同大学のホームページを見ると、確かに
現学長の名は「モハメド・コシト博士」となっている。
 犯罪の疑いが生じた以上、検察はカイロへ飛んで大学当局及びコシト
学長から事情を聴取すべきだ。検察が動かないならメディアが行って真
相を確かめるべきだ。
 選挙公報で学歴を偽れば公職選挙法違反にもなる。
 政治家小池百合子の命運が尽きる日も近いかもしれない。
   (4月14日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)

.. 2024年04月16日 04:56   No.2998007
++ 近事片々 (幼稚園生)…1回       
【近事片々】より

 ・「孤独感」に寄り添い、米国を1人にさせないと誓った首相。
  冷戦時、「共存共苦」の言葉で肩寄せた師、大平元首相を
  思い浮かべたか。
 ・米国の力を借りて国益を守ってきた日本。
  月日を経て、米国が同盟国の力を借りて国益を守る時代に。
  日本外交の姿も変わろう。
・献身的な自衛隊に能登の信頼厚く。
  秘密主義の防衛省に沖縄の不信重く。
              (4月12日「毎日新聞」夕刊1面より)

 ・規制緩和で生まれた機能性表示食品。18製品で計117件の健康被害
  情報と消費者庁。政策に問題はなかったか。
 ・中国が日米比首脳会談に猛反発。
  米中の間で日本が果たせる役割を考えたい。
              (4月13日「毎日新聞」夕刊1面より)

.. 2024年04月16日 05:02   No.2998008
++ 新潟日報デジタルプラス (中学生)…35回       
柏崎刈羽原発の安全性について「報告書の策定を検討」
  新潟県技術委員会の小原徹座長が意向示す

 東京電力柏崎刈羽原発の安全対策を確認する新潟県技術委員会(座長・
小原徹東京工業大教授)は4月16日、新潟市中央区で会合を開き、原子
力規制委員会事務局の原子力規制庁から説明を受けた。
 委員からは能登半島地震の教訓を柏崎刈羽原発の安全対策に生かすべ
きなどの意見が出た。終了後、小原座長は国への確認が終わった後、柏
崎刈羽原発の安全性について「何らかの報告書を作るフェーズになる」
との意向を明らかにした。 (後略)
          (4月17日「新潟日報デジタルプラス」より抜粋)

.. 2024年04月18日 07:43   No.2998009
++ 東京新聞 (社長)…3053回       
原告から被告にされた男
                    鎌田 慧(ルポライター)

 東京電力・柏崎刈羽原発の燃料装填、さらには東北電力・女川原発の
再稼働の準備が進められている。
 岸田政権の財界追随の「原発回帰」政策だが、あまりにも現実無視、
無責任にすぎる。
 来週22日、東京地裁606号法廷で「避難住宅追い出し訴訟」の公判
がある。
 被告は福島県いわき市からの避難者で、国と東電を訴えた訴訟で原告
団長を務める鴨下祐也さん(55)である。

 いわき市は福島原発から40キロ離れていて避難地域にされなかった。
国立工業高専の教員だったが、学生の時、放射性物質を扱っていた鴨下
さんは、危険を察知して親子4人で東京に自主避難、100世帯以上の人た
ちと「ひなん生活をまもる会」を結成して、補償のない白主避難者とし
て、避難住宅に入居していた。

 ところが2022年3月になって、東京都から一方的に立ち退きを要求さ
れ、代表の鴨下さん一人が裁判に訴えられた。
 突然、避難を命じられた強制避難者も自主避難者も汚染と被曝の恐怖
を背負って生活してきた。
 「自宅を去って、避難住宅から追い出されるというのは心身を破壊さ
れます。まして裁判に訴えられるなど恐怖です」。
 原告から被告にされた鴨下さんの苦悩である。
 原発から30キロ以上の人びとの不安を切り捨て、補償の埒外(らちが
い)におく政策ひとつを見ても、原発は人間社会には無理なのだ。
   (4月16日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)

.. 2024年04月18日 07:50   No.2998010


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