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自民裏金は政治資金規正法違反の「個人所得」 | 「第21条の1第2項」は政治家への寄付禁止 | 検察官が資金管理団体へ記載指南は脱法の共犯 | 新たな告発、検審の起訴相当議決で再捜査を | 「メディア改革」連載第147回 └──── 浅野健一(アカデミックジャーナリスト)
◎ 東京地検特捜部が、昨年11月から捜査してきた自民党主要派閥の政 治資金パーティー裏金疑獄事件は1月19日に国会議員3人、3派閥と議 員の政治団体の会計責任者ら5人の8人が起訴(略式起訴を含む)され、 さらに、1人だけ逮捕・勾留されていた池田佳隆衆議院議員が、1月26 日に起訴され、捜査は事実上終結した。 これを受け、安倍派は、各議員へのパーティー券のノルマ超の売上の 還流分の寄附が不記載だったとして、政治資金収支報告書の訂正を 行った。岸田文雄首相は国会で、「検察の指示を受け、還流金を収支報 告書に政治活動費として記載した」「議員個人が受領した例は把握して いない」と繰り返し答弁した。
◎ 自民党は書面調査(質問は二つだけ)と聞き取り調査を実施し、2 月15日に調査結果を公表。聞き取りを行った安倍派と二階派の現職の議 員82人(起訴の3議員は対象外)と次の衆院選の立候補予定者となる支 部長3人を合わせた85人のすべてが裏金(報告書は「還流」)を受け 取っていた。総額は、22年までの5年間で5億7949万円に上る。
第三者の弁護士も入れて聞き取り調査をしたというが、弁護士の氏名 も、選定経過も調査結果発表まで伏せていた。 調査結果で公表した証言は、すべて仮名だった。自民党記者クラブは、 自民党に実名公表を求めるべきだ。
岸田氏は自派閥の会計責任者が略式起訴されたことで、岸田派を解散 すると表明。政治資金規正法改正に取り組むと述べ、裏金疑獄の幕引き を狙ったが、人民は騙されない。 2月中旬実施の世論調査で、岸田内閣の支持率は毎日新聞で14%、朝 日新聞21%、日経新聞・テレビ東京25%などと、いずれも政権発足後の 最低を記録。不支持が60%前後で、自民党の支持も大きく低下している。
.. 2024年02月29日 04:52 No.2972001
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