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今季初めてイチエフに積雪! <ふくしま作業員日誌・56歳男性>
先日の大雪の日は、イチエフ(福島第1原発)でも、この冬初めて雪が 積もった。5センチぐらいかな。一面真っ白で、いつも見る風景とは 違った。浜通りの冬は冷たい強風が吹くが、雪はあまり降らない。でも 同僚と話したけど、毎年1回ぐらい積もっている。 その日の早朝はさすがに寒かった。朝のうちは降ったりやんだりして いたものの、現場に着いたらやんでいて、1時間ぐらい作業をした。 そしたらまた雪が降ってきて、待機になった。危ないからね。滑るから 上(足場や高所)にも上がれないし、雪に埋もれてクレーンが起こせな かったり、いろいろ支障が出る。
昼過ぎからは晴れて、翌日の作業のために雪かき。アルミやプラス チックのスコップで、結構な重労働になる。凍結防止に使う融雪剤の塩 カル(塩化カルシウム)は鉄をさびさせる。現場によっては周辺に鉄板を 敷いてあるので、注意が必要。雪が降った日より、翌朝の凍結の方が怖い。 せっかくだからと雪だるまを作ろうとしたら、「そういうのはやめて ください」と注意された。残念。「雪合戦しましょうか」とも言ってみ たのだけど…。 雪の前は、風速20メートルとかとんでもない強風で、作業が大変 だった。強風だと重機でのつり上げ作業ができない、火の気が使えない など作業が中止になる。濃霧、強風、雪…。作業への天候の影響は大 きく、計画通りなんていかない。 雪深い能登半島のことも気になっている。昨夏に和倉温泉を家族で旅行 して楽しかった。また行こうと話していたのに、こんな大地震が起き るなんて。向こうで俺が役に立つ仕事があればと思う。昨秋、福島県 いわき市で台風13号による水害があって、一緒に働く若手が「手伝いに 行ってくる」と話していた。でも、俺は今までボランティアをしたいと 思っても、一歩が踏み出せないできた。能登では仮設住宅建設などしば らく続くだろうから、何かできることがあったら行きたい。 (聞き手・片山夏子) (2月9日東京新聞朝刊19面より)
.. 2024年02月11日 09:15 No.2962001
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