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■--燃料等輸送船退避
++ 北海道新聞 (小学校高学年)…21回          

燃料等輸送船退避 船体にロープ巻き付け係留案
  泊審査会合で北電説明

 原子力規制委員会は1日、北海道電力泊原発(後志管内泊村)の再稼働
に向けた審査会合を開いた。
 津波発生時の「燃料等輸送船」の退避問題を巡り、北海道電力は船が
流されないように停泊時は4本のロープで港湾内に係留しておく方針を
示した。
 燃料等輸送船は使用済み核燃料などを運ぶ大型船で、総重量は最大
5千トン。津波で流されれば防潮堤などに衝突して壊す危険性があり、
どう安全を確保するかが問題となっている。
 北海道電力は会合で、発電所外の停泊など複数の案を検討した結果、
船体に巻き付けた専用ロープを海底に固定された4本のロープに接続して
係留する方法が最善だと主張。
 今後はこの案を軸に安全性を検討する考えを示した。
 審査官からは「ロープが外れたり切れたりする可能性も考慮して説明
してほしい」などの意見が出た。
 北海道電力はまた、退避問題の説明終了時期について2月末から4月
中旬へとさらに延期する考えを示した。
 原子力規制庁によると、船体にロープを巻き付けて係留する手法は
電力以外も含め前例がないといい、実効性は不透明。
 同庁幹部は「船の動きを計算するのはかなり難しい」として審査に
時間がかかる可能性を示唆した。
        (2月1日「北海道新聞」より抜粋)
.. 2024年02月04日 08:58   No.2958001

++ 東京新聞 (社長)…3018回       
今こそ脱原発の英断を     西田照子(東京都八王子市)

 元日に能登半島を襲った大地震と津波。被災した方々に一日も早く救
援の手が届くことを祈るのみだ。
 そして大地震のたびに頭をよぎるのは、原発は大丈夫だろうか?
 幸い志賀原発は稼働していなかった。しかし外部電源は一部切断され
ていた。何か隠しているのではとの疑いは消えない。
 そんな中、関西電力は美浜原発3号機の運転開始を発表し、1月18日
に原子炉を起動した。すぐ隣の県で大地震が起きているのに。
 どんなことがあっても自分たちの立てた予定を守るのだろうか?
 政府と電力会社に提案したい。この地震国に原発は危険すぎる。
きっぱり原発を止めてほしい。
 福島の原発事故以来、私たちは地元で毎週金曜日に脱原発の「金八デ
モ」を続けている。「地震国に原発危険!」とコールしながら。
             (2月1日「東京新聞」朝刊5面「発言」)

.. 2024年02月06日 05:16   No.2958002
++ 東京新聞 (社長)…3019回       
「国のために戦えますか」
  と言われたら、戦わせようとする為政者と闘うべきだ

大矢英代(カリフォルニア州立大助教授)

 「米国人は、自由を回復し、独裁政治を終わらせ、解放するために
やってきたのだ。征服するためではない」。ワシントンDCの第2次世
界大戦記念碑には、そんな刻印がある。見渡す限り壮大な花崗岩で築か
れた記念碑には、戦場の残虐性は見えない。「戦争を終わらせるために
は、正義という名の暴力が必要だ」。
 そんな米国型の戦争価値観が具現化された空間の中で、言葉にならな
い恐怖を感じた。

 「あなたは祖国のために戦えますか」。
 ジャーナリストの櫻井よしこ氏のSNS発信が、今、ネットで物議を
醸しているという。「多くの若者がNOと答えるのが日本です。安全保
障を教えてこなかったからです」と櫻井氏は投稿した。
 平和のために武力が必要だという米国と、平和のために武器を捨てて
対話せよと唱える日本国憲法。「同盟国」という名で結ばれた二つの国
は、「平和」 への考え方が根本から異なる。

 しかし、櫻井氏の発言にみるように、ここ数年で、日本はアメリカ型
の価値観に着実に近づいてきている。
 いや、「お国のために死ね」と言ったかつての帝国主義的価値観に逆
戻りしているというべきだろう。
 「国のために戦え」と言われたら、戦わせようとする為政者と闘うべ
きだ。
 それでも戦えと迫られたら、逃げよ、隠れよ。自分の命を一番大事に。
       (2月5日「東京新聞」朝刊21面「本音のコラム」)

.. 2024年02月06日 05:21   No.2958003
++ 東京新聞 (社長)…3020回       
原発災害指針「見直さず」思考停止を正す術ある?
  陸・海・空路寸断で移動困難 住宅も倒壊・損傷激しく
  「奥能登孤立」想定 前石川県知事は「極端」と否定
  現職は震災優先 動きなし 自治体は住民不安の代弁を
  能登半島地震 避難・屋内退避限界鮮明でも
  規制委 会見で表明 「自然災害の防災が問題」自らの守備範囲外?
  「運用の改善レベルで体裁繕う」…牧野淳子(ジャーナリスト)

 能登半島地震では、原発防災の限界が鮮明になった。道路や建物の損
壊が激しく、避難や屋内退避をしようにも無理があると突きつけられた。
 現実逃避するのが、原子力規制委員会。
 住民防護の基本方針を記す「原子力災害対策指針」を巡り、山中伸介
委員長は「見直しを考えず」と述べた。
 これでは汚染が拡散した際、住民らが被ばくしかねない。思考停止を
正す術(すべ)を探った。(西田直晃、安藤恭子) (中略)

 原発被災を研究テーマとする茨城大の蓮井誠一郎教授(国際政治学)
は「道路は寸断し、待機する自宅も放射能を防げるだけの気密性はな
い。今回の地震で安全な避難が成り立たないことが明らかになる中で、
立地自治体が地域で得た知見を基に声を上げることは大切だ」と受け止
める。(後略)
     (2月7日「東京新聞朝刊18-19面「こちら特報部」より抜粋)

.. 2024年02月08日 07:15   No.2958004
++ 新潟日報デジタルプラス (小学校中学年)…14回       
福島第一原発事故の対応費用膨張…全ぼう未だ見通せず
  電気料金や税金でいつの間にか国民負担増、さらなる増加に懸念

 東京電力福島第一原発事故の対応費用が膨張している。政府が2023年
末に示した賠償や除染、廃炉費用の試算は、処理水の海洋放出に伴う賠
償も含め、23兆4千億円に拡大した。
 これとは別に除染の国費負担も増えている。溶融核燃料(デブリ)や
除染廃棄物の最終処分の費用は見えておらず、電気料金や税金による負
担が一段と増える懸念が拭えない。(中略)
 賠償資金は、東電のみが支払う特別負担金と、東電を含む大手電力会
社が支払う一般負担金で回収する。
 一般負担金は電気料金に上乗せされるため、最終的に消費者が負担す
る。(中略)
 取り出したデブリの最終処分地は決まっていない。通常の原発の高レ
ベル放射性廃棄物(核のごみ)と異なり、高温で溶けて金属やコンク
リートと混ざったデブリを安全に廃棄する技術の確立や費用の見通し
は、これからだ。(後略)
         (2月7日「新潟日報デジタルプラス」より抜粋)

.. 2024年02月08日 07:24   No.2958005
++ 新潟日報デジタルプラス (小学校中学年)…15回       
新潟・柏崎刈羽原発の再稼働「市議会の議論を判断材料に」
桜井雅浩・柏崎市長、経済団体などの早期再稼働求める請願受け

 新潟県柏崎市の経済団体などが東京電力柏崎刈羽原発の早期再稼働を
求める請願を柏崎市議会に提出したことについて、桜井雅浩市長は2月
7日の定例記者会見で、請願に対する市議会の結論が「市民の意見の集
約と位置付けられる」と述べた。この結論を、自身が再稼働に同意する
かどうかの判断材料とする考えを示した。
 この請願は、柏崎商工会議所や柏崎市商工会など市内6団体が2月1
日に提出した。16日から始まる市議会2月定例会議で審査され、最終日
の3月21日に結論が出る見通し。
 請願では「国の新規制基準に適合すると判断された号機について一日
も早い運転再開を求める」と要請している。採択されれば、柏崎市議会
が事実上、柏崎刈羽原発の再稼働に賛成の意思を示したことになる。
 桜井市長は会見で、市議会による請願の審査について「市民の代表で
ある議会の議論」として、大きな関心を寄せていることを明かした。
 東電から再稼働への理解を求められた場合に触れ、東電に返答する際
に、市議会の結論が「大きな要因、バックグラウンドになる」と話した。
    (2月8日「新潟日報デジタルプラス」より)

.. 2024年02月09日 05:34   No.2958006
++ 東京新聞 (社長)…3021回       
「トットちゃん」と戦争の足音
  戦争につながることには反対の声を上げたい

                伊是名夏子(神奈川県在住)

 映画「窓ぎわのトットちゃん」を見ました。
 私はトットちゃんが通ったトモエ学園について卒論で研究 し、障害の
ある子とない子が一緒に学ぶことに関心がありました。
 また私自身もトットちゃんのように、安心できる大人に囲まれていた
からこそ、さまざまなことにチャレンジできたと思っていたからです。

 しかし、映画の中でもっとも印象に残ったのは、戦争に向かっていく
日常の描かれ方でした。
 食べる物が少しずづ減り粗末になり、身なりを慎むように言われる。
 気象情報を聞くためにつけたラジオから戦争のお知らせが流れ、外来
語の使用をとがめられ、男性が町から少しずついなくなる。
 そしてトットちゃんも疎開をし、学校も焼けてしまう。

 戦争は突然始まるのではなく、戦争につながることが日常の中で少し
ずつ根を張り、浸透し、囲い込まれていく。小さな芽の時から取り除く
のが大切だと、改めて感じました。

 いま沖縄では住民の多く、そして県知事もが、辺野古基地建設に反対
しているにもかかわらず、代執行という形で、国が強制的に工事を進め
ています。
 日本の安全のために米軍基地があるという考えもありますが、私は、
基地は戦争を可能にするためにあるのだと思います。
 防衛予算は年々右肩上がりというだけでなく、この先の5年は1.6倍
も増やすことになっています。
 ミサイル等の装備品の維持、開発、購入は「防衛」というよりも「戦
争の準備」なのではないでしょうか?

 戦争は戦える人を増やし、命を軽視すること。
 そんな中でまっさきに切られるのが福祉です。障害者をはじめ、子ど
も、高齢者、生活に困っている人へのサポートはどんどん切られていく
でしょう。
 私はそんな社会にしたくないです。人を、命を大切にして、すべての
人が幸せになれるよう、戦争につながることには反対の声を上げたいです。

 ※いぜななつこ:骨の折れやすい障害で電動車いすを使いながら、
         神奈川県内で子育てに奮闘中。

             (1月28日「東京新聞」朝刊7面【四つ葉の
                   クローバー】「障害者は」より)

.. 2024年02月09日 05:40   No.2958007
++ 新潟日報デジタルプラス (小学校中学年)…16回       
柏崎刈羽原発で地震後に複数の損傷確認、
  地震の影響か「判断難しい」
  東京電力は「異常や液状化被害は確認されていない」と説明

 1月に発生した能登半島地震後に東京電力が、新潟県に立地する柏崎
刈羽原発のタービン建屋内などで壁面のひび割れや地下水のしみ出しを
複数確認していたことが2月8日、分かった。
 東電はこれまで地震の影響について「プラント設備の異常や液状化被
害は確認されていない」と説明していたが、一定の被害を受けた可能性
が出てきた。
 ひび割れなどは、東電が8日に公表した、12月以降に原発内で確認さ
れたトラブルをまとめた「不適合情報」に記載された。
 地震発生後の東電によるパトロールでは、1、6号機のタービン建屋
内などで地下水のしみ出し、壁面や床面のひび割れ、扉枠部材の損傷な
どが確認された。見つかったのは放射性物質を扱う管理区域内だった。
                           (中略)
 不適合情報によると、地震発生時には、6号機でエレベーターが停止
していたにもかかわらず、中央制御室の防災監視盤に警報が出ないトラ
ブルも発生。
 4号機でも廃液の排水槽に関する警報が出たまま解除できない不具合
があった。
 また1月下旬には、5号機の屋外にある地下水くみ上げポンプ制御盤
の基礎部が沈下していることも判明した。地震の影響かどうかについ
て、東電は「確認する」としている。
           (2月9日「新潟日報デジタルプラス」より抜粋)

.. 2024年02月10日 08:53   No.2958008
++ 東京新聞 (社長)…3022回       
「弱さ」と生きる
  日本列島の個性を無視して「生産性」と「金もうけ」を
  目標にするのは愛国心からほど遠い

   田中優子(法政大学名誉教授・前総長)

 大みそかに「『酷』の1年」を書いて、明けたらまたもや酷がやって
きた。これは日本列島に特徴的な「酷」であった。
 地震のもたらす日本列島の脆弱さと海に囲まれている列島という性質
は、まさに日本の個性である。
 個性をどう生かしてその美質を受け取り、また与えるかは、個々の
人間が求められているとと同じだ。

 しかし近代以降の日本は、その個性を生かしてきたとは言い難い。
 むしろこんな列島にいたくないとばかりに、朝鮮半島や旧満州(中国
東北部)や東南アジアに出て行って戦争を仕掛け、おのれのものにしよ
うとしては、失敗を重ねた。
 戦後になると被害をもたらした原子力を「平和利用するのだ」と言い
くるめられて購入し、この豆腐のような列島の、それもどう形が変わる
かわからない海沿いに次々に発電所を設置した。

 実際、この正月の能登半島地震では、原発設置計画のあった石川県珠
洲市をはじめ、広い範囲にわたって海岸が隆起した。
 原発をつくらなくて良かった、と多くの人が思った。
 一地域の原発事故は日本全国に深刻な影響を与える。数々の困難と地
域の対立に耐えて反対運動を展開した方々に、心より感謝したい。

 しかし日本海沿いには、いや列島のあちこちに実際につくられた原発
が何基もあり、暗雲は立ち込めている。
 そこにまた原発を増設すると言っている政治家たちは、その手で裏金
を集めている。原発関連業者が自民党に多額の献金をしていることが、
原発をやめられない理由だともささやかれている。
 とうとう上場廃止となった東芝は、その原因のひとつが原発による
莫大な損失に向き合わず、それを隠し続けたことだった。

 日本列島をとるか原発をとるか、もはや二者択一の時期に来ている。

 もうひとつ向きあう必要があるのは漁業だ。
 海に囲まれているこの列島では昔から海の恵みは米とともに、ほとんど
の日本人の栄養源となり、牧畜をせずとも人は生きてこられた。
 大企業による不知火海への水銀の垂れ流しで水俣の漁師が漁業をでき
なくなっただけでなく、多くの方々が亡くなり、障害を負った。

.. 2024年02月10日 09:04   No.2958009
++ 東京新聞 (社長)…3023回       
 福島の原発事故も、先日の海洋放出も、漁業に影響を与えた。
 本来は漁業こそ日本列島に住む人々が守らねばならない基盤的職能だ
が、サラリーマンがエリートとして尊重され、漁師たちは幾度も苦境に
立たされてきた。
 今回も同じだ。そのような職業格差は、依然として存在する。

日本列島の個性と美質は顧みられることなく、無理やり「別のありよ
う」を求められ、別の国土になることを要求されているかのようだ。
 この国の個性を無視して「生産性」と「金もうけ」を目標にするの
は、愛国心から程遠い。

 国土の弱さをしっかり見据え、弱さと共に生きるには何が必要かを
考え抜き、政策に反映するのが日本の政治なのではないか?
 新自由主義は、日本列島に最もそぐわない。

 「国土強靭化」が計画されていて、それは必要なことだが、完全な
強靭化は不可能かもしれない。
 強くなることより、耐震構造のごとく柔軟になること、弱さの上に他
の国にはない独自の文化をつくることこそ、必要なのではないだろうか。
 2月10日は石牟礼道子さんの命日である。この人ほど日本の弱さと美
質を見つめ続けた人はいなかった。
(2月4日「東京新聞」朝刊5面「時代を読む」より)

.. 2024年02月10日 09:12   No.2958010


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