|
【声明】 | 能登半島地震を踏まえて全ての原発を運転停止すべきである | IAEA深層防護の第5レベル・緊急時避難について規制委員会の | 新規制基準に含まれていないことは重大な欠陥である └──── 1月22日 日本科学者会議原子力問題研究委員会
2024年1月1日に発生した能登半島地震(M7.6、震度7、地震動加 速度最大2828ガル)と津波により、家屋の倒壊、道路の寸断・陥没、山 崩れが起こり、食糧・エネルギー・上下水・通信・福利厚生・文化芸術 などのインフラおよび伝統的な地場産業や漁業や里山農業などの生業が 破壊された。 能登半島の中で孤立した集落の住民たちは、国と自治体による支援・ 救助が遅れたため、生きるのに困難な生活を強いられている。 私たちは、亡くなられた方々に哀悼の意を表し、被災者に心より お見舞いを申し上げる。
また、かねてより地質学者らは能登半島で大地震が起き、地盤の隆起 が起きると想定してきたが、今回実際に、原発が存在する志賀町でも 4mの隆起と津波の遡上が起きた。 被災状況の全容が明らかになるまでにはまだ時間がかかるだろうが、 とりわけ、現在のところ志賀原発に絞って情報収集したところ、次のこ とが明らかにされている。
(1)志賀原発1号機と2号機は、2011年3月の東日本大震災以降、 現在に至るまで定期点検により運転停止中である。
(2)北陸電力は、取水槽の水位が3m変動し、津波が志賀原発に及ぼ した影響を調査中である。原発の敷地は海抜11mの高さにあり、さらに 4mの防潮堤が設置されていたため浸水被害はなかった。また、1号機 補機の防潮壁の一部に沈下と傾きが確認されたが、補修中である。
(3) 志賀原発敷地内にある外部電源変圧器から23,400 リットル(ドラ ム缶117本相当)の絶縁油が漏れ出た。排水溝の出口付近の海面に少量の 油が流出した。変圧器の故障で外部電源5回線のうち2回線が使えなく なった。
(4) 使用済み燃料プールから冷却水の一部(326 リットル)が スロッシング(強い地震動による揺動)により溢れ出た。冷却ポンプが 一時止まったが、再起動した。
(5) 志賀原発から30km圏以内にあるモニタリングポスト117カ所の うち18カ所で停電と通信障害のためデータ収集ができなくなった。
.. 2024年01月25日 08:16 No.2946003
|