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■--動いた断層は想定をはるかに超える
++ 山崎久隆 (社長)…1614回          

動いた断層は想定をはるかに超える
 | 志賀原発は現在も断層のリスクが!
 | 今や地殻変動のまっただ中の原発
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 私は昨日発信の【TMM:No4955】で次のように書いた。

引用
「 さらに福浦断層と平行するように沖合4kmほどには兜岩沖断層
が、原発から北には今回の地震でも揺れの強度が変化した境目にある
富来川南岸断層が存在し、これら断層は一連の地震活動で動く可能性が
ある。…」 引用終了

◎ 動いた富来川南岸断層

 今後の地震活動で動くかも、といった趣旨だったのだが、今回の地震
活動で動いた可能性を指摘したのが、鈴木康弘名古屋大教授のチームだ。
 共同通信の記事「内陸の活断層、ずれ確認 志賀原発の北9キロ、能
登地震」(1月16日)に以下の記載がある。

 「震源に近い石川県志賀町で「富来川南岸断層」とみられる地表の
ずれやたわみが長さ3キロ以上続いているのが見つかった。」

 これは16日の日本地理学会災害対応チームの調査で分かったという。
 「現地は北陸電力志賀原発の北約9キロ。北陸電はこの活断層の存在
を否定していたが、2021年5月に原子力規制委員会に修正を申告。活動
性が否定できないとして長さ9キロの活断層としている」
 志賀原発からわずか9キロで断層が動いたとしたら、原発の地盤にも
影響を与えた可能性がある。

 実は、富来川南岸断層は敷地内を走るS−1断層などと繋がってお
り、仮に原発内の断層が活断層ではないと結論づけたとしても、富来川
南岸断層の活動に引きずられて動く「副断層」である可能性がある
からだ。

 11年前にこの断層について「明らかに活断層」と指摘していたのは
渡辺満久東洋大教授だ。
 2012年9月1日の朝日新聞は『富来川南岸断層は志賀原発の約9キロ
北側に東西に延び、断層を挟んで南北で20メートルほどの地層のずれが
ある。渡辺教授らの研究グループは今年5月の学会で、原発の耐震安全
性を考慮しなければならない13万〜12万年前以降に動いた断層だと指摘
し、「耐震設計上考慮すべきだ」とアピールした。』と紹介している。
.. 2024年01月19日 04:46   No.2941001

++ 山崎久隆 (社長)…1615回       
◎北陸電力は「動く可能性はないと否定した」断層

 このS−1断層を含む敷地内の断層について規制委が結論づけたのは
つい最近だ。2023年3月3日の審査会合において志賀原発の敷地内にあ
る断層が13万〜12万年前以降には活動していないとして「将来活動する
可能性のある断層等」(「活断層等」)にはあたらないとする北陸電力
の説明が了承された。
 この断層が活断層とされると原発は廃炉になるはずだったが、この審
査会合で「命拾い」したというわけ。

 しかし2016年4月には「志賀原子力発電所敷地内破砕帯の調査に関す
る有識者会合」が13万〜12万年前以降の活動が否定できないとしていた。
 この有識者会議の結論と、反対の結論を出した規制委は、しかし有識
者会議のメンバーに意見を聞くということはしなかった。
 ではいったい有識者会議とは何だったのか。
 志賀原発敷地内の断層がどうなっているのか、活動していたのか、
屋外変圧器の破損は地盤変状との関係はないのか、そういったことを
調べないと結論は出せない。
 昨年の審査会合の結論は無効になったとするべきであろう。


△関連記事紹介

 M7級予想できた「能登半島地震」 沿岸活断層、認定急げ
 「活断層は決して千年に一度だけ大地震を起こすわけではない」

        鈴木康弘(名古屋大学教授、日本活断層学会長)

 日本の過去百年間の内陸地震としては最大である、マグニチュード
(M)7.6の能登半島地震が1日、起きた。
 これは決して予測困難な珍しい大地震ではない。
 能登半島北岸の直線的な海岸線が、沿岸の海底にある活断層の活動に
よってできたものであることを知る研究者は多かった。地震は当然想定
されるべきだったが、それができず不意打ちの形になってしまった。
 こうした沿岸海域の活断層の認定は急務である。
 まずは沿岸海底の詳しい測量をして、陸上の活断層と同様な活断層図
を整備すべきである。

 1995年の阪神淡路大震災以後、陸上だけでなく海域の活断層調査も
進み、活断層が起こす地震へ備える取り組みが進んだが、海岸沿いの
海域の活断層は盲点である。
 その理由は、こうした海域での活断層認定の難しさにある。陸上の
断層は過去の活動で形成された地形を手掛かりに見つけられるし、地下
を掘削して調べることも可能だ。

.. 2024年01月19日 04:54   No.2941002
++ 山崎久隆 (社長)…1616回       
 一方、海域では探査船から音波を出し、海底下の地質構造を調べる。
 だが、能登半島北岸のように海岸近くにある活断層を音波探査で調べ
ることは難しい。活断層であるかどうかを判定できる新しい堆積物が
薄いために見極めが難しい上漁業への影響も懸念される。

 こうした問題を補うため、最近は、海底でも陸上と同じように地形か
ら活断層を認定する技術が進んだ。
 能登半島では後藤秀昭・広島大准教授らが調査し、北岸をほぼ東西に
走る長大な海底活断層の存在を指摘していた。
 これが今回の地震を起こした断層とみられるが、いまだに音波探査に
よる地質調査が重視され、後藤氏らの結果は活断層図に反映されていない。

 さらにもうひとつ問題がある。
 海底活断層は短く認定されがちで、能登半島北岸沖にある断層の長さ
も20km程度の短い断層に分割されるとされていた。
 短い断層は大きな地震を起こさないとされるため、大地震の危険性を
見逃すことになる。

 2007年の新潟県中越沖地震も海底活断層によるものだったが、東京電
力柏崎刈羽原発(新潟県)を巡る政府の審査では音波探査が過度に重視
された結果、大幅な過小評価になっていた。
 改めて長大な断層による地震発生に対して正しく認識したい。2016年
の熊本地震もその例であり、M6.5の前震の後、M7.3の本震が
起きた。

 能登ではこの数年間、地震活動が続き、今回の地震につながった。
 このように相次ぐ地震は活断層が引き起こす一連のものである可能
性が高い。
 熊本も能登も、前震でも大きな被害が起きたことを考えると、活断層
は決して千年に一度だけ大地震を起こすわけではない。
 政府の地震調査委員会はこうした一連の活動について分かりやすく
説明して、国民の防災意識を高めてほしい。
            (1月16日「東京新聞」夕刊5面より)
【すずきやすひろ】2004年から現職。日本活断層学会長。
         専門は変動地形学、災害地理
△情報提供:竹内憲一(日本地理学会会員)

1.「渡辺先生の論文と関連する原発の安全審査に関する提言」

.. 2024年01月19日 05:08   No.2941003
++ 島村英紀 (社長)…916回       
中国内陸部、気温マイナス14度の深夜に地震
| M6.2にも関わらず…多数の死傷者につながった「日干しれんが」
| 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その523
 └──── 島村英紀(地球物理学者)

 深夜、マイナス14度のところに地震でほうり出されたらどうなるだろう。
 中国内陸部の甘粛省で地震が起き、同省と隣接の青海省を合わせて148
人が死亡、負傷者は両省で計約1000人となった。甘粛省では行方不明者
の捜索を終了した。
 負傷者は両省で計約1000人。青海省では3人が依然として行方不明で
当局は捜索活動を続けた(いずれも22日時点)。
 被害はさらに拡大する恐れがある。

 地震は12月18日現地時間で午後11時59分、大部分の人が寝静まってい
る時間だった。人々は寝間着で飛び出した。外はマイナス14度の温度だ
ということは考える余裕もなかったに違いない。
 地震が起きる時間は予測できない。
 深夜でも昼間でも起きる。
 トルコ・シリアで6万人近くが犠牲になった2023年2月6日の地震は
4時すぎだったし、トルコ第2の被害を生んだエルジンジャン地震(19
39年)は午前2時前だった。
 ともに人々が寝静まっている時間に起きた。地震は時や季節を選んで
起きてくれるわけではない。

 12月の中国の地震はマグニチュード(M)は6.2、震源の深さは10キ
ロと浅い地震だった。標高の高い土地ゆえ氷点下の厳しい寒さだ。停電
や断水も起きた。
 現地では5万以上の家屋などに被害が確認されている。住宅の耐震性
が日干しれんがで弱かったことなどが多数の死傷者につながった。
 M6.2の地震だった。日本では、このMでは考えられない死者数だ。
これはもっぱら「日干しれんが」のせいだ。

 木材がない中国南部や中近東や中央アジアの国々では泥をこねて太陽
で干しただけ、つまり火で焼き固めていない日干しれんがで家を造る。
 庶民の家はこのように安くて入手しやすい材料で作る。
 日干しれんがは建築材料としては悪いものではない。手に入れるのは
容易だし、熱を吸収してゆっくり放出するから家のなかは涼しい。外が
40度近くの夏でも、中は25度ほどだ。暑くて乾いた気候には適している
のだ。

.. 2024年01月20日 08:13   No.2941004
++ 島村英紀 (社長)…917回       
砂漠の国で木材もない環境では、ほかに選択肢がないだけに、最も適
している材料だろう。だが地震にはとても弱いのである。
 一方、現地は10数階ある高層アパートも建っている人口密集地でもあ
る。地震の激しい揺れで高層階から駆け下りて逃げ出した人も多かった。
 東日本大震災(2011年)のときに東京でも高層階ほど揺れが大きく、
使えなくなったゴミが多量に出されたことがある。高層階は地震に安全
とはかぎらないのだ。

 しかもインド亜大陸というプレートが押してきている。インド亜大陸
はいまも北上を続けている。
 このためアフガニスタンをはじめ中国南部、パキスタン、ネパールな
どに大地震を起こしている。
 今度の中国内陸の地震もインド亜大陸が起こした地震の一つだ。中国
は地震が起きやすいところで、被害が大きくなりやすいところなので
ある。
 (島村英紀さんのHP こちら
 「島村英紀が書いた『夕刊フジ』のコラム」より 2023年12月29日の記事)

.. 2024年01月20日 08:21   No.2941005
++ 東京新聞 (社長)…3004回       
「珠洲原発があったら…もっと悲惨だった」
 | 能登半島地震で孤立した集落(かつて珠洲原発予定地
 | だった珠洲市高屋町) 住民脱出に10日余
 | 珠洲原発反対を訴えた僧侶の実感
 └──── (1月22日「東京新聞」朝刊1面より抜粋)

 能登半島地震は22日で発生から3週間になる。被災地では道路が寸断
され、多くの集落が孤立した。
 かつて「珠洲原発」の予定地だった石川県珠洲市高屋町も孤立。
 住民が市外に逃れるのに10日余りを要した。
 計画は住民の反対を受けて2003年に凍結されたが、「珠洲原発があった
ら、避難どころじゃなかった」。
 反対運動の中心的存在だった地元の僧侶・塚本真如(まこと)さん(78)
が、避難も屋内退避もできない状況を振り返った。(岸本拓也)(中略)

 100人ほどが暮らす高屋地区は平地が少なく、住宅は海岸線と急斜面の
山との間に並ぶ。集落に通じる道は3方向あるが、すべて土砂崩れで断絶。
 海岸線は数メートル隆起し、船も出入りできない状況になった。(中略)

 もし高屋に原発が造られていたらー。塚本さんは揺るぎない口調で
語った。
 「もっと悲惨な状況になっていたやろうな、としか言いようがない。
止めて本当に良かった」(中略)

地盤隆起で配管損傷→原発冷却不能の可能性も

 原発の避難計画に詳しい環境経済研究所の上岡直見代表は「今回の地
震で珠洲原発予定地は地盤が数メートル隆起した。原発があったら、配
管などが壊れて冷却が全くできず大事故となり、逃げられない住民は福
島原発事故以上に被ばくした可能性は否定はできない」との見方を示す。
 孤立集落が相次いだ能登のように国内には半島に位置する原発も多く
「四国の伊方原発が象徴的だが、住民避難の観点でもリスクが大きい」
と強調。
 「屋内退避など指針の前提も崩れた。真剣に避難を考えるほど、原発
は動かせないという結論になる」

≪事故情報編集部≫より
 見出しについては、ネット記事の見出しに少し追加しました。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/304267

.. 2024年01月23日 04:50   No.2941006
++ 東京新聞 (社長)…3005回       
【関連記事紹介】
志賀原発「異常なし」の裏側 運転中だったら?
外部電源1系統喪失、変圧器油漏れも
「珠洲原発」なら大変だった 震度7の地震は想定内なのか
直下断層 有無も変転
「否定できない」2016年認定 「敷地にない」昨年3月
「周辺にも活断層多い。不適切認め廃炉を」

 元日の北陸を襲った能登半島地震。震度7という激震と津波が大きな
被害をもたらしたが、地震直後から大いに気になったのは、震源に近い
北陸電力志賀原発(石川県志賀町)だ。
 外部電源の一部を喪失し、変圧器からの油漏れや核燃料プールの水漏
れなどはあったが、原子力規制委員会は「大きな異常はなし」とする。
 しかし、志賀原発は1度、原子炉建屋直下に活断層ありと判定される
など、いろいろといわくのある原発。今回耐えたから大丈夫と言えるの
か。(曽田晋太郎、宮畑譲) (中略)

 地元住民に不安をもたらす志賀原発。その来歴はいわく付きだ。
 そもそも、石川県能登地方では、志賀原発の建設以前に、より北の珠
洲市で関西電力、中部電力、北陸電による「珠洲原発」の建設計画が
あった。
 候補地の一つだった同市高屋町は、今回の震源となった地区と隣接
する。
 志賀原発の廃炉を求める活動をしている金沢大の五十嵐正博名誉教授
は「珠洲原発は住民による根強い反対運動で計画が中止となったが、も
し高屋町に建設していたら、大変なことになっていたと思う」と想像
する。(中略)

 だが、今回の地震は大きな影を落とす。
 日本原子力発電敦賀原発(福井県)の断層調査を行った経験がある、
 名古屋大減災連携研究センターの鈴木康弘教授は「これほど大きな地
震を起こす断層が志賀原発の近くにあるという想定はなかった。この地
域でどういう地震が起きるのか、抜本的に見直さなくてはいけない。前
提条件が相当変わった」と指摘する。
 さらに、能登地方の断層は複雑で、一見、大きな断層と関係がないよ
うに見えても、連動する可能性は否定できないという。
 鈴木氏は「今回の地震を機にもう一度、点検をさせるのか、新たな規
制基準を示すのか。これは原子力規制庁の責任問題だ」と強調する。
  (1月5日「東京新聞」朝刊14-15面「こちら特報部」より抜粋)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/300551

.. 2024年01月23日 05:02   No.2941007
++ 上岡直見 (社長)…333回       
2024年能登半島地震〜対応の遅さは現政権の姿勢
 | 2011年3月11日東日本大震災時の対応と比較して
 | 政権がどれだけ国民の立場に立っているかの違いではないか
 └──── 上岡直見(環境経済研究所代表)

◎ 今回の能登半島地震に際して、原発の問題とは別に、救援が遅いと
いう批判が寄せられている。
 これに対して地形の影響などさまざまに正当化する説明がネットなど
で流されている。
 しかし今回と比べると、2011年3月11日、東日本大震災の時の民主党
政権にも批判される点があったとしても、スピード感としてはるかに優
れていたのではないか。

◎ 東日本大震災では、発災直後に大畠国交相(民主党政権)から東北
地方整備局長に対して「省庁の枠、予算の枠は気にせず、必要なことは
何でもやってよい。大臣にも次官にも相談の必要はない」と指示された。
 これを受けて整備局長は、自治体に対して「自分のことは整備局長と
思わず、ヤミ屋のおやじと思ってくれ」という文書を送るなど、通常の
業務の枠を越えた自治体に対する支援活動が記録されている。(※)
 今回の能登半島地震ではそういう動きがさっぱり聞こえてこない。

◎ その結果、東日本大震災では「くしの歯作戦」が迅速に実施され
た。東北地方を南北に縦貫する東北自動車道・国道四号線を「くしの
柄」と見立て、これから東西方向に向かう各道路を「くしの歯」として
その啓開を目指したものである。
 「復旧」と言わず「啓開」というのは、もとに戻す「復旧」ではな
く、ともかく片車線で緊急車両が通過できる程度の作業を優先するため
である。

◎ 縦貫ルートについては、発災翌日の3月12日早朝までには緊急車両
の通行が可能な程度までの仮復旧ができた。次に東西方向へは、3月12
日までに東西方向の16ルートのうち11ルート、3月15日までには15ルート
が啓開された。
 しかし福島県の一部ルート(国道114号, 288号, 459号)は、せっかく
啓開したのに福島第一原発事故のため使えなくなった。

◎ 今回の能登半島地震は地理的条件など異なる部分があるとしても、
スピード感に欠けることは否定できない。それは政権がどれだけ国民の
立場に立っているかの違いではないだろうか。

.. 2024年01月24日 05:00   No.2941008
++ こちら特報部 (小学校低学年)…7回       
「珠洲原発」反対派の住職 語る歴史
 | 「闘争」28年 建設阻止 「原発造れる場所 日本にない」
 | 接待旅行−電力会社の懐柔 無言電話−推進派から圧力
 └──── (1月23日「東京新聞」朝刊20-21面
            「こちら特報部」より抜粋)

 能登半島地震の震源地近くに建設が計画されていた「珠洲(すず)原
発」。
 建設予定地だった石川県珠洲市高屋町は、今回の地震で住宅の大半が
壊れ、陸路も海路も閉ざされて孤立状態に陥った。
 もし原発が実現していたら、重大事故が起きて住民の避難がより困難
になった可能性もあった。建設を阻止したのは、住民らの長年にわたる
根強い反対運動だった。どのような思いで止めたのか。(岸本拓也)

 「どこで何があるか分からん。本当に珠洲原発を止めて良かった」

 今回の地震で被災した高屋地区にある円龍寺の住職・塚本真如さん(78)
は今月中旬、同県加賀市にある2次避難先のホテルで「こちら特報部」
の取材にほっとした様子で語った。
 珠洲原発計画の反対運動で中心的な存在だった塚本さん。1975年に持
ち上がった計画は、住民の反対運動と、それを切り崩す電力会社側との
28年に及ぶ「闘争」の末、2003年12月に凍結された。
 塚本さんは「あと1年粘られたら、つぶれとったのは僕らの方やった」
とかつての日々を振り返る。
 関西、中部、北陸の3電力は1976年に正式に原発計画を公表した。
   (中略)

 反対派で建設予定地の土地を共有化したり、関電の株を買って計画撤
回の株主提案をするなどして手を尽くした。
 原発に反対する政治家を増やそうと、県議選や市長選などにも
関わった。
 「強い者の味方をしたら坊主じゃない」という父の教えが行動を
後押しした。

 塚本さんらの反対もあり、3電力側は2003年12月ついに計画凍結を発
表した。11年の東京電力福島第1原発事故の後には「珠洲に原発はなくて
良かった」と、推進派だった住民が塚本さんに話しかけてきたことも。
  (中略)

 塚本さんは淡々と語る。
 「言葉を尽くすより、あの様子を見て想像がつくでしょう。
  やっぱり日本に原発を造れるところなんてどこにもないね、と」

.. 2024年01月24日 05:07   No.2941009
++ こちら特報 (幼稚園生)…1回       
◆「活断層を過小評価」
「現在稼働する全ての原発をただちに停止させるべき」
 1/18「原子力市民委員会」オンラインシンポジウム

 「事業者による活断層評価は明らかに過小評価だった。数メートルに
及ぶ地盤の隆起や変異を原発の安全設計に組み込むことはできない」
 「社会インフラが機能不全に陥った。原発事故発生時に避難や機材、
人員の増強は不可能だと分かった」
 座長を務める龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)が、今回の震災で
浮き彫りになった、志賀原発の問題点を列挙した。
「原発にとって脅威なのは、想定していない揺れが起こること」と「想
定外」の地震の怖さをあらためて訴えたのは、元東芝原発設計技術者の
後藤政志氏。 (中略)

 環境経済研究所の上岡直見代表は、石川県が策定した避難計画で指定
する道路の多くが寸断されたとし、「原発避難は30キロ、数十キロ移動
する。徒歩は考えられない。自動車で移動するのかといったら駄目とい
うこと」と断じた。(中略)
 上岡氏は「仮に倒壊しなくても、ライフラインが途絶すれば屋内退避
はできない」とする。(中略)
 大島氏は「日本は世界にも稀(まれ)な地震、自然災害大国。現行の規
制基準に重大な欠陥があり、避難態勢にも実効性がない。現在稼働する
全ての原発をただちに停止させるべきだ」と語った。(宮畑譲)

.. 2024年01月24日 05:12   No.2941010


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