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能登半島地震でわかった−原発避難計画の破綻 | 強い地震・津波が発生した時点で原子力防災計画は機能しない └──── 上岡直見(環境経済研究所代表)
◎ 2024年1月1日に「令和6年能登半島地震」が発生し、北陸電力志 賀原子力発電所(停止中)が立地する石川県志賀町で震度7が記録され た。 これは福島第一原発事故後に「原子力災害対策指針」が制定されてか ら初めて立地自治体での震度7と大津波警報である。それまで川内や伊 方でそれに近い地震が発生したが、ぎりぎりのところでかわしている。
◎ 志賀町は原発周辺の5km圏と、その他全域が30km圏に入る。 そこで「志賀町原子力災害避難計画」を改めて検討したが、他の地域 に比べても著しくレベルの低い内容に呆れた。公開されているのは2017 年11月版で、それ以降は改訂されていないようである。8割方は国(規 制委員会)の資料をコピペしただけで具体的な内容は何もない。
「指針」では、原発の所在市町村(原発敷地ではない)において「震 度6弱以上の地震」「所在市町村沿岸を含む津波予報区において大津波 警報が発表」に該当すれば、放射性物質の放出の有無にかかわらず「警 戒事態」に該当し避難準備を始めなければならない。ただし今回は原子 炉の燃料が抜かれている状態のため適用されない。
◎ 志賀町の計画に示されている町民に対するアナウンスでは「○○地 区、○○地区のみなさんは、今後の事故の状況により屋内避難または避 難の可能性があることから、無用な外出は控え、自宅に留まり、今後の 町からのお知らせや、テレビ、ラジオなどの情報に十分注意してくださ い。今後、屋内退避又は避難が必要と判断される場合には、追ってご連 絡しますので、自宅にて落ち着いて待機してください」という文面が用 意されている。
.. 2024年01月11日 05:52 No.2935001
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