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田中角栄逝去30年を偲ぶ会関連シンポジウムでの発言: | 短期的に日中関係に明るい展望はない (上) (2回の連載) | 日本の対中国政策に臨む基本は | 1.日本の外交安全保障政策は米国に追随する | 2.米・中関係は不安定に推移し悪化の可能性はあっても | 良好になる可能性は低い └──── 孫崎 享(東アジア共同体研究所理事・所長)
webで読む: https://ch.nicovideo.jp/article/ar2178249
本日の主題は「戦略的な互恵関係と新時代に相応しい中日関係を如何に 構築するか」であり、多くの人は、明るい展望が提示されることを期待 していると思います。 だが、短期的に、少なくともこれからの一年には、明るい展望の具体化 はあり得ません。 それは残念ながら、今日の日本の対中政策は、日本独自の国益と、中国 の国益の調整で形成される訳ではないからです。
◎ 日本の対中政策に望む基本は
1.日本の外交安全保障政策は米国に追随する 2.米中関係は不安定に推移し、悪化の可能性はあっても良好になる 可能性は低いことから構成されます。 米国の情報機関CIAは世界各国の情勢を知らせるサイトを持って いますが、ここでは「真のGDP」として中国24,8兆ドル、米国21,1兆 ドルとしています。 将来の発展を見る一つの指標は自然科学の研究です。今や量で中国は 米国の上で、質を計量する指標「論文の引用件数上位10%」でも中国は アメリカを凌駕しています。
これらから想定されるのは、現在中国が量で上回っていますが、これ が拡大するだけでなく、質でも上になることが予想されます。 これに対し米国はどう対応するでしょうか。1.中国と協調を行い、 利益を拡大する道と、2.中国が自分たち米国を抜くのは許されない、 それをあらゆる手段で阻止するの二つがあります。 どちらの選択も、理論的にはあり得ますが、第二次世界大戦以降、 常に世界のNO1であった米国人にとり、現時点では、心情的にNo2 は受け入れられません。 ギャラップ社が行った「米国にとっての敵はどこか」の世論調査で、 今年中国は50%、ロシアが32%です。
.. 2023年12月22日 05:13 No.2924004
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