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東海第二事故でシミュレーション公表 知事「避難計画完成目指す」
日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の重大事故で、最大17万 人が避難するというシミュレーション結果を受け、大井川和彦知事は28 日、再稼働の前提となる広域避難計画の実効性向上に役立つとの見解を 示した。 一方、周辺自治体の首長からは、慎重姿勢とも取れるコメントが あった。(竹島勇、長崎高大) 大井川知事は28日の会見で「(原発から30キロ圏内に住む)92万人が 同時に避難することはないと明らかになった。県は周辺市町村と一緒に 避難計画の完成を目指す」と述べた。(中略) 一方、30キロ圏内で最大の人口を抱える水戸市では、市の避難計画策 定の見通しが立っていない。 シミュレーションでは北東部の一部地域だけが避難対象とされたが、 高橋市長は「検証する風向きを増やしたり気象データを変えれば、数キ ロ程度の差は生じると考える。結果をよりシビアに受け止める必要があ る」とコメントを出した。
「再稼働の意図見える」元技術者、予測の有効性に疑問
日本原子力研究開発機構の研究主幹として原子炉の安全性に関する仕 事に携わり、東京電力柏崎刈羽原発の安全性を議論する新潟県の技術委 員会委員だった鈴木元衛氏は、シミュレーションを「『30キロ圏内まで 避難する事故は考えにくい。だから東海第二原発の再稼働は可能だ』と いう原電の意図が見える内容だ」と批判した。(中略) また、原発事故の避難に詳しい環境経済研究所(東京都千代田区)の 上岡直見代表は「福島第一原発事故では考えにくいことが実際に起き た。防災の思想は『最悪想定』が基本なので、工学的に考えにくいとい うシミュレーションも(対策から)除外してはならない」と強調した。
「被害を少なく見せるやり方」原告団代表
東海第二原発運転差し止め訴訟の住民側原告団共同代表、大石光伸 さんは「福島第一原発事故と比べても、放射性物質の放出量が圧倒的に 低く抑えられた想定になっている。県の条件指定を利用して被害を少な く見せるずるいやり方だと思う」と批判した。 避難計画の実効性検証に活用する県の方針について大石さんは「事故 がこの程度で済む確証はなく、これをもとにした検証は無理だ」と言い 切った。 (後略) (11月29日「東京新聞・茨城」より抜粋)
.. 2023年11月30日 05:56 No.2909001
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