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2023年に入ってから、日本では対話型AI「Chat(チャット) GPT」の利用者が爆発的に増えました。人が入力した質問に対して、どんな分野でも何でも答えてくれます。実際、「ロシアはなぜウクライナに侵攻したのか」という質問を投げかけてみると、答えが返ってきます。その答えを学生が書いたら、間違いなく高得点を得ることでしょう。
しかし、質問によっては間違いも多くありました。自分が詳しい分野であれば間違いに気づけるかもしれませんが、そうでない場合、鵜呑みにするのは危険です。要するに使う側のリテラシーが試されるということです。ただ、AIは日々進化しています。
すでにChatGPTはアメリカのMBA(経営学修士)、司法試験および医師資格試験に合格できるほどだといいます。 コンピュータのプログラム・コードを書くこともできるといいますから、多くの人間がAIに仕事を奪われる可能性があります。
それこそ、ChatGPTに「世界の10大リスクを挙げてください」と言ったら、10大リスクが出てくるかもしれません。これはユーラシア・グループにとってのリスクです。AIは、フェイクニュースをすでにつくり出しています。
たとえば2022年2月にロシアがウクライナに軍事侵攻した直後の3月に、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が「ロシアに降伏する」と呼びかけるフェイク映像が拡散されました。大統領がすっかり戦意を失って、戦わないように国民に語りかけているのです。この偽動画は「ディープフェイク」というAI技術でつくられています。
それを知ったゼレンスキー大統領は、すぐさま自分のフェイスブックに、「降伏する予定はない」と投稿しました。ゼレンスキー大統領がキーウ(キエフ) から「逃げた」との情報も出ました。ウクライナ国民の心が、大統領から離れることを狙ったのでしょう。
この時、ゼレンスキー大統領は、大統領府の建物の前に出てスマホで自撮りをしながら、「ご覧のように私はここにいる。誰も逃げ出していない」と、大統領府長官や首相と肩を並べて国外脱出情報を否定し、国民の動揺を抑えました。
.. 2023年10月09日 07:59 No.2873001
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