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戦争中の軍人同様、官僚というのは往々にして自分たちのいるところだけでしか責任を感じないと思います。自分たちの組織を守るためにしか動かないのです。さらに言うと、その組織内の論理や慣習にのみ従って新しい発想をまったく生もうとしないのでしょう。
ですから何か問題が起こった時に即座に有効な対策が出せず、常に後手後手にまわります。かつての軍人がまったくそうであり、同時にバブルがはじけ飛んだ後の私たちの周りの官僚および政治家、財界人もそうなのだと言わざるを得ません。
現在の日本をみますと、政治家はほとんど二代目、三代目で苦労知らず、官僚はエリート意識と出世欲のかたまりみたいなもので、一種の偏差値優等生の集団です。この人たちが先に説明しました官僚経済国家、官僚統制システムの中にあって自分たちの好きなように裁量行政ができます。
さらに情報を独占し、天下りのような人事の勝手なルールをつくります。そしてお金も独占しているのです。60年代に非常に安定的な経済成長をつくったシステムを、かつての人たちとは違ってしまった官僚が握るうちに、なんともおかしな国家が出来上がったのかなと思えてくるのです。
今の日本は、財政は大借金を抱えています。ケタが大きすぎてわけがわからなくなりますが、一兆円と言えば、仮に誰かが毎日十万円使って百年それを続けても届かない、まあなにしろすごい額です。
ちなみに日本が戦後、はじめて国債の発行を決めたのは昭和40年(1965)11月19日、佐藤内閣の時です。戦争中は国債で戦って莫大な借金をしましたから、戦後はもうやるまいとガマンしていたのですが、この時は不況でどうしようもなくなって2千5百90億円の赤字国債発行を決めました。これはあくまで特例でした。
ところがそれから40年たって、1200百兆円。極端に言えばまったく手を打たなかった、何かといえばすぐ国債を出してごまかしてきたわけです。日本というのはなんと手を打つのが遅いこと、何ら有効な対策を出さず後手後手に回る事といったらすごいものです。
.. 2023年09月25日 04:53 No.2860001
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