|
超大陸の分裂とダイヤモンド噴出 実は簡単に燃え、 | 元素で言えば炭素…ナゾだった地表にどうやって運ばれた? | 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その508 └──── 島村英紀(地球物理学者)
ダイヤモンドは簡単に燃えて、灰になってしまうのを知っているだろ うか。ダイヤモンドは元素から言えば炭素だけのものだ。つまり、その へんの炭と変わらない。 しかし炭とは違って結晶構造がとても緻密だ。それゆえ宝石の中で一番 硬くて、光をよく透す。 この結晶構造は地表からの深さ150〜200キロメートルのところで生まれ たものだ。そこでの圧力は6万気圧、温度は2000℃もある。
ダイヤモンドが地表にどうやって運ばれたかはずっとナゾだった。 もし、ゆっくり上がってくるのなら途中で燃えてしまって、ただの灰に なってしまうはずだからだ。 噴出の速度は時速数十キロ以上という、とんでもない速さのはずで、 火山が激しく噴火したときにだけ得られるものだ。
ダイヤモンドは火成岩キンバ—ライトに含まれている。ダイヤモンド は露天掘りで、直径も深さも数百メートルから1キロメートルを超える ほどの巨大な漏斗状の穴が開いている。 いままでは過去5億年の間に、この岩石が爆発的に噴出して地表にま で運ばれてくることがあったというくらいしか分かっていなかった。
英国・サウサンプトン大学の地球学者ガーノン教授らの研究で、超大 陸が分裂するときにだけ、ダイヤモンドを地球の表面に噴出させていた ことがわかった。 超大陸とは大陸が一つにくっついた巨大な大陸のことで、この超大陸 は形成と分裂を繰り返して、今のような大陸の形になったものだと思わ れている。超大陸にはパンゲア、ゴンドワナ、ローラシアなどがある。
ゴンドワナは現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、インド亜大陸、 南極大陸、オーストラリア大陸やを含む巨大な大陸だった。インド亜 大陸が別れてからも北上を続け、南アジアに大地震を起こしている。
.. 2023年09月10日 07:20 No.2850001
|