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書籍紹介 | 『南海トラフ巨大地震でも原発は大丈夫という人々』旬報社 | 「原発を止めた裁判長」の樋口英明氏の新しい著書 └──── 上岡直見(環境経済研究所代表)
「原発を止めた裁判長」として知られる樋口英明氏が、四国電力伊方 発電所の差止訴訟を中心に原発訴訟の問題点を指摘している。 多くの訴訟で裁判所が門前払いの判決を示している理由として、政府 からの圧力や忖度を推測するかもしれないが、それだけではない別の要 因について、裁判官経験者ならではの視点で語られているのが注目される。
『南海トラフ巨大地震でも原発は大丈夫と言う人々』樋口英明著
「南海トラフ地震が伊方原発を直撃しても伊方原発の敷地には181ガ ル(震度5弱相当)の揺れしか来ない」 あなたはそれを信じますか?
大飯原発運転差止めの判決を言い渡した当時の裁判長が、最新の地震 観測結果、科学的知見から明らかな原発の危険性をもとに、必ず起こる 南海トラフ巨大地震でも伊方原発は安全だという四国電力の主張、それ を認めた広島高裁判決の問題点を語る。
広島高裁の決定は、南海トラフ地震の危険性を全く無視するような極 めて不当な内容でした。 「どうせ、国民には判決の内容は理解できないだろう」と思っている のです。 それに対して皆さんに「国民を見くびるな!」と声を上げて欲しいのです。 その声が、本分を忘れてしまった裁判官を初心に立ち戻らせる力とな るかもしれません。 そしてその声は、間違いなく、本分を尽くそうとしている裁判官を支 える大きな力となります。 (「あとがき」より)
◎おもな目次 第1章 原発の本質とわが国の原発の問題点 1 原発の本質/ 2 わが国の原発の問題点 第2章 南海トラフ地震181ガル(震度五弱)問題 1 問題の所在/ 2 伊方原発新規仮処分について/ 3 新規仮処分広島高裁決定について/ 4 裁判官はなぜかくも不公平で無責任なのか 第3章 原発回帰と敵基地攻撃能力 1 原発回帰/ 2 敵基地攻撃能力/ 3 法治主義と法の支配 いま私たちが問われていること
旬報社 168頁 1,430円(税込) https://www.junposha.com/book/b630109.html
.. 2023年08月11日 09:00 No.2828001
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