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【原発の再稼働費】消費者負担は筋が通らぬ
経済産業省が、脱炭素に資する発電所新設を支援する制度の対象に、 既存原発の安全対策費を加える検討に入った。電気料金を通じて、消費 者から広く回収できるようにするという。 そもそも大手電力会社は、事故後に厳格化された新規制基準を満たす ために巨額の費用がかかることを前提に、原発再稼働を経営判断したは ずだ。費用は当然、自社の責任で確保するべきだろう。いまになって国 民に負担を求めるとは筋が通らない。撤回を求める。 2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするため、経産省は「長 期脱炭素電源オークション」を来年1月に導入。再生可能エネルギーや 原発の新設、二酸化炭素の排出を新技術でゼロにする火力発電所などを 対象にする。 電力小売事業者から集めた拠出金を原資に、運転開始から20年間の収 入を保証することで投資を促すとする。 地球温暖化対策で温室ガスの排出抑制は喫緊の課題である。 環境への負荷が少ない発電方法は普及を急ぐ必要がある。 その趣旨に異論はないとしても、その対象に原発が含まれることには 強い違和感を覚えざるを得ない。(後略) (7月31日「高知新聞Plus」「社説」より抜粋)
.. 2023年08月01日 05:25 No.2818002
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