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■--高浜1号機の重大事故
++ 上岡直見 (社長)…301回          

高浜1号機の重大事故の社会経済損失は200兆円
 | 東海第二の重大事故による社会経済損失が約600兆円
 └────上岡直見〔環境経済研究所(技術士事務所)代表〕

 2023年7月28日に関西電力高浜発電所1号機が再稼働した。老朽原発の
技術的な問題は各所でたびたび指摘されているが、ここでは高浜1号機が
重大事故を起こした場合の社会経済損失を考えてみたい。高浜1号機を
老朽原発で西の横綱とすれば、東の横綱は東海第二だが、私は今年の
たんぽぽ舎総会で、東海第二の重大事故による社会経済損失が約600兆円
という推計を報告している。

 関西電力の原発事故による社会経済損失について、2005年に朴勝俊氏
(当時神戸大学、現関西学院大学)が大飯3号機を事例として試算し
最大279兆円と報告している。(※)
 これに対して、当時の原子力関係者から、そのような重大事故の可能性
は考えられない、仮定に基づく試算は信用できない、根拠もなく人々の
恐怖を煽るといった猛反発が寄せられた。

 ところがその6年後、実際に福島第一原発事故が起こり、東電がこれ
まで支払った補償額だけでも約11兆円に達している。しかし実際の被害
は、金額に換算できる項目だけでも、とうていこれに収まっていないこと
は明らかだし、民間研究機関の試算では35〜80兆円という数字もある。
当時の原子力関係者の批判こそ、根拠のない安全神話に基づくものであった。

 朴氏は大飯3号機を事例に試算しているが、高浜1号機も立地条件
などはほぼ同じである。大飯3号機は出力118万キロワットに対して
高浜1号機は83万キロワットである。朴氏の試算の方法では、被害額は
出力におおむね比例するので、高浜1号機の重大事故の場合の社会経済的
損失は、単純に考えれば200兆円という規模になる。
.. 2023年07月30日 07:48   No.2815001

++ 上岡直見 (社長)…302回       
朴氏の報告で注目されるのは電力1キロワット時あたりの外部費用
(リスク費用)という考え方である。 事故の損害額と現実の発生確率で
計算すると1キロワット時あたり約150円となる。関西電力の家庭用電気
料金が1キロワット時あたり約20円だから、かりに原子力の発電コストが
安いと主張したところで、リスク評価を考慮すれば原発は全く成り立た
ない。なお朴氏の試算の時点に対して、福島第一原発事故の後に避
難に関する基準の変化などもあり計算条件が変わってきているので、
いま私のほうで見直しをしている。結果は改めて報告したい。

 ※朴勝俊「原子力発電所の過酷事故に伴う被害額の試算」
  https://da.lib.kobe-u.ac.jp/da/kernel/00055987/00055987.pdf


 ◆「高浜原発1号機うごかすな」 再稼働中止を求め市民団体が抗議

運転開始から48年たち、廃炉が決まっていない原発としては国内最古の
関西電力高浜原発1号機(福井県高浜町)が再稼働した28日、全国の市民
団体・個人による集会「最古の老朽原発・高浜1号うごかすな!高浜緊急
行動」(事務局・木原壮林京都工芸繊維大名誉教授)が現地であり、即時
に廃炉にするよう関電に申し入れた。60年を超える原発の運転が可能と
なる法律が成立しており、高浜1号機が国内初の60年超えとなる可能性がある。

※詳細は https://mainichi.jp/articles/20230728/k00/00m/040/289000c
毎日新聞 7/28 18:56(最終更新 7/28 19:20)より

.. 2023年07月30日 07:58   No.2815002
++ 山崎久隆 (社長)…1559回       
稼働中原発は11基…美浜3、大飯3、4、高浜1、3、4、
 | 伊方3、川内1,2、玄海3、4(美浜、大飯、高浜は関西電力、
 | 川内、玄海は九州電力、伊方は四国電力)
 | 関西電力は日本で最も古い高浜1号を再稼働させた
 | 2023年7月29日現在の原発稼働状況
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

電力会社 号 機 状 態 運転開始日  停止日 出力(万kW)
関西電力 美浜3 運転中 2022.09.03 82.6
 大飯3 運転中 2022.12.18    118
   大飯4 運転中 2022.07.17    118
新   高浜1 運転中 2023.07.29     82.6
   高浜3 運転中 2022.07.26     87
   高浜4 運転中 2023.03.24 87
四国電力 伊方3 運転中 2023.05.24 89
九州電力 玄海3 運転中 2022.12.12 118
 玄海4 運転中 2023.02.07 118
   川内1 運転中 2023.04.26 89
   川内2 運転中 2022.07.18 89
合 計 11基 運転中11基 停止中0基    1078.2/1078.2

*高浜1号は「第27回定検停止中」の名目で2011.01.10から運転を止め
ていた。既に49年目になる現在日本で最も古い原発。
 GX法がなければあと10年(2034年11月13日)で廃炉になるはずだっ
たが、GX法が施行されると12年と4ヶ月ほど期間が延び、2047年4月
まで運転可能になってしまうと思われる。ただし延長期間の計
算方法をしめす規則等が決まっていないため、最大値を想定した場合。
 原子炉の起動は28日、臨界は29日、8月2日には調整運転(発電機の
並列)を開始する予定。時期定検の来年4月22日まで稼働するとのこと。

.. 2023年07月30日 08:06   No.2815003
++ 上岡直見 (社長)…303回       
油断できない「もんじゅ」─再稼働の策動
 | 「もんじゅ」再稼働を主張する特集を組んでいる
 | (『日本原子力学会誌』2019年1月号)
 └──── 上岡直見〔環境経済研究所(技術士事務所)代表〕

◎ 日本原子力研究開発機構の「もんじゅ」は1985年の着工いらい1兆
円を超す税金が投じられたが、トラブルを繰り返してほとんど稼働する
ことなく、2016年12月に廃炉が決定した。
 現在の「もんじゅ」は廃炉に向けた作業を行っているが、設備自体は
取り壊されたわけではなくそのままだから、むしろ修理・改造しやすい
状況を整備しつつあるともいえる。

◎ 今年6月27日のメルマガ【TMM:No4800】では東海村の「常陽」再稼
働の懸念が指摘されているが、「もんじゅ」も書類の上では廃炉確定で
はあるが油断できない状態にある。

◎ 「原子力学会誌」では、廃炉が確定したにもかかわらず、2019年に
なって「もんじゅ」再稼働を主張する特集を組んでいる。(『日本原子
力学会誌』2019年1月号)
 核燃料サイクルを完結するには高速増殖炉が不可欠という理由である。
 経産省は「高速増殖炉」である「もんじゅ」に代わって「高速炉」の
開発を提案し、一面ではそれが「もんじゅ」廃炉の理由づけになったの
であるが、「高速炉」の実用化の見通しはない。
 岸田政権のGXを背景に原子力回帰が強力に進められようとしている
が、それに便乗して「もんじゅ」の再稼働もないとはいえない状況に
なっている。

.. 2023年08月02日 04:46   No.2815004
++ 山崎久隆 (社長)…1563回       
原子力規制委の長期管理施設計画パブコメ締め切り間近(8/4まで)
 | 老朽化原発の安全性確保の理屈は成り立つのか
 | 危険な原発を止めさせるためにあらゆる努力を
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

◎「パブリック・コメント」を出そう

 「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事
業法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う実用発電用原子炉の設
置、運転等に関する規則等の改正案等に対する意見公募について」とい
う長い長い名前のパブコメが実施されている。
 締め切りは8月4日中。従って、もう時間はほとんど無い。
 対象としている文書は次の3つ。
1.「GX脱炭素電源法附則第4条第6項の規定により納付すべき手数
料等の額を定める政令(案)(概要)」
2.「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則等の一部を改正す
る規則(案)」
3.「実用発電用原子炉の長期施設管理計画の審査基準(案)」
 このうち重要なのは「実用発電用原子炉の長期施設管理計画の審査基
準」である。

◎パブコメの趣旨

 GX脱炭素電源法案(というより原発推進法だ!)の中でも原子力規
制委員会所管の「老朽原発管理計画」についての意見募集である。
 原発の「利活用」の視点から、現行の原発の運転期間を原子炉等規制
法から電気事業法に移し、さらに40+20の60年運転制限を、「新
規制基準適合性審査を受けていた期間」などと名目を付けて最低でも4
年、長ければ事実上無限に期限を引き延ばすことを可能とした法令改正
が、5月31日に国会を通っている。
 しかし具体的にどのような理由で期限を延長するかは明確になってい
ない上、それを決めるのは「規則、省令」である。

.. 2023年08月03日 06:08   No.2815005
++ 山崎久隆 (社長)…1564回       
 このように「原発依存からの脱却」ならぬ「原発依存への転換」を決
めた法令の中に、原子炉等規制法の改訂があり、そこで「実用発電用原
子炉の長期施設管理計画の審査基準」がある。
 期間ではなく経年劣化の度合いで運転を許可するかどうかを決めるの
が規制の仕事、という名目で制定される「新しい」規制基準、つまり「
新新規制基準」だということだが、実態は今まで行ってきた「高経年化
技術評価」とほとんど変わらないのである。
 これを規則から法令に「格上げ」し、認可されなければ運転ができな
くなるとの新たな規制をかけることで原発の安全性を保証するとの触れ
込みだ。
 では、本当にそうなっているのか。
 それが、今回のパブコメの主要な点だ。

◎「長期施設管理計画の審査基準」の問題点

 「実用発電用原子炉の長期施設管理計画の審査基準の制定について」
では、次のようなことが定められている。
 30年を経過した原発は、10年毎に事業者が長期管理計画を決めて
規制委に提出しなければならない。

 長期管理計画には、
 1.通常点検及び劣化点検の実施の考え方及び方法が適切に定められ
 ていること、
 2.技術評価に用いる点検等の結果が明らかにされていること、
 3.劣化の状況を把握する点検又は検査がない場合には、劣化点検を
 実施しなくとも技術評価が可能であることが示されていること、
 4.将来の劣化の予測・評価をどのように行うかの予測と評価の結果
 が示されていること、
 5.劣化を管理するための具体的な措置が示されていること。が記載
 されなければならない。

 しかしこれで原発の事故を未然に防ごうというのは、言うは易く行う
のは困難だ。
 例えば、投棄管理計画において劣化を確認し基準への適合性を立証す
る責任は事業者に課せられている。それをクリアできなければ運転はで
きなくなる。
 しかし適合性を審査し、判断する規制委が事業者の見落としや不適話
などを審査等で未然に見つけ出す能力が無ければ、この規制は機能しない。
 そのような技術的能力があるのかは、これまで実証されたことはない。
 実際の審査会合においても、規制側にそのようなことができるのか、
疑問の声が委員から上がっていたのである。

.. 2023年08月03日 06:14   No.2815006
++ 山崎久隆 (社長)…1565回       
 原発は極めて複雑な構造物であり、全部の専門家などはいない。金属
材料やポンプなどの専門知識があっても炉物理の専門ではないとか、地
震について知見があっても津波はまた別とか、とても5人の委員で審査
をこなすなど難しいと誰もが思うのではないか。

◎未知の劣化を調査する方法が定められていない

 劣化評価については、原発の全部を見ることが出来ないため「主要6
事象の管理」が中心だとしている。
 これは、
 1.中性子照射脆化、
 2.低サイクル疲労、
 3.照射励起型応力腐食割れ、
 4.2相ステンレス鋼の熱時効、
 5.電気・計装品の絶縁低下、
 6.コンクリート構造物に掛かる強度低下及び遮蔽能力低下だ。

 しかも、中性子照射脆化から2相ステンレス鋼熱時効までは運転して
いないと進行しないと決めつけている。だから運転期間について長期停
止期間の除外ができるとしている。
 しかし劣化の進行はこれだけではない。
 個々に定められたものの多くは、建設時から交換できない構造物の劣
化を想定している。

 中性子照射脆化と照射励起型応力腐食割れは圧力容器、2相ステンレ
ス熱時効は圧力容器に接続されている主要配管、電気・計装品は交換不
可能な古いケーブル、コンクリートは建屋そのものだ。
 しかし交換可能であるとしても、毎定検時に全部交換するわけではない。
 例を挙げると、交換可能といっても交換工事に何年もかかる蒸気発生
器(PWR)や炉心シュラウド(BWR)など、運転期間中に一度変え
られるかどうかという装置もある。
 こうしたものは劣化評価が正確でなければ運転中に破断したりする危
険性があり、そうなると炉心溶融に直結する事故になる。

◎設計の古さをどうやって管理するのか

 原発の建設は主に1970〜1980年代がピークだった。多くは1960年代に
設計されたものである。航空機ならばボーイング747と同時代。今年
生産を終了したので、異例の長寿命だった。
 同時代の原発をまだこれから運転しようという。現在運転中の高浜原
発1号機は推定2056年まで。こんなハイリスクな国は他にはない。

.. 2023年08月03日 06:20   No.2815007
++ 山崎久隆 (社長)…1566回       
 日本の原発は、全て海岸立地であるうえ、地震の影響を強く受けてき
ている。
 重大な損傷を受けた柏崎刈羽原発など論外としても、目立った被害の
ない原発でも揺れにより蓄積された疲労や地盤のずれなどが起きている
可能性はある。
 そのうえ、地震想定つまり基準地震動は初期の原発は270ガル(東
海第二)や370ガル(高浜1・2)などとして建設されている。その
当時、大きな地震に襲われるという発想そのものが無かったのである。
 現在は、1009ガル(東海第二)や700ガル(高浜)である。

 しかし高浜とほど近い大飯では856ガル、美浜では993ガルとし
ており、その違いはかなり大きいが、それが何なのか。疑問である。
 このように古い原発は低い地震想定で建てられているため、新規制基
準適合性審査を受けるために耐震補強を繰り返してきた。これはつぎは
ぎだらけといえる。
 運転期間制限の40年(+20年)という基準は、こうした古い設計
で現代の評価では失格する原発を退場させるために2013年に炉規法改正
でわざわざ設定したものである。それを勝手に書き換えるなど許される
ものではない。

◎再度、パブコメを出そう

 パブコメで法改正を止めるということはできないかもしれない。
 しかしこうした規定が私たちの反対の声もなく通ってしまうことは害
悪だ。少なくても今後法令改正を実現し、改めて原発をなくす取り組み
を続けるならば、パブコメを通して反対の声を届けるべきだ。
 以下のURLから、8月4日中までに、是非意見を送ってほしい。

 実用発電用原子炉の長期施設管理計画の記載要領(案)に対する
 意見公募について
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=198023204&Mode=0

.. 2023年08月03日 06:27   No.2815008
++ 山崎久隆 (社長)…1567回       
原子力規制委の長期管理施設計画パブコメ締め切り間近(8/4まで)
 | 中性子照射脆化の評価を東海第二原発では行わず
 | 危険な原発を止めさせるためにあらゆる努力を  (その2)
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 今回は、主要6項目として規制委が長期管理施設計画で確認、評価す
るとしている「中性子照射脆化」について意見を送る参考にしてもらい
たい情報を記載する。

◎中性子照射脆化とは何か

 「中性子照射脆化」とは、鋼鉄製の圧力容器に当たる中性子が、材料
中の元素を叩いて格子結晶構造を変質させることから起きる。
 つまり中性子照射を受けると金属材料がもろくなる現象で、金属材料
が中性子照射を受けると規則的に並んでいた原子がはじき飛ばされた
り、核変換により新しい原子が生成して原子配列が不規則になり、格
子欠陥、ヘリウム気泡、析出物などが生じ、材質が硬化する。
 照射が進むと、材料はさらに硬くなっていき降伏応力が上昇し、材料
の伸びが少なくなる。

 金属材料が照射を受けて脆化すると低温での衝撃荷重に対して著しく
弱くなるが、高温になると、この脆化は回復して再び粘りけが生じる。
 このような延性−脆性遷移現象は原子炉圧力容器にとって重要であ
り、照射が進むにつれてこの延性−脆性遷移温度は高温側にシフトする
ので、監視試験片を原子炉の中に入れて、定期的に調べ材料の安全性を
確認している。(ATOMICA他)
 この脆性遷移温度が高くなっているのが老朽化した原発である高浜
1、2、美浜3号であり、これらは既に危険領域を超えていると多くの
専門家は考えている。

◎中性子照射脆化を見なくなる

 運転中の中性子が大きく影響することから、事業者は当然のごとく「
停止している間は進行しないから問題ない」といって、この評価を低く
見ている。
 特に今回問題になっているのは、東海第二原発(茨城県東海村、BW
R 110万kw)だ。
 運転期間が延びて60年を超える可能性が高いとされているのに、中性
子照射脆化を評価するために必要不可欠な「試験片」を使い切ってい
て、炉内には「再生品」しか残っていない。

.. 2023年08月04日 06:17   No.2815009
++ 山崎久隆 (社長)…1568回       
 これは、運転開始時点で60年を大幅に超える期間を延長することなど
想定していなかったから起きたのであろう。
 つまり、60年超運転自体、原発にとって想定外の「災害」級の出来事
であることを意味する。

 特に、東海第二原発の場合、もともと4個入れていた照射ターゲット
の「試験片」を使い切ってしまった。このため、現在入れているのは既
にテストで破壊試験を行った試験片を再生したものだという。
 大きさは5ミリ程度(熱影響部のサイズとして)しかないといわれ、
これでは試験そのものができないのではないかと思われる。

 ところがここでウルトラCが登場する。

 日本原電が2018年に作成した「原子炉圧力容器の中性子照射脆化に関
する評価の詳細について」という文書にはこういう記述がある。
 『沸騰水型原子炉圧力容器では,炉圧は蒸気温度の低下に伴い低下す
ること,冷水注入するノズルにはサーマルスリーブが設けられており,
冷水が直接炉壁に接することはないから,PTS事象は発生しない*1。
また相当運転期間での中性子照射量が低く,BWR−5を対象とした
評価(図5−1)において,破壊靭性の裕度が十分あることが確認され
ている*2。』

 敢えて注釈の数値を残しているが、ここから文献を探してみると、こ
こには恐ろしいことが書かれている。
 「*2」とされている「沸騰水型原子炉圧力容器の過渡事象における
加圧熱衝撃の評価」では、
 『国内BWR全運転プラントを対象として、構造および設計熱サイク
ルを考慮してグループ化し、供用状態DにおけるPTS評価を行った。
全てのプラントについて、60年運転を想定した48EFPY時点で、応
力拡大係数KI曲線と破壊靭性KIC曲線とは交わらずに破壊靱性の裕
度が十分にあることが確認された。
 BWRの場合は、供用状態CおよびDにおいて、PTS事象のような
非延性破壊に対して厳しい運転事象はなく、非延性破壊評価は供用状態
AおよびBに対する評価で代表できることが確認された』とある。

.. 2023年08月04日 06:25   No.2815010
++ 山崎久隆 (社長)…1569回       
 これを根拠として、規制委は現在、BWRつまり東海第二原発につい
て、中性子照射脆化と加圧熱衝撃について評価対象から外すというのだ。
 『東二の評価に対して,裕度がある。そのため,供用状態C及び供用
状態Dにおいては脆性破壊に対して厳しくなる事象はなく,耐圧・漏え
い試験時の評価で代表される。』との記述が、既に2018年の原電文書に
記載があり、これが事業者の提案であることが明らかである。
 既に20年延長運転申請の際、試験片が枯渇することから、こうした主
張をしており、加えて今回の「長期管理施設計画」では、他のBWRも
含めて全部外してしまえと主張しているのである。

◎東海第二原発の現状

 先の論文では運転期間は60年(運転期間に直すと48年とされている)
までしか解析されていない。
 東海第二原発は今のままでは72年近く運転する可能性がある。運転期
間としても50年を大きく超えるだろう。
 また、材料の具体的な評価については記述がないため、どんな不純物
が含まれているかわからない。

 一般に、中性子照射脆化は材料に含まれる元素の種類や量で大きく変
化する。
そのため同じ材料(母材、溶接材)で試験片は作らないと意味がない
が、たった5mmでは同じ材質の試験片になっているとは考えにくい。

 新品の原発であっても材料や製造に問題があればあっという間に破損
していくことは、三菱重工業がサン・オノフレ原発向けの蒸気発生器を
製造した際に起きた事件でも明らかだ。
 この時は新造品の蒸気発生器の細管が次々に破損していき、結果的に
サン・オノフレ原発を廃炉に追い込んだ。

 まして老朽原発では、製造時のデータも十分ではない上、進行中の劣
化状況を把握するためのデータすら取ることができなくなる。
 東海第二原発と同型のBWRである敦賀原発1号機(既に廃炉)では
 加速試験(炉心内で炉壁よりも燃料体に近い場所に試験片を置くこと
で中性子照射量を多くして、寿命末期の状態を模擬して行う評価)を
行ってきたところ、実際の炉壁の状態を模擬できなかった(少ない影響
しかないように評価された)例もある。

.. 2023年08月04日 06:31   No.2815011
++ 山崎久隆 (社長)…1570回       
 東海第二原発も加速照射なので、これまで取り出した試験片が実際の
炉壁の状態を正しく評価できるデータが取れているか疑問だ。
 そういう状態であるにもかかわらず、中性子照射脆化と加圧熱衝撃の
評価をしないなどというのは、都合が悪いから逃げているに過ぎない。
 しかし事故からは逃げられないということは知るべきだ。
 試験片が枯渇し中性子照射脆化を評価できなくなった原発は直ちに
廃炉にするべきである。

◎再度、パブコメを出そう

 パブコメで法改正を止めるということはできないかもしれない。
 しかしこうした規定が私たちの反対の声もなく通ってしまうことは
害悪だ。
 少なくても今後法令改正を実現し、改めて原発をなくす取り組みを続
けるならば、パブコメを通して反対の声を届けるべきだ。

 以下のURLから、8月4日中までに、是非意見を送ってほしい。
 実用発電用原子炉の長期施設管理計画の記載要領(案)に
 対する意見公募について
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=198023204&Mode=0

.. 2023年08月04日 06:36   No.2815012


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