返信


■--東京電力に原発の運転資格なし
++ 菅井益郎 (小学校中学年)…19回          

東京電力に原発の運転資格なし、運転禁止命令の継続は当然だ
 | 花角新潟県知事は県の検証総括委員会を直ちに再開する義務がある
 └──── 菅井益郎(柏崎巻原発に反対する在京者の会)

◎ 東京電力に原発の運転を任せられるか?
 前号で小木曽さんがすでに報告しているように、原発の再稼働を認め
る方針だった県議会多数派の与党県議たちも過半が柏崎刈羽原発をこの
まま再稼働させる訳にはいかないという。
 選挙前のアンケートだったからでもあるが、与党議員から見ても東電
の再稼働の条件が整ったとは言えない状況が続いているし、花角知事も
安直に再稼働とは言えない。

◎ 昨年発足した岸田政権は、原発縮小路線から、原発再稼働、新増設
まで踏み込み、原発政策の大転換を行なったが、地元新潟県民は到底受
け容れられない。
 もともと花角知事は一期目の選挙で「脱原発社会をめざす」と公約を
掲げて知事になり、県民に信を問うと言ってきたのである。
 花角知事は、泉田知事が設置した技術委員会、米山知事が設置した生
活と健康及び避難の2つの委員会の報告、これら3つの報告書を最終的
にまとめる有識者による検証総括委員会の評価報告を基に判断すると、
くり返し言ってきたのである。

◎ しかし花角知事は、3月に任期が切れた池内了名古屋大名誉教授
以下すべての検証総括委員を再任せず、総括委員会を事実上解散し、代
わって県の担当部局で総括すると宣言した。これは明らかな公約違反
である。
 池内委員長は花角知事を厳しく批判し、委員長自ら県民と直接対話を
重ねながら独自の検証報告書を作成し、県民の判断の資料にするとし
て、すでに2回の対話集会を行った。最初の対話集会は5月7日に柏崎
市で行われ180人あまりが集り、私も議論に参加した。
.. 2023年07月06日 04:53   No.2793001

++ 菅井益郎 (小学校高学年)…20回       
 池内さんの論理はきわめて明解で、提出された3つの報告書、とくに技
術委員会の報告書は両論併記という中途半端なもので、やむをえず両論
併記にする場合でも、最後までシュミレーションしてそれぞれの結果を
導き出し、対策の是非まで具体的に書き込む必要があるとしている。
 生活と健康および避難の委員会の報告も、問題点の整理や指摘にとど
めずに、その対策を最後まで検証しておく必要があるし、県の原子力安
全対策課は具体策を誰にもわかるように提示し、県民の疑問に応えなけ
ればならないと強調した。池内さんの2度目の対話集会は6月3日に新
潟市で行われた。
 花角知事は池内了氏ほか全委員を再任し、検証総括委員会を直ちに再
開する義務がある。

◎ こうした中でも東電の不祥事は相変わらず続いている。IDの不正
使用問題で運転禁止命令が出たのは2021年4月であるが、その後もID
の不正使用や最近では大事なデータの無断持ち帰り、紛失事件まで発生
した。規制委員会はテロ対策などがなお不備であるとして、5月17日運
転禁止命令を継続する方針を出した。
 一方東電は、柏崎刈羽原発の再稼働を前提にして電気料金の値上げを
申請したが、コストの過大見積りがあると指摘され、燃料費の低下を組
込んで再申請し、6月から他の電力会社と同様に家庭用電気料金の大幅
値上げが一斉に認可された。

◎ ところで5月31日、岸田政権は詳細を決めぬまま60年超運転を可能
にする原子力基本法や電気事業法などの改悪を含むGX脱炭素法を強行
採決したが、法律をいじくっただけで原発の電気が増産できるわけがない。
 汚染水の海洋投棄や汚染土壌の再利用、高レベル廃棄物の最終処分場
も見通しがない中での暴挙である。

.. 2023年07月06日 05:03   No.2793002
++ 菅井益郎 (小学校高学年)…21回       
◎ 地元紙やTVの報道によると、磯田長岡市長は5月31日、柏崎刈羽
原発の運転については不祥事が続く東電ではない別の組織にさせるよう
国に要請すると述べたという。
 この長岡市長の発言を受けてか、桜井柏崎市長も6月1日、東電は信頼
できないので、東電以外の事業者に任せたらどうかと発言している。
 両市長が連絡を取り合って発言したのかどうかは不明だが、私は柏崎市
長の発言は一種の牽制球で、少しでも早く再稼働して交付金を受けたい
という柏崎市長の本音を垣間見るように思う。
 柏崎市長よ、交付金の増額と引き換えに市民の安全を蔑ろにしてはな
らない、と強く言いたい。
     (6/20発行「ノーニュークス・アジアフォーラム通信」
                 182号より了承を得て転載)

.. 2023年07月06日 05:10   No.2793003
++ 小山芳樹 (高校生)…64回       
原発推進GX法が成立しても止められる
 | 原子力推進の矛盾はむしろ拡大
 | 電気事業法改悪について
 | 6.運転延長期間の計算方法について
 | 7.運転期間の除外根拠について
 | 8.期間除外条件が複数成立した場合の計算方法について
 | 6/17山崎ゼミの資料紹介 (その6)(連載)
 └──── 小山芳樹(たんぽぽ舎)

その2 電気事業法改悪について

6.運転延長期間の計算方法について

 条文により許可される期間の計算方法については、何ら具体的に示さ
れていない。その条文とは次のものだ。

「イ 申請発電用原子炉に係る発電事業に関する法令若しくは審査基準
若しくは処分基準の制定若しくは改正又は当該法令の解釈若しくは運用
の基準の変更に対応するため、その原子力発電事業者が申請発電用原子
炉の運転を停止した期間と認められる期間」

「ロ 前条において準用する第27条第1項若しくは第40条の規定に
よる処分、原子炉等規制法第43条の3の20、第43条の3の23若
しくは第64条第3項の規定による処分又は武力攻撃事態等における国
民の保護のための措置に関する法律第106条の規定による処分による
義務を履行するため申請発電用原子炉の運転を停止した原子力発電事業
者にあつては、その停止した期間のうち、当該処分による義務を履行す
るため申請発電用原子炉の運転を停止する必要がなかつたと認められる期間」

「ハ 行政指導に従つて申請発電用原子炉の運転を停止した原子力発電
事業者にあつては、当該行政指導に従つて申請発電用原子炉の運転を停
止した期間と認められる期間」

「ニ 仮処分命令を受けて申請発電用原子炉の運転を停止した原子力発
電事業者にあつては、その停止した期間のうち、当該仮処分命令による
義務を履行するため申請発電用原子炉の運転を停止する必要がなかつた
と認められる期間」

「ホ ロに規定する処分以外の他の法律の規定に基づく申請発電用原子
炉に関する処分であつてその取消しの判決が確定したものその他原子力
発電事業者が申請発電用原子炉に係る発電事業の遂行上予見し難い事由
として経済産業省令で定めるものに対応するため、その原子力発電事業
者が申請発電用原子炉の運転を停止した期間と認められる期間」。

.. 2023年07月06日 15:20   No.2793004
++ 小山芳樹 (高校生)…65回       
 少なくとも、これら計算根拠と方法を示して、その妥当性を国会で議
論するべきではないのか。
 他の法律の審議状況を見ていても、岸田内閣は説明を放棄している。
 特に許しがたいのは国民生活に大きな影響を与えることが予想される
事案についても説明をしないことだ。
 最も近いところでは少子化対策として上げた予算のもとを示さないこと。
 増税や社会保険料負担であれば、結局国民負担率が上がるだけであり
効果は期待できない。そうした政策ばかりが目立つ内閣である。

7.運転期間の除外根拠について

 具体的に法案の問題点を指摘する。

 最初の「イ」は、規制委が審査を行った期間が運転延長できるとする。
 これを例えれば、所得税申告において国が更正処分を行った後に審査
請求が認められた場合、加算税はその期間について減額されるとの考え
方と同等だ。
 すると規制委の審査自体が不利益処分であり、それを遡って是正する
必要があると認識していると理解できる。
 事業者による不正確な審査書類の作成でも、審査を通すための不正な
申請書でも、能力がなくて規制委の要求する水準に達しない回答でも、
そのために期間が延びても認めるということになる。
 このような考え方は、安全側に立った審査を強く妨害するが、そうし
た改訂を行うことに如何なる合理性があるのか説明はない。

 「ロ」は炉規法の規定と武力攻撃事態法に基づく停止措置が、あとか
ら「必要なかった」とされた場合の期間を、

 「ハ」は震災時に菅直人首相が要請して停止させた浜岡原発のことを、

 「ホ」はそれ以外に考えられる全部の法律で止まった場合指す。
 いずれも理由があって停止措置を求めたものを遡ってなかったことに
する対応は、事業者の利益第一であって、国民の安全など二の次三の次
だということだ。そもそも原発に寿命はないのだから何時までも(壊れ
るまでは)動かせるとの考え方に依っている。

「ニ」に至っては、もはや暴挙である。
 司法判断でいったんは差し止めの決定があった原発を、その決定が上
級審で覆されたら無かったことにするというのだ。

.. 2023年07月06日 15:26   No.2793005
++ 小山芳樹 (高校生)…66回       
 これにより差し止め処分の効果を消滅させるわけだが、例えば原告側
主張により差し止められた原発の事業者が、その指摘を受けて改良し、
又は対策したことで上級審が差し止める必要はないと判断したケースで
も、無かったことにされる。
 原告が訴えていなければ危険なままだったかもしれないものをここま
で擁護する理由は一体何なのだろうか。想像を絶する。

8.期間除外条件が複数成立した場合の計算方法について

 運転延長期間について複数の要件が同時に成立する場合、その年数の
計算方法については具体的に示されていない。
 また、イからホの複数に該当した場合の、どの項目に該当して期間が
延長されたかについて明確にする方法も示されていない。
 このような予見できない状況で法律だけを成立させようというのは、
白紙委任状を求めることに等しく、到底認められるものではない。
 これは規則で明確化すると経産省は答えているが、ならばまずそれを
示すことが先である。 (その7)に続く

.. 2023年07月06日 15:34   No.2793006
++ 小山芳樹 (高校生)…67回       
原発推進GX法が成立しても止められる
 | 原子力推進の矛盾はむしろ拡大
 | 電気事業法改悪について
 | 「止めている期間が長いほど延長運転期間が長くなる」規定はおかしい
 | 9.異議申立ないし審査請求について…から
 | 15.運転停止命令と取消しとの関係について…まで
 | 6/17山崎ゼミの資料紹介 (その7)(連載)
 └──── 小山芳樹(たんぽぽ舎)

その2 電気事業法改悪について

9.異議申立ないし審査請求について

 これらの期間計算について異議があるときは如何なる救済方法が定め
られるのだろうか。もちろん、処分対象の事業者の場合は、先の条文の
計算通りに参入期間が認められないことになると、審査請求を行う対象
となりうる。
 例えば東海第二原発の稼働期間について経産大臣が許可を出した
場合、これにたいして住民はいかなる異議申立まはた審査請求ができる
のか。これについて経産省は行政不服審査法の定める手続きで行われる
審査請求は可能としている。電事法等では事業者が行う場合、地元自治
体が行う場合、私たち市民が行う場合のいずれも手続きについては想定
されておらず、規定もない。

10.公聴会や意見聴取について

 このような運転期間の延長については、到底容認できないとの声は高
まっている。
 昨年12月に取りまとめられた「GX実現に向けた基本方針」につい
て、エネルギー政策を中心に「GX地方説明会」を全国10カ所で開催し
たが、この段階ではまだ法案も明らかではなかったにもかかわらず、強
い批判の声が高まった。
 しかし経産省は改訂法が国会に上程される段階では、公聴会、意見表
明の機会等は設けていない。パブリックコメントはあくまでもGX基本
計画に対してのものであり、具体的な法令に関しては、一切行わな
かった。野党が求めていた福島県での公聴会開催も拒否した。
 今後は、規則、基準等を策定した段階でパブコメにかけると経産省は
説明したが、これでは意見を聞くことにはならない。

11.どこに意見聴取をするのか

.. 2023年07月08日 08:06   No.2793007
++ 小山芳樹 (高校生)…68回       
 第5項で『経済産業大臣は、第2項の認可をしようとする場合には、
あらかじめ、前項第1号に掲げる基準の適用について、原子力委員会の
意見を聴かなければならない。』としている。
 住民や自治体ではなく、原子力委員会に聞くという。
 しかしもとは原子力委員会が原発の立地を許可している。(設置許可
及び同変更申請の許可)、何故ふたたび原子力委員会の意見を聞く必要
があるのか、延長を認めないなどの意見が表明される可能性は考えられ
ない。
 市民や国会や原子力規制委員会の意見は聞かないのに、推進している
機関の意見を聞く理由は、あまりにも明確だ。

12.原発再稼働の上限を定めるべき

 第7項で『第2項から前項までの規定は、第2項の認可を受けた原子
力発電事業者が、その発電事業の用に供するため、当該認可により延長
された運転期間を超えて当該認可に係る発電用原子炉を運転しようとす
る場合に準用する。』について、少なくても運転から40年以上を経過し
た原発については、いすれかの上限を定める必要がある。

 炉規法の最大60年は安全規制であり、これを事実上無制限としている
のは安全を犠牲にして経済性を最大限求める立場。
 諸外国には上限を定めない国が多いなどと経産省は言うが、福島第一
原発事故を経験した国と、ロシア(ウクライナ)を除き炉心溶融を引き
起こし大量の放射性物質拡散事故に至った日本と、それ以外を比較する
こと自体不適当だ。

 また、このままでは運転をしていない原発は、80年を超えても再稼働
が可能になるという、世界でも例のない異常事態になる。
 止めているほど延長運転ができるなどと言った規定を持つ国こそ、ど
こにもない。停止期間を運転していない時間と勝手に決めた国は世界中
で日本だけである。

13.認可取消しの判定基準についても不明確

.. 2023年07月08日 08:17   No.2793008
++ 小山芳樹 (高校生)…69回       
 「認可の取消し」について、第27条の29の4では、『認可原子力
発電事業者が次の各号のいずれかに該当するときは認可を取り消すこと
ができる。』として、第1号『第27条の29の2第4項第1号、第2
号又は第4号に掲げる基準に適合しなくなつたとき。』としています
が、最初は「平和目的外利用」2番目は「炉規法の許可の取り消し」
3番目は「当該発電事業を遂行する態勢の見直し及び改善に継続的に取
り組むことが見込まれ」ないことだとされています。

 なぜ3項「電気の安定供給を確保することに資すると認められるこ
と。」を飛ばすのですか。
 「第2号又は第4号」ではなく「第2号ないし第4号」とするべきで
はないですか。
 また、平和目的外や炉規法の規定に反した場合、直ちに許可は取り消
されるべきであって、それをするのは電気事業法ではなく原子力基本法
と炉規法の役割ではないですか。

14.許可取り消し条件の既定の問題点

 第2項では許可の取消条件として次のように規定する。
 『この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反した場合におい
て、公共の利益を阻害すると認めるとき。』
 これは二段階規定になっている。
 本来は、命令の規定に違反していたら直ちに許可を取り消すべきで、
これに「公共の利益を阻害すると認めるとき」と、さらに条件を加える
ことは理解できない。
 法令違反だけで許可を取り消さない理由は説明されていない。
 また公共の利益を阻害するとは何を具体的に指しているのかも不明確だ。
 存在そのものが公共の利益を阻害していると思うが、そんな発想はな
いだろうから、この規定の意味を説明する必要がある。

15.運転停止命令と取消しとの関係について

.. 2023年07月08日 08:29   No.2793009
++ 小山芳樹 (大学生)…70回       
 規定される「運転停止命令」について、第27条の29の5では(経
産大臣は)『原子力発電事業者が第27条の29の2第2項の認可を受
けないで同条第1項の40年を超えて発電用原子炉を運転したとき、又は
当該認可により延長された運転期間を超えて当該認可に係る発電用原子
炉を運転したときは、当該原子力発電事業者に対し、当該発電用原子炉
の運転を停止すべきことを命ずることができる。』としているが、炉規
法ではこれを「許可の取り消し又は運転停止」としている。
 炉規法と同じと電事法に運転期間の規定を持ってきたときに説明して
いたはずが、こういうところで規制を大きく緩和させることに怒りを
禁じ得ない。なぜ許可の取り消しを規定しないのか納得できる説明は
ない。(その8)に続く

.. 2023年07月08日 08:37   No.2793010


▼返信フォームです▼
Name
Email
ホームページ    
メッセージ
( タグの使用不可 )
Forecolor
アイコン   ICON list   Password 修正・削除に使用