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海底火山新たに“2万個”発見 将来の大地震にも関係 | 一方でレアアースの宝庫、次世代の自動車に不可欠な材料に | 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その492 └──── 島村英紀(地球物理学者)
海底から1000メートル以上隆起し、頂上の直径が大きくないものは 「海山」と呼ばれている。海底には海山が数万個あり、まだ発見されて いないものも多い。 海山のほとんど全部は玄武岩だ。まわりのプレートの玄武岩とは年代 が違う。 プレートは生まれたときに海嶺から出てきたマグマが冷えた玄武岩だ が、海山はプレートが動き出した後に、プレートを突き抜けて噴き出し たもので、富士山のような単独峰が多い。 現在は火山としては活動していなくてももともとは海底火山だと思わ れている。
なお、海底火山より山頂が大きなものは「海膨(かいぼう)」と呼ば れているし、低いものは「海丘」と名づけられている。ともに海底火山 で、大きさだけが違うものだ。 海山はプレートに固着しているので、プレートが海溝で潜り込むとき には地震を起こす。
ところで、今は小さな海山の列が福島沖と九州・日向灘沖にある。こ れら海山列がマグニチュード(M)8クラスがここではM7クラス以下 しか起きない理由だと思われている。つまり、大地震を「散らす」働き をしているのだろうと考えられている。
茨城沖の第一鹿島海山は二つに割れている。この海山は海膨級の大き さがある。海山の西半分がプレートに乗って沈み込んでいるが、大きす ぎて二つに割れたのだろうと想像される。第一鹿島海山が沈み込んだの は何千年も前だが、そのときには大地震が起きたはずだと思われている。 海底火山が多いのがホットスポットの周辺だ。ここではマグマが地球 のマントル深部から上昇し噴出している。
.. 2023年06月15日 05:08 No.2776001
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