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コロナが落ち着き、週末に帰省する人が増えた ふくしま作業員日誌・55歳男性 蒸し暑い日が続いている。そろそろ作業によってはサマータイムに 入り始める。また、朝が早くなる。 先日の全国新酒鑑評会で、福島県が金賞受賞銘柄の数で山形県に敗れ、 10連覇にならなくて残念だった。朝10時の発表はちょうど休憩時間で、 地元の人とみんなでスマホを見ていたが「あ! 駄目だった」と誰かが 思わず声を上げ、みんなでがっかりした。残念だったけど、福島の酒が 香りが高く、うまいのは変わらない。 コロナが落ちついて、酒を飲みに行くやつが増えるかなと思ったが、 この3年で習慣付いたらしく、普段は部屋飲みはするけど、みんなあまり 外に行かない。以前より、どの社も原発から近い場所にホテルや寮があ るから、店や代行の車も少ないし、飲みに行きにくいこともあるけれど。 でもまあ、どんな状況でも変わらず飲みに行くやつらはいる。 ただ、県外から単身で来ている人たちが、週末に家に帰るようになっ た。福島に戻るときの抗原検査もしなくてよくなったし、県外の家に帰る ときに会社に届け出をしなくてよくなった。敷地でコロナにかかったと いうのも聞かなくなった。これで落ちつくかな。 それにしても、原発事故後しばらくは、東電が頻繁に東京行きの直行 バスを無料で出してくれて、俺ら関東から来ている作業員は週末に家に 帰るのに、すごく助かった。バスは原発から20キロ離れ、装備や線量計 配布などの作業拠点として使っていたサッカー施設「Jヴィレッジ」から 出ていた。週末は作業後にそのまま長距離バスに乗って、寝て起きたら 東京についているみたいな感じで、頻繁に家に帰れた。そのうち利用で きるのが、東電社員だけになり、いつの間にかなくなってしまった。 大型連休や盆や正月などに戻るときに、1次下請けだと乗り合いで帰る 車代が出るけど、2次下請け以下は出ない。危険手当がピンハネされ、 4分の1しかもらえないと相談してきた下請けもある。なんだかなぁ。 (聞き手・片山夏子) (6月9日東京新聞21面より) https://www.tokyo-np.co.jp/article/255555?rct=worker_diary
.. 2023年06月11日 08:56 No.2775001
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