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樋口英明元福井地裁裁判長の講演を聞いて (下) 原発事故のもたらす被害は我が国の存続にかかわる | 原発の耐震性の低さを正当化できる | 学問的根拠はなく、原発の運転を続ける社会的正当性もない └──── 先崎〔茨城県、元瓜連(うりづら)町長、 瓜連町は合併により今は那珂市です〕
◎ 「原発は自国に向けられた核兵器だ。ウクライナのサポリージャ原発 は、何故簡単にロシアに占拠されたのか。ウクライナ軍は危険だと分かっ ているから反撃できないし、従業員も逃げ出せないからだ。 ウクライナが、その後取り返そうとして原発事故が起きれば被害はとて つもなく大きく、ヨーロッパ全体に及ぶからウクライナは取り返すことが 難しい」。このことは、ロシアによるウクライナ戦争で私が危惧していた ことの一つだった。
樋口さんが原発の再稼働を止めるべきだとしている根拠の最も大事な ことは、日本は地震大国であるにもかかわらず、原発の耐震性が極めて 低いことだと言う。 福島第一原発事故の時の震度は6強、800ガルだった。ガルは原発の 耐震設計基準(基準地振動)に用いられる単位であり、地震観測でも震度 以上に重要な単位とされている。
3.地震に弱い日本の原発
◎ 樋口さんの集めたデータによれば、2000年以降でも、1000ガル以上 の地震は17回起きており、被害が大きかった2016年の熊本地震は1740ガル だった。東海第二原発は現在1009ガルに設定されている。 日本全国が地震の巣。いつどこで福島原発事故のときより大きな地震 が来るか、地震学者にも分からないと言う。
◎ さらに樋口さんは、「ハウスメーカーの耐震設計基準は、三井ホーム で5115ガルに、住友林業は3406ガルに設定している。大飯原発は判決当時 700ガル(当初は405ガル)で、原発の耐震性は一般住宅よりも低い。 とてつもなく危ない」と説明してくれた。 「ホントなの、それ」と思ってしまう。だが、福島でも、原発では非常 用発電機や緊急炉心冷却装置が破損したが、原発のある大熊町や双葉町の 街並みはそのまま残っていたことからも、その説明はよく理解できる。
.. 2023年06月11日 08:11 No.2773001
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