|
軍備に前のめりになっている最近の日本にタイムをかけてる
三木義一(青学大名誉教授)
「ご隠居、タイム誌表紙の岸田首相の写真見ました? すごい策士みたい な感じでニヤッと」 「記事の中身に合いそうな表情を選んだだけじゃろ。もともとのタイト ルが『かつて平和主義だった日本を軍事大国に変えようとしている』と いう衝撃的なものだったからな。安倍タ力派に対し『岸田氏はハト派的 な性格のため、大きな反発を受けずに安全保障改革を実現することがで きた』という評価じゃ」
「それ以上にロシアのウクライナ侵攻が大きかったんじゃないですか? ロシアという隣国があんなことをするんだという恐怖があっしらの意識 を大きく変えてしまった」 「だから、日本の防衛予算を世界三位にし、以前だったら躊躇(ちゅう ちょ)してきた国際的な制裁に積極的に参加し始めたんだ」
「ウクライナには必勝しゃもじを持ってった」 「そうそう、タイム誌によると、首相官邸の軍人の霊の話は、1992年の 宴会中にブッシュ大統領が気を失ったことで、アメリカにも伝わった そうじゃ。ふみお君の法学部三度の受験失敗をロースクール受験失敗と 書くなど制度の違いを誤解している点はあるが、平和主義の憲法を持つ こと等の日本の問題を冷静に紹介しており、日本人が読んだ方がいいかも」 「おや、どうして?」 「軍備に前のめりになっている最近の日本にタイムをかけてるからじゃ」 (5月18日「東京新聞」朝刊21面「本音のコラム」より)
.. 2023年05月19日 05:32 No.2756001
|