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イエメンにある「地獄の井戸」近づくのはおろか、 | 話をするのもタブーとされ…地質学者数人が調査、長年のナゾ解き | 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その474 └──── (地球物理学者)
中東イエメンに「悪魔の井戸」がある。「地獄の井戸」ともいわれる。 イエメン東部のマフラ県の砂漠にある穴だ。穴の幅は30メートルあるが 深さは誰も知らない。深部から悪臭が漂っている。 この巨大な穴は数世紀前から存在する。
人々に悪魔の監獄と恐れられ、近づくのはおろか、話をするのも タブーとされていた。地獄の井戸は、背教者や非信者が死後に拷問を 受ける場所だとも、中に入ったら頭を切り落とされるとも伝えられている。 地元の人々からは悪魔が収監されていると恐れられており、地獄の 井戸の異名を持っていて、近づく者はおろか、誰もこの穴に入ろうと せず、底に何があるのかは不明だった。 この穴に、誰が喜んで入るだろう。誰も数百年の間、入ろうとはしな かったのは当然だった。
このたび、イエメンの地質学者数人がチームを組み用意万端整えて、 恐る恐る入ってみた。測量機器とガス検知器など近代装備はもちろん 持ち込んだ。 ロープを使って慎重に底に下りてみたら、深さは約112メートルあって 底には水がたまっていた。幸い空気中の酸素レベルは正常で、毒性も なかった。 穴の中には生きた多数のヘビの他に動物の死骸が残されていた。 これらが悪臭を放っていたもののだと思われる。 ヘビは天敵となる捕食者がいなければ増殖する。それでたくさんいた のだろう。
地質学者が驚いたことは洞窟真珠が多数あったことだ。 洞窟真珠は英語名ケイブパールという。砂粒などを核とし、周囲に カルシウム炭酸塩の結晶が幾層にも薄層を成して成長したものだ。 真珠貝の中で作られる本物の真珠と成長の過程がよく似ている。
洞窟真珠は、わずかな水流によって砂粒などを核として、核のまわり に作られる同心円状の炭酸カルシウムの堆積物だ。長い時間をかけて 作られる。水流によって滑らかになり、美しい真珠の形になる。 最大のものでは直径15センチもの球体が発見された例があるが、大抵 は直径1センチ以下である。丸くなくていろいろな形のものがあるが、 いずれも微細な層が同心円状に重なってできている。
.. 2023年01月19日 05:52 No.2668001
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