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軍事大国化進める岸田政権を批判する(下) 日本の軍拡と戦場化を許してはならない “罷り通る自衛隊軍拡と戦争の危機”
◎“不必要最大限”の攻撃力
自衛隊装備の拡充が新安保法制制定以後、一段と勢いを増している。 集団的自衛権行使容認や新安保法制がソフト面の、装備拡充がハード面 の軍拡と言える。この両方がワンセットとなって自衛隊軍拡が進められ ている。
軍拡の象徴事例が海上自衛隊の護衛艦「いずも」と「かが」の軽空母 化だ。両艦には最新鋭戦闘機F35Bが搭載され、航空自衛隊のF35Aに は、ノルウェーのコングスベルク社が開発した対艦・対地巡航ミサイル JSMが搭載予定だ。射程が500キロに及ぶ敵基地攻撃能力を有する ミサイルである。
それが配備されれば、憲法第9条との齟齬(そご)が決定的となり、 自衛隊の基本戦略である「専守防衛」は死語となる。ついには、アメリ カ=矛(ほこ)、自衛隊=盾(たて)の従来までの関係が逆転する。
自衛隊が合法だとしても、それが「必要最小限度の防衛力」として ギリギリのところで許容されてきた。 軽空母にしてもJSMにしても、明らかに攻撃兵器として運用され る。それは“不必要最大限の攻撃力”ではないか。
これらの配備は、中国の脅威を沖縄・南西諸島地域で防衛するため という触れ込み。 中国の台湾武力統一に端を発する米中戦争に日本が参画を余儀なくさ れた場合、中国からの日本本土へのミサイル攻撃への対応と言う シナリオだ。
これに加えて、去る9月1日、浜田靖一防衛相は基準排水量2万 トン(全長210m・幅40m)、1隻2500億円前後もする巨大イージス艦計画 を2024年から開始すると記者会見で明らかにした。まさに大艦巨砲主義 の再来だ。
日本の重厚長大な軍拡の一方で、中国側から日本及び在日米軍基地へ の攻撃の可能性は極めて乏しく、あり得るとすればアメリカの対中国 包囲戦略の発動に中国側からの反撃が開始される戦争だ。 逆に言えば、アメリカ及び日本が軍事発動しない限り、中国側から 日本への先制攻撃はあり得ない、と言うことだ。
.. 2022年10月27日 07:44 No.2604001
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