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民俗学者 川島秀一
東北大を定年退職後、福島県新地町に移住しました。 「カメラを持って乗船しても構わない」という地元の漁師さんからの 誘いがあり、「試験操業」やその後の「拡大操業」を手伝ってきま した。(中略) 福島第一原発で出た「トリチウム水」を国は希釈した後、海に流す 方針を示しています。 再び風評被害が出た場合は、魚を買い上げて、冷凍保存するそうです が、取った魚が人の口に入らないのは、漁師さんにとってとてもつらい ことなのです。
トリチウム水の海洋放出の見直しを求める漁師さんの声を「科学的」 ではない「感情的」 な意見だとする批判があります。 「科学的」という思考法がどれだけ生活者を裏切ってきたこと でしょう。 「科学的」な因果関係が疑わしいとして、チッソ水俣工場が有機水銀 を海へたれ流し続けたことを忘れてはいけません。 汚染された魚を詰めた2500本のドラム缶が埋められています。
人間が自然の海を管理できると思うこと自体が傲慢です。 これから海と魚と漁師がどうなっていくのか、今しばらくここで 暮らしていきます。(聞き手・中山敬三) (10月18日「東京新聞」朝刊6面「考える広場」− 魚を食べ続けられるか?より抜粋)
.. 2022年10月19日 05:06 No.2597001
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