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■--纐纈 厚
++ 新社会 (小学校中学年)…15回          

軍事大国化進める岸田政権を批判する (上)
  日米安保のNATO化許してはならない
  「死せる安倍、岸田を走らす」

               山口大学名誉教授 纐纈 厚

◎ 軍事大国化は安倍の遺訓なのか

 安倍の遺訓とばかりに、岸田政権下で軍事大国化が急ピッチだ。
その有様は、言うならば「死せる安倍、岸田を走らす」の感がある。
 安倍政権時代から現在まで、日本の軍事大国化は三段階に分けること
ができる。

 第一段階は集団的自衛権行使容認と新安保法制による「戦争のできる
国家日本」への転換、第二段階は安倍が「ダイヤモンドセキュリティー」
と呼んだ「日米豪印戦略対話(クアッド)による多国間軍事同盟の本格
起動、第三段階は防衛費倍増や敵基地攻撃能力の保持、さらにはクアッド
と北大西洋条約機構(以下、NATO)との接合による「アジア版
NATO体制」の構築である。

 最終的には、NATOプラスインド太平洋同盟による対中国・対ロシア
封じ込め軍事戦略の立ち上げが意図されていると見て良いだろう。
 従って、現在は第二段階から第三段階への途次にあると言える。
 これら諸段階は直線的に進むというより、重層的な動きとして立ち
現れる。
 これら全ての段階で日本の防衛政策は、アメリカの軍事戦略の枠組み
の中で設定され、政策化される。
 そしてロシアのウクライナ侵略戦争によって、この段階の展開に拍車が
かかっている。

 現段階での注目点は、防衛省が8月31日に提出した2023年度予算の概算
要求で、5兆5947億円を計上したこと。
 同額は、本年度当初比3.6%増に相当する。
 加えて、金額を明示しない100項目もの「事項要求」を盛り込んだ。
 そのうえで年末にかけて増額幅が決定されていく段取りとなる。
 経常費に1兆円規模の増額となる可能性がある。
 要するに、6兆5000億円前後となる計算だ。

 今年3月、防衛省防衛研究所が公表した「東アジア戦略概観2022」
は「現在の比率と中国の国防費の今後の伸びを考慮すれば、3分の1の
水準を維持する防衛費の水準は10兆円規模になるという考えもあり
得る」(同書241頁)と記述する。
 中立的な立場にあるべき公的な研究機関が、様々な議論が起きている
なか、防衛予算の増額を後押しするような記述は問題である。
.. 2022年10月06日 07:39   No.2587001

++ 新社会 (小学校中学年)…16回       
◎ 日米安保のNATO化の危うさ

 軍事大国化の第三段階で注視すべきは、日米安保のNATO化への
動きだ。今年6月29日、岸田首相はスペインで開催のNATO首脳会合
に日本の首脳として初めて出席した。
 そこで欧州とインド太平洋の安全保障が切り離せないとの認識を
示し、「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」との強い危機感を
表明した。
 そのうえで、日本は本年末までに新たな国家安全保障戦略を策定する
こと。日本の防衛力を5年以内に抜本的に強化し、防衛費の相当な増額
を確保すること等の決意を語った。

 そこでは日米同盟を新たな高みに引き上げながら、パートナーとの
安全保障協力も強化していくとした。
 また、新時代の日本とNATOとの協力の地平を開くため、「日本
及びNATO国別パートナーシップ協力計画」(IPCP)文書を大幅に
アップグレードするとも述べた。

 岸田首相発言は日本の軍事安全保障戦略が日米二カ国間からクアッド
へ、さらに複数国間安全保障協定に持ち込み、さらにロシアのウクライ
ナ侵攻を奇禍として、超他国間安全保障戦略への転換を図ろうとする
ものだ。
 だが、日本がアジア版NATO構築に前のめりになることに問題は
ないのか。
 NATO条約の第5条で加盟国への攻撃は全加盟国への攻撃とする
集団防衛義務が規定されている。
 そうなれば日本の軍事行動の範囲が、一気に拡大することを意味
する。そのことは次の二つの点で大きな問題となろう。

 第一に、日本国憲法との関連だ。非武装中立・非同盟にこそ平和憲法
の基本である。日米軍事同盟により骨抜き状態にあるが、平和憲法の
原点に回帰するのが戦後の護憲運動の目的であったはず。
 第二に、日本の無制限な軍拡を招くことだ。アメリカに追随して対中国
包囲戦略の一翼を担おうとしている日本が、中国を筆頭に対ロシア・対
北朝鮮などを含めて軍事ターゲットを拡大していくことは、必然的に
軍事機構の肥大化に招くことになる。

 ただ、現時点でクアッドがアジア版NATOに「昇格」する可能性は
あるのか、と問えば、多くの疑問符が付く。
 現実にクアッドの一員であるインドは中国・ロシアとの協力関係を
崩していない。
 クアッドは、2006年に安倍元首相が提唱したもの。当初は4か国に
限らず、多くのアジア諸国の参加を期待したが失敗した。

.. 2022年10月06日 07:47   No.2587002
++ 新社会 (小学校中学年)…17回       
トランプ前
米大統領時代に復活したが、依然4か国に留まっている。
 インドのジャイシャンカル外相は、今年4月15日、多国間フォーラム
のライシナ・ダイアローグの席上、「インドがいわゆるNATO同盟の
ような考えを持ったことはない」と言い切った。

 NATOは多国間軍事同盟であり、仮想敵国を設定し、それをター
ゲットとする軍事的安全保障政策を打ち出す。
 そうではなく、日本国憲法が示す平和主義に則り、「いのちの安全
保障」など、自立した外交防衛政策の打ち出しこそが必要ではないか。
       (9月28日発行、週刊「新社会」第1276号より)

.. 2022年10月06日 08:09   No.2587003
++ 東京新聞 (社長)…2724回       
◆祀(まつ)りのあとで       鎌田 慧(ルポライター)

 自民党による、自民党のための国葬。そのために公表されているだけ
で、16億6千万円の国費が投入された。新宿御苑の花見のような支援者
接待(4割以上が欠席だった)、あるいはアベノマスクのような、思い
つき人気取り政策の大浪費。
 見えっ張りの故人は、喜んでいるのだろうか。
 世論の批判を敵にまわして国葬を強行した岸田文雄首相の不支持率の
増大は、止めどもない。

 安倍晋三元首相は「地球儀を俯瞰する外交」と自画自賛していたが、
G7首脳は軒並み冷淡な、不参加に終わった。この不人気ぶりは視覚
化され、つまりは壮大な、時代錯誤の虚礼だった、と歴史に記録される
であろう。

 それでも岸田内閣は、NATO(北大西洋条約機構)加盟国並みに、
GDP(国内総生産)2%の軍事費支出を目標に設定、米国に追随する
軍事大国の夢を追うつもりだ。弾道ミサイルを配備して、敵基地攻撃
能力を高めようとするのは、実質的な平和憲法の破壊であって、憲法
違反である。

 さらに「国が前面に立ってあらゆる対応をとる」と岸田首相が力んで
いる、原発の新増設。
 すでにある原発でさえ、再稼働は難しいのに、さらに新しい原発の
建設!
 この現実離れしたプランは経産官僚作成にしても無責任極まりない。
核廃棄物はどうする。資金は国葬なみに国庫負担か。
答えてください、岸田さん。
     (10月4日「東京新聞」朝刊25面「本音のコラム」より)

.. 2022年10月06日 08:15   No.2587004
++ 素粒子 (小学校中学年)…19回       
【素粒子】より1つ
・「屋外は原則不要です」。
 マスクを外そう、という首相の所信表明に深くうなずく。
  (10月4日「朝日新聞」夕刊1面より)

.. 2022年10月06日 08:20   No.2587005
++ 黒木和也 (社長)…1120回       
(宮崎県在住)

1.【山口】中国電力が祝島の原発反対派団体に対し海の
 ボーリング調査妨害しないよう求める調停は不成立で終了
  10/5(水)19:56配信「KRY山口放送」

.. 2022年10月07日 06:05   No.2587006
++ 東京新聞 (社長)…2725回       
原則40年、最長60年」削除へ 原発運転期間なし崩し恐れ
  規制委員長 政府の方針転換 追認 福島第一原発事故の反省 どこへ

 政府が検討している原発の運転期間の延長について、原子力規制委員
会の山中伸介委員長は5日の記者会見で、現行の「原則40年、最長20年
延長できる」という規定が原子炉等規制法(炉規法)から削除される
ことを容認した。
 これを受け、政府は東京電力福島第一原発事故を踏まえた現行規定の
見直しを本格化させ、岸田政権が掲げる「原子力の最大限活用」に向け
原発の60年を超える長期運転へ大きく政策が転換する。
                     (増井のぞみ)(中略)
 9月26日に就任したばかりの山中伸介委員長は職員訓示で、「福島を
決して忘れないと誓ってください」と呼びかけた。
 福島事故の反省で生まれた運転制限という法の縛りを安易に手放して
いいのか。自らの訓示を思い返すべきだ。(小野沢健太)
            (10月6日「東京新聞1面より抜粋」)

.. 2022年10月07日 06:11   No.2587007
++ 黒木和也 (社長)…1121回       
(宮崎県在住)

1.原発運転60年規定削除へ 規制委が転換
  「40年」近づく鹿児島・川内原発、
  「福島の教訓忘れたのか」県内の市民団体反発
  10/6(木)10:00配信「南日本新聞」

.. 2022年10月08日 08:17   No.2587008
++ 東京新聞 (社長)…2726回       
老朽原発リスク増加懸念 原則40年運転制限撤廃
  延命歯止め失い、規制不透明に

 「原則40年、最長60年」と期間を定めた原発の運転制限が、撤廃に
向かいだした。老朽原発の延命に一定の歯止めになっていた制限がなく
なれば、リスクの高い原発が動き続ける事態になりかねない。
 原子力規制委員会は「規制を緩めない」ことを強調しているが道筋は
不透明だ。(小野沢健太)(後略)
        (10月7日「東京新聞」朝刊3面「核心」より抜粋)

.. 2022年10月08日 14:08   No.2587009
++ 朝日新聞 (社長)…717回       
原発運転延長 安全の骨抜き許されぬ
  (10月7日「朝日新聞」朝刊14面「社説」見出しのみ)

.. 2022年10月08日 14:18   No.2587010


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