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■--関西電力は老朽原発
++ 木原壯林 (部長)…229回          

・美浜3号機の再稼働を強行
 | いずれもあきれ返る稚拙なミス
 | 美浜3号、高浜1、2号の廃炉を勝ち取ろう
 └──── (老朽原発うごかすな!実行委員会)

◎人の貴賤を国家の視点で決定し、差別を強要する安倍元首相の国葬が
行われました。
 安倍元首相は、原発事故を未然に防ぐ方策を故意に怠り、福島第一
原発事故を招き、その後も原発の推進と核兵器の導入に奔走しました。

◎ さて、関西電力は老朽原発・美浜3号機の再稼働を10月から8月
12日に前倒しするとしていましたが、再稼働を目前にした8月1日、
放射性物質を含む水7トンが漏洩していることが発覚し、再稼働は延期
されました。
 また、次の再稼働を目論んだ23日の直前・21日に、「1次冷却水の
圧力が低下した際に、原子炉の暴走を防ぐために1次冷却系に注入する
ほう酸水を蓄えている蓄圧タンク(アキュムレータ)」の圧力が低下
していることが確認され、再稼働はさらに延期されました。

 関西電力は、昨年来、美浜原発3号機で発生したたび重なるトラブル
の原因について公表していますが(詳細割愛)、いずれもあきれ返る
稚拙なミスです。
 このようなミスは、技術者がしっかりしていれば、簡単に気がつく
ものです。
 しかし、現在は、下請け任せの上に、責任感と科学的常識のない、
関電および下請けの技術者、作業者、監督者、点検者などが原発を
動かそうとしています。

 原発を動かそうとする体制自体が腐敗しているのです。
 この事態は、一旦、体制全てを解体して、総点検しなければ、改善
されません。
 ただし、体制を根本的に刷新して判断すれば、原発運転は、無理だ
という結論に至るでしょう。

 それでも、関西電力は、8月29日午後3時過ぎ、美浜3号機を30日に
再稼働させると発表しました。このように直前の再稼働予定の発表は、
極めて異例のことです。
 「老朽原発うごかすな!実行委員会」は「老朽原発完全廃炉を勝ち
取るまで粘り強く、何度でも何度でも決起する」の決意の下に、8月
29日午後、可能な全ての手段を駆使して、美浜原発前および関電原子力
事業本部前緊急抗議行動を呼びかけました。
.. 2022年09月29日 05:43   No.2581001

++ 木原壯林 (部長)…230回       
 再稼働当日の30日11時過ぎ、美浜原発前には、緊急の呼びかけにも
かかわらず、京都、大阪、滋賀、兵庫などの関西、福井市方面、若狭
各地、美浜町内から約35人が、自家用車などで結集しました。
 参加者は、圧倒的な「老朽原発うごかすな!」の民意を蹂躙して
トラブル続きの老朽原発・美浜3号機の再稼動を企む関電に、満腔の
怒りのシュプレヒコール、抗議の声を叩きつけました。

 しかし、関電は、13時に再稼働を強行したため、参加者は、関電
原子力事業本部に移動して、さらに抗議行動を続行した後、「老朽原発
の完全廃炉を勝ち取り、それを突破口に、原発のない、人の命と尊厳が
大切にされる社会を実現する」ことを確認し合い、この日の行動を
終えました。
 ご参加、ご支援いただきました皆様、ありがとうございました。

◎ ところで、岸田首相は、昨年10月に決定した「エネルギー基本
計画」の中で「原発の新増設やリプレースは想定しない」としていまし
たが、決定から1年もたたない8月24日、この基本計画まで無視し、
また、原発の運転期間は最大60年とした法律をないがしろにして、
唐突に、
1.次世代原発の建設検討、2.原発運転期間の60年超への延長、
3.すでに新規制基準審査に合格している原発17基のうち最大9基を
今冬に、残る8基を来年以降の早期に稼働させる意向を示しました。

 福島第一原発事故の犠牲と教訓を軽んじ、科学的な説明や議論も
なく、さらなる原発推進を打ち出したのです。
 今まで俎上に上った原子力にかかわる全ての懸案事項を、科学的・
技術的にはほとんど進歩がないにもかからず、経済的利益のみのため
に「決断と実行」(自民党ポスター)しようとしているのです。
 人の命と尊厳を蹂躙するものです。
 粘り強い闘いを展開し、美浜3号機、高浜1、2号機の廃炉を勝ち
取り、それを突破口に、原発のない社会を実現しましょう!

.. 2022年09月29日 05:48   No.2581002
++ 山崎久隆 (社長)…1423回       
暴走する原子力行政
 | 岸田政権の原発再稼働を止めさせよう
| 再び重大事故を準備する原子力ムラ  (上)(2回の連載)
 └────  (たんぽぽ舎共同代表)

項目紹介
1.エネルギー基本計画すら放棄する岸田政権の原発政策
2.東日本大震災以降、新規立地原発の審査は行われたことがない
3.あいまい戦略と無責任さと
 以下、(下)に掲載
4.岸田政権の原発回帰と再稼働
5.例外だった延長運転も促進(最長80年運転も認める)

1.エネルギー基本計画すら放棄する岸田政権の原発政策

 2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画(以下、エネ
基)では、再生可能エネルギーを主力電源として、2030年度までに21%と
する一方、原発を20から22%程度とし、合わせて非化石電源比率44%を目
指すとされた。
 他の電源を含む構成比は火力発電41%(LNG20%、石炭19%、石油など2%)、再生可能エネルギー36〜38%、原発20〜22%、水素やアンモニア
発電1%とされている。
 政府は「原発再稼働は進めるけれども、原子力依存度はできる限り低減
していく」という基本方針を、このエネ基でも踏襲している。
 この方針は繰り返し表明され、この下でエネルギー基本計画が第4次、
 第5次、第6次と改定されてきた。

 ところが、今回の岸田政権による「再稼働」推進と「新規原発の開発」
は、如何に考えてもこの方針を放棄するものとしか思えない。
 それでも岸田首相は会見で「原子力の依存度は低減させる」としている。
 「新増設」にまで踏み込むのであれば、これはエネ基の変更である。
 基本計画の策定からやり直すべきであり、位置づけのはっきりしない
「グリーン・トランスフォーメーション(GX)実行会議」などで決めら
れることではない。

2.東日本大震災以降、新規立地原発の審査は行われたことがない

 2011年3月の東日本大震災時点で稼働中だった原発は54基、合計出力
4896万kWだが、震災後に安全性の確認が必要として順次、定期検査に
入る段階で停止した。(最後に北海道の泊3号機が2012年7月停止)

.. 2022年10月02日 06:31   No.2581003
++ 山崎久隆 (社長)…1424回       
 ただし中部電力浜岡原発だけは南海トラフ地震の震源域にあるため津波
の襲来に耐えられない恐れがあるとして、当時の民主党、菅直人首相の要
請で2011年5月に早期停止した。

 その後は東電福島第一原発事故を踏まえて、想定を超える地震や津波に
何処まで耐えられるかを検証する「ストレステスト」を経て再稼働した大
飯原発(2012年7月)の例があるものの、ほとんどは原子炉等規制法の改正(2013年7月)により原子力安全委員会を廃止し、独立した規制組織とし
て誕生した「原子力規制委員会」(2012年9月)の審査により、「新規制
基準の適合」審査を経なければ再稼働は出来なくなった。

 既存の原発の再稼働は順次進められているものの、リプレースを含む新
増設は検討されていない。
 法令上は新増設禁止の規定はない。審査を経て基準を満たしているとさ
れれば、建設可能だと考えられる。
 しかし原子力委員会と原子力安全委員会による立地審査と安全審査の
時代から、規制委員会の新規制基準適合性審査に変わってから、新規立地
原発の審査は行われたことがない。

3.あいまい戦略と無責任さと

 福島第一原発事故前に電力会社から国に出ていた「供給計画」では、
新増設が予定されていて着工していないものは8原発11基あったが、その
うち5原発7基では、まだ計画が維持されているという。
 取り下げられていたのは、いずれも福島県内の福島第一原発7・8号機
(ABWR135万kW2基)と東北電力の浪江・小高原発(BWR82.5万
kW)の3基。
 理屈の上では、震災前に実施されていた立地のための安全審査は、継続
することが可能かも知れないが、いまさら古い設計の沸騰水型軽水炉や加
圧水型軽水炉を、そのまま作るなど考えられない。これらは白紙にせざる
を得ないだろう。

 新型の安全性の高い原発があるかと言えば、欧州のEPR(欧州加圧
水型炉)は二重格納容器やコアキャッチャーを備えているが、フランスの
アレバ社製。国産では造れない。
 SMR(小型モジュール原子炉)という、安全性に配慮した原発を研究
開発しているメーカーはあるが、実用炉は何処にもないので、審査する対
象にもならない。
 つまり、新増設といっても何を、何処に、どうやって、誰が建てるかも
検討されていない。(下)に続く
   

.. 2022年10月02日 06:38   No.2581004
++ 坂東喜久惠 (小学校中学年)…16回       
9・30東海村JCO臨界事故から、23年!
 | 今年も経産省別館前で追悼と抗議集会
 | 事故発生の10時35分に黙祷…献花
 | 臨界事故が起きて「その反省をせず」…それが
 | 2011年の東電福島第一原発事故につながった(歴史がくり返された)
 └──── (たんぽぽ舎)

◎ 1999年9月30日午前10時35分ごろ、茨城県東海村にある「核燃料
加工施設=JCO・東海事業所」で臨界事故が発生しました。
 それから今年で23年。
 今年も経産省別館前(資源エネルギー庁が入っている)で追悼と原子
力政策等への抗議集会を15名の参加で開催しました。
 コロナ禍での活動制限はゆるんできていますが、まだまだ油断はでき
ないということでマスクは着用。

◎ 岸田政権の原発推進方針の打ち出しに怒り心頭、「安倍元首相の
国葬反対」の連日の行動等もある中、皆さんお疲れのところ朝10時に
集まってくれました。

◎ 山崎久隆さん(たんぽぽ舎共同代表)が基調の情勢と問題点の指摘。
 …東海村JCO臨界事故で、住民に被害を及ぼすのだということが
分かったにもかかわらず対策を怠り、2011年3月11日の東電福島第一
原発事故の際には、住民の被害を拡大したこと。
 老朽原発を稼働させようとしている政府方針への糾弾と高まる危険性
を鋭く指摘。どんなに他のエネルギーの原価が上がっても対策に原発を
入れるのは間違いだ。そして、老朽原発の危険性をしっかり述べました。
原発は止めるしか対策はないと力強く語りました。

◎ JCO臨界事故での大きな問題点2点。
(1)事故の原因をきちんと究明せず、作業員に責任を押し付け特殊な
事故として収束を測ったこと。
(2)事故が起こったら大きな放射能被害が出ることを真摯に検証せず、
安全神話を流布し続け必要な対策も怠ったこと。

 参加者の皆さんの発言もこの点が中心でした。
 「労働者の被ばく」「住民の被害」「規制委員会の問題」等々、
怒りと思いが伝わる発言が続きました。
 10時35分から1分間の黙とう、その後全員で白菊とピンクの菊の
献花を行いました。

事故の教訓を生かせない政府に抗議を!
放射線被ばく事故の原点から、考えよう!

※参考記事
 東京新聞(茨城版)がwebに載っています。
 「JCO臨界事故から23年 経産省前 反対派が集会

.. 2022年10月04日 04:53   No.2581005
++ 山崎久隆 (社長)…1425回       
暴走する原子力行政
 | 岸田政権の原発再稼働を止めさせよう
 | 「原発依存度を低減…」というのは「可能な限り」がつくから、
 | 「可能でないから低減しない」詐欺的方針  (下)(了)
 └──── (たんぽぽ舎共同代表)

4.岸田政権の原発回帰と再稼働

 岸田首相が8月26日に「グリーン・トランスフォーメーション(GX)
実行会議」で明らかにした原発の再稼働促進。これ自体は、目新しい
話ではない。
 岸田首相は「可能な限り原発依存度を低減する方針は変らない」「
安全性の確保を大前提とする」「独立性の高い原子力規制委員会が厳格
に規制を行っていくという方針は変らない」これに「再稼働を促進
する」が続くのも、前政権と同じ。
 菅義偉前首相が2020年12月に「2050年までに温室効果ガス排出実質
ゼロ」を表明したときも同じことをいっている。
 ただし、ここにきて具体的に「2023年夏以降に」「7原子炉」が
加わったことが目新しい。

 5原発7基とは、関西電力高浜1、2号機(福井県)、東北電力女川
2号機(宮城県)、中国電力島根2号機(島根県)、東京電力柏崎刈羽
6、7号機(新潟県)、日本原子力発電東海第二(茨城県)である。
 原発の新増設の是非を曖昧にしたまま、一方では「依存度を可能な
限り低減する」としているのに「重要なベースロード電源」とエネ基で
位置づけ「2030年には原発20〜22%」とする。

 この数値を実現するには23基程度の原発が稼働していなければつじ
つまがあわない。現在再稼働している原発は10基、これが占める割合は
6%ほど。
 つまり再稼働原発をフル稼働させるだけでなくさらに13基ほどの原発
を動かしていなければならない。「依存度を低減」というのは「可能な
限り」がつくから、可能でないから低減しない詐欺的方針だ。

5.例外だった延長運転も促進(最長80年運転も認める)

 福島第一原発事故の教訓として、国は原発の稼働期間を法律で定める
こととした。それまでは運転期間は明記されていなかった。
 2012年6月、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する
法律」(原子炉等規制法)が改正された。

.. 2022年10月05日 06:56   No.2581006
++ 山崎久隆 (社長)…1426回       
 原発の運転期間は使用前検査に合格した日から40年、ただし1回に
限り、20年を超えない期間延長することができるとされた。運転期間の
延長に当たっては、新規制基準に適合することが求められた。
 これにより40年が迫った原発は、法定された対策を講じるか、廃炉に
するか電力会社は迫られた。
 この「40年ルール」を導入した背景は、当初設置許可の審査を行った
際に、40年の運転年数を仮定した設計上の評価が行われることが多い
ことが理由の一つとされた。

 例えば、原子炉圧力容器の「中性子照射脆化」の評価や、「プラント
の起動・停止の繰り返しによる疲労評価」は40年間の運転期間を仮定
している。
 これに対して岸田首相は、60年運転に加え、さらに20年延長し、最長
80年運転も認める考えだ。
 また、運転年数の計算も、長期停止しているなどして実質運転して
いない期間を除こうという動きもある。
 これを行えば、2011年以降に順次運転停止してきた原発の稼働年数は
増えないので、例えば東海第二が2038年11月に60年を超えるが、これも
運転をしてから加算するとしたら、いくらでも先に延ばせることになる。

 しかし圧力容器の中性子照射脆化など運転により劣化する部材は緩和
されるとしても、時間経過で劣化が続く電源ケーブルなどは劣化が進行
するから、直ちに事故につながるリスクが高まる。コンクリート材の
劣化も運転していなくても進行は止まらない。
 こうした考えが出ること自体が、原発の危険性を極大化させる暴挙
であり、このようなことを言い出す者たちに原子力を語る資格は無い。

       (初出:2022年9月発行.月刊「たんぽぽニュース」
           No321掲載文に見出しの追加)

.. 2022年10月05日 07:02   No.2581007
++ 柳田 真 (社長)…759回       
電力会社「託送料金値上げ」の悪ラツ
 | そもそも託送料金を引き上げる必然性はあるのか?
 | 庶民が託送料金の≪過払い≫を強いられる一方で
 | 電力会社は財布をぱんぱんに膨らませていく
 | 月刊『選択』10月号の2頁の小文を紹介
 └──── (たんぽぽ舎共同代表)

◎電力料金の値上がりが著しい(どんどん高くなる)。
 「ロシアのウクライナ侵攻が原因」という言い訳で電力会社は大儲け
する気でいる。
 月刊『選択』10月号は2頁の小文だが、それを鋭く暴いている。
 一般の読者があまり眼にふれることのない月刊誌の2頁なので私が
紹介したい。

 以下、抜粋します。
 …託送料金の見直しが検討されているのは、2023年4月から
レベニューキャップ制度(収入上限)が導入されるためだ。(中略)
 電力各社は、ここぞとばかりに、さまざまな費用を臆面もなく紛れ
込ませてきたのである。
 まずは中部電力パワーグリッドのケース。悪質だ。(以下、省略)
 次に東北電力ネットワークのケース。(以下、省略)
次に四国電力送配電のケース。(以下、省略)
次に関西電力送配電の悪らつなケース。(以下、省略)とつづく。
 あきれるばかり。
電気料金は総括原価の時代から元々ブラックボックスだったが…
以下、いろいろの実例。

 まとめのことば=庶民が託送料金の≪過払い≫を強いられる一方で、
電力会社は財布をぱんぱんに膨らませていくのである。

.. 2022年10月06日 07:15   No.2581008
++ 山崎久隆 (社長)…1427回       
原発運転制限40年(長くても60年)の撤廃?!
 | 原子力規制委が原発推進側に「屈服」
 | 原発の運転期間が事実上無制限に
 | 福島第一原発事故の教訓を「なし」にすることは許されない
 | 直ちにこの見解を撤回せよ!
 └──── (たんぽぽ舎共同代表)

◎10月5日の原子力規制委

 原子力規制委員会は10月5日、経産省資源エネルギー庁を呼んで審査
会合を行った。
 この会合では、経産省は「原子炉等規制法第43条の3の32」に規定され
ている運転制限期間を「40年」に制限している条文の「40年」を削除
することについて「説明」を行ったという。
 この条文は、福島第一原発事故の後に原子炉等規制法改正の一つとし
て、それまで運転期間を明記していなかったところ、運転期間を原則
40年に制限すると共に、一回だけ「20年の延長を認める」とし、原発の
老朽化に伴う事故への対処のために定められた条文だった。
 これを事故から11年半の今、基幹制限を事実上撤廃するというのだ。
 事故前の「緩い規制」に戻ることになり、実質的な規制の切り下げに
他ならない。

◎時間と共に原発の事故の確率が上がる

 原発の運転制限を設けた理由の一つに、事故を起こした福島第一原発
1号機は運転からちょうど40年を経過する時期に当たっていたことが
ある。
 メルトダウンをした他の2基も40年間近であったことから、事故の
解析により特に1号機については、安全余裕が小さく、冷却能力が
低かったことが予想以上の速度でメルトダウンをした原因と考えられ
た。そこで運転の制限期間を40年としたのだった。
 この時、当時の田中俊一原子力規制委員長は、延長を認めるとしても
例外的としていて、原則として運転制限を40年としたことで再稼働時の
原発の安全性を、福島第一原発事故を繰り返さない程度には確保できる
との見通しを示していたはずである。

.. 2022年10月08日 07:30   No.2581009
++ 山崎久隆 (社長)…1428回       
◎交換不能な圧力・格納容器やケーブル類

 東海第二原発や美浜、高浜原発のような40年を過ぎた原発の審査で
問題になっていたのは、老朽化に伴い劣化が進んでも、交換ができない
構造物や設備の問題だ。
 特に中性子を浴びて劣化する圧力容器や、コンクリート建屋内に組み
込まれていて劣化し穴が開いても補修工事ができない格納容器、
さらに、原発全体に張り巡らされた電源ケーブル類は、損傷するまで
劣化に気づかない可能性が高く、長期間運転のリスクが特に大きい。

 また、交換可能なポンプや配管であっても、定期検査時に全部を
検査、交換しているわけではなく、全体を見終わるのに10年以上も
かかるようなものさえあり、結局検査抜けで破壊されるまで放置される
ものも存在する可能性がある。
 今の40年運転は、その前の30年での高経年化評価と延長運転申請を
行うならば40年目までの審査を厳格に行うことで安全な稼働ができると
の考え方だ。
 しかし、運転期間の制限が法令上存在しなくなれば、そうした評価が
運転許可と結びつかなくなり、規制が機能しなくなるだろう。

◎劣化が進めば安全設備の稼働にも影響が

 原発は全体が複雑に絡み合った装置であり、組み込まれた安全保護系
の設備は前段が正常な動作をしなければ後段が予定通り動かないことは
常にあり得る。
 そのため「前段否定」という考え方で安全審査を行っているが、実態
として全部の安全設備について「前段否定」をしてしまうと、停止状態
に持っていくことは出来ないものがいくらでもある。
 例えば、電源の全喪失を想定すれば、電源系統が正常に動かないと
後段の動力駆動の安全注水系が動くわけがない。

 福島第一原発事故を教訓として、特定重大事故等対処施設など、原発
の後備安全保護設備が追加されたが、これらはいずれも電源と水がなく
ては機能しない。
 また、原子炉を一定の圧力まで減圧する設備が機能しなければ、注水
が出来ないのでメルトダウンを防ぐことが出来ない。
 決定的な意味を持つのは安全のため減圧する設備だが、これらも劣化
と共に機能性が低下する。検査で交換や作動試験をしているとしても、
経年劣化で動作しなくなると減圧に失敗し、高温高圧の環境で燃料破損
を避けられないリスクがある。
 こうした安全保護系は、特に老朽化に弱い。

.. 2022年10月08日 07:42   No.2581010
++ 山崎久隆 (社長)…1429回       
◎勝手に規制基準を切り下げることは許されない

 山中伸介規制委員長は、「40年の基幹制限は原発の利用政策であり
規制委が口を出すことではない」という。
 安全規制を本務とする委員会が、それに極めて重要な意味を持つ運転
制限期間について何も言わないというのでは、論外としか言いようがない。

 原発の老朽化が審査に重大な影響を及ぼすことは、いわば常識の範囲
であって、規制側が厳しく見ようにも、実質的に検査を行っているのは
事業者側である。
 規制委は形式的に(部分的には立ち会ったりしているが、検査結果を
再検査しているわけではないし、できるわけもない)見ているだけだ。
 老朽化が進めば、劣化速度と検査により交換することができる範囲や
程度が逆転し、交換しなければならないものを見逃したり、甘くしたり
といった漏れや手抜きが必ず起きる。そしてそれを規制側は見逃して
しまう。

 運転期間の制限は、これを防止するためにも有効かつ必要な制度で
あり、推進側の主張に配慮して外して良い規定ではない。
 規制委は、こうした姿勢を撤回し、改めて運転期間制限を守らせる
よう、推進側を「規制」する責任があるのである。
 勝手に安全規制の根幹に関わることを解除するなど、許すことは
できない。
 直ちにこの見解を撤回することを求める。

.. 2022年10月08日 07:49   No.2581011


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