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「賛美」一色報道は異様 | 天皇制維持のための悪質なプロパガンダ | 「誰が彼(新国王)を選んだ?」と叫んで逮捕 | 英社会にある王政廃止論を黙殺する偏向報道 | 「メディア改革」連載第108回 └──── (アカデミックジャーナリスト)
◎ 2002年4月から2003年6月まで、英国のウェストミンスター大学で 在外研究をした時、知り合った在英日本大使館員の名刺に「連合王国」 (United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland、略称UK) と書いてあった。それを見て、改めて、英国はいまだに「王国」を 名乗っているのだと思った。 また、ロンドンにいると、コモンウェルス・オブ・ネイションズ(Commonwealth of Nations)という言葉がよく出てきた。英国の元 植民地の56カ国が加盟する連合体だ。今も英国国王を元首とする14カ国 と共に英連邦王国を構成する。 その連合王国の元首・元帥であるエリザベス女王が9月8日死んだ。 英国では10日間の服喪期間を終え、19日に国葬が行われた。 海外の君主の死なのに、日本のテレビ、新聞は連日、大々的に報じた。 27日に迫った安倍晋三氏「国葬儀」を前に、日本の人民に「本物の 国葬」を示した意義はあったが、多様な見方、事実を伝えるという ジャーナリズム原則を逸脱したと思う。
◎ 共同通信は8日、加盟社向けの号外用記事を配信した。 また、9日には「『英国の母』エリザベス女王(96)が8日、永遠の 眠りに就いた。宮殿前には花束を持って死を悼む人が続々と集まった。 『人生の全てを国民にささげてくれた。感謝したい』。人々は国歌を 歌い、涙を流した。新国王の誕生を祝うエールも時折響き、冷たい秋雨 が一時やんだ夕刻の空に大きな二重の虹が架かった」と報じた。
◎ 昭和天皇がかつて訪米した際、訪問先のニューヨークは「天皇 晴れ」と報じた通信社らしいオベンチャラ記事だ。 皇室大好きの朝日新聞も負けていない。「激動の世界史を英国民と ともに歩んできたエリザベス女王が、96年の生涯を閉じた。(略)70年 の在位の最後まで、英国民の心のよりどころとなった」(9月10日朝刊)
.. 2022年09月23日 07:56 No.2577001
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