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懲りない面々 鎌田 慧(ルポライター)
大型台風が九州に上陸したと告げるニュースのさなか、代々木公園で「 さようなら戦争 さようなら原発 国葬反対」の集会がひらかれた。この 三つの決意は岸田内閣と真っ向から対決する。 なぜ自公の悪政に長い間苦しめられるのか、と自分に問いかけなが ら、私も発言した。
集団的自衛権の行使を閣議決定したのが安倍政権だった。存立危機 事態を想定した日米合同訓練も行われた。安倍政権でさえ言わなかった 「国が前面に立って」老朽原発の再稼働推進、原発の新増設もする、と 岸田内閣はフクシマの教訓を完全に無視している。
さらに憲法違反の「国葬」の閣議決定。「リベラル」の仮面をつけて 安心させていたが、「反共」の旧統一教会汚染内閣への不信感もあっ て、支持率は29%(毎日新聞世論調査)。 防衛力強化のために防衛費を倍増の十兆円以上にする。そのために 国債を発行するという。 すでわたしたちは一千兆円を超える国債を背負わさている。 もちろん、いまの閣僚たちにも支払う覚悟ははないであろう。
岸田氏ばかりか麻生氏、安倍氏、福田氏、中曽根氏は、みな三代目 政治家。家業は綿々として続き、繁栄していて目出たい。 「売り家と唐様で書く三代目」。古川柳が茶化す斜陽の三代目のよう には落ちぶれず、「売り家」どころか「売国」の様相なのだ。 (9月20日「東京新聞」朝刊21面「本音のコラム」より)
.. 2022年09月21日 09:01 No.2576002
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