返信


■--中国電力から中電文書7
++ 熊本一規 (高校生)…66回          

(末国文書6)が届く
 | 反論書の回答要求には答えず、民亊調停を柳井簡易裁判所に
 | 申し立てる、との内容
 | 論拠は漁業権や自由漁業を理解していないお粗末な判決・決定
 | 柳井簡易裁判所で中国電力相手に「ゼミ」を開こうと思います
 | 連載「権利に基づく闘い」その31
 └──── (明治学院大学名誉教授)

 上関原発ボーリング調査をめぐり、末国陽夫中電代理人から2022年7
月19日付け文書(中電文書7,末国文書6)が送られてきました。注1
 祝島島民の会からの2022年5月27日付け反論書に記した「ボーリング
調査に伴う補償が永久制限補償であることを論証せよ」との回答要求に
は全く答えないまま、自らの主張の論拠として、従来の和解条項・広島
高裁平成19年6月15日判決に山口地裁岩国支部平成22年1月18日決定を
加えて、柳井簡易裁判所に民事調停を申し立てる、との内容です。
 反論書の回答要求に答えられずに裁判所にすがろうという
ことでしょう。

 一般に、司法判断と聞くと重たく受け止められがちですが、漁業権に
関する限り、司法判断は間違いだらけといっても過言ではありません。
 「共同漁業権は漁協の権利」と判示した最高裁平成元年7月13日判決
は、その最たるもので、共同漁業を営める組合員がなぜ組合員全員でな
く、関係地区(共同漁業権に関して定められる漁村部落)に住む組合員
で決める漁業権行使規則によって関係地区組合員に限定されるかをはじ
め、漁業法の多くの条文を説明できない、間違った判決なのです。注2

 しかし、怪我の功名で、お粗末な最高裁平成元年判決のおかげで、
漁業法研究者の間では、司法判断と聞いても「また間違っているに違
いない」と思われるようになっています。 
 中国電力が論拠とする司法判断も例にもれません。
 端的に言えば、「共同漁業権管理委員会が共同漁業とその他の漁業と
の関係を調整してきたから、共同漁業権管理委員会が埋立に同意し、
補償金を受け取れば埋立できる」とした判断ですが、そもそも「調整」
とは、権利者はそのままで権利間の調整をすることをいうのであって、
調整者が権利者になるわけではありませんから、調整者が権利者に
代わって権利侵害に同意できるはずはありません。
.. 2022年08月31日 04:49   No.2559001

++ 熊本一規 (高校生)…67回       
 かつて、共同漁業権の権利者に関して、中村敦夫参議院議員の田中
信一郎秘書(現在千葉商大准教授)をつうじて水産庁に質問書を出した
ことがありますが、水産庁は、それまでの水産庁見解(権利者は関係
地区組合員とする見解で「総有説」という)に基づく回答と最高裁平成
元年判決(権利者は漁協とする見解で「社員権説」という)に基づく
回答の二つの相矛盾する回答を並列させてきました。
 回答を持参した水産庁に対して、中村議員の部屋で論争しましたが、
わずか5分程度で決着が付き、あとは田中氏の言によれば「大学のゼミ
のような感じになった」とのことでした。注3
中国電力の申立てを受け、民事調停1回目は10月5日に設定され
ました。
民亊調停は、訴訟と違ってじっくり協議できるようですので、柳井
簡易裁判所で中国電力相手に「ゼミ」を開きたいと思っています。(注4)

注1:中電文書7は筆者のホームページ(こちら
   掲載しています。

注2:川辺川ダムをめぐる熊本県収用委員会では、国交省が最高裁平成
元年判決を持ち出したのに対し、「正しい法解釈なら漁業法の条文を
説明できるはずだ」と主張して条文説明要求書を互いに出しあうことを
収用委員会に認めさせ、条文説明要求書をめぐる論争で圧勝しました。
詳しくは、拙著『海はだれのものか』、第1章を参照。

注3:水産庁に続き、最高裁事務総局に対しても、田中秘書を通じて
最高裁平成元年判決をめぐる論争を申し込みましたが、「見解を記した
ものを送ってほしい」との依頼が来たため拙稿を送ったところ、
1.「最高裁小法廷判決は大法廷判決によって覆し得る」、及び
2.「補償を受ける者に関する下級審を含めたすべての判決のうち約
8割が漁協でなく組合員としている」の二点を教えるので、論争はご
勘弁を、との回答をよこしただけで論争からは逃げられました。
 詳しくは、拙著『公共事業はどこが間違っているのか?』、
 205〜207頁参照。

注4:民事調停申立書等も筆者のホームページ
   (こちらに掲載しています。

.. 2022年08月31日 04:55   No.2559002
++ 佐藤嘉幸 (幼稚園生)…3回       
生業訴訟最高裁判決、東電株主代表訴訟東京地裁判決に関する
 | 馬奈木厳太郎・海渡雄一弁護士のインタビュー紹介
 | <原発事故への国・東電の責任を考える>
 └──── (筑波大学)

 今年6月17日に生業訴訟、千葉・群馬・愛媛避難者訴訟の最高裁判決
が、7月13日に東電株主代表訴訟の東京地裁判決が出されました。
 最高裁判決は、東電の責任を認めたものの国の責任を全面否定し、
他方、東電株主代表訴訟で東京地裁は、東電元経営陣4人に対して13兆
3210億円という巨額の賠償を命じる判決を出しました。
 それらの判決をめぐって、生業訴訟原告代理人の馬奈木厳太郎弁護士
と、株代訴訟原告代理人の海渡雄一弁護士にお話を伺いました。

 読書人ウェブで全文公開されていますので、ぜひご覧ください。
 両判決のポイントがよくわかるインタビューになっています。
https://jinnet.dokushojin.com/blogs/reading/genpatsu_8
(無料の会員登録が必要)
 それにあわせて、同インタビューのカットなし映像も公開します。
 こちらも大変迫力のある映像です。
https://youtu.be/VyXS7w4bDd8

.. 2022年09月03日 08:07   No.2559003
++ 原発賠償関西訴訟原告団 (幼稚園生)…1回       
最高裁判決は「原子力安全規制法令の趣旨・目的について検討
 | することなく、事故前における国の原子力行政を追認…」
 | 三浦守裁判官の反対意見:「…本件事故は避けられたとして国の
 | 責任を認めるべきである」
 | 【6.17最高裁判決に対する関西訴訟団の抗議声明】
 └──── 2022年9月15日
       原発賠償関西訴訟原告団
       原発賠償関西訴訟弁護団
       原発賠償関西訴訟KANSAIサポーターズ

6月17日最高裁判決に対する抗議声明

 2022年6月17日、最高裁判所第二小法廷は、福島第一原発事故の
被害者が提起した生業訴訟、群馬訴訟、千葉訴訟、愛媛訴訟の4訴訟
において、国の責任を認めないとする判決を言い渡した。

 多数意見は、規制権限不行使を理由として国賠法上の責任を負わない
として国の責任を認めなかった。その論拠は、経済産業大臣が規制権限
を行使したとしても、東京電力は「長期評価」に基づき試算した津波と
同様の津波に対応する防潮堤を設置した蓋然性が高く、他方、本件津波
とこの試算津波とは挙動が異なるために、本件事故を防止できなかった
から、というものであった。

 適切に規制権限を行使したものの、それでも事故を防止できなかった
というのであればともかく、何もしていないのに、どうせ対策をしても
事故は防げないから責任を免じるという論理は、あまりに稚拙であって
説得力を欠くと言わざるを得ない。

 上記4訴訟において、原告は、福島原発事故に至る我が国の原子力
行政のありようを裁判の俎上にのせ、国や東京電力の対応は、万が一に
も原子力災害を起こさないという原子力規制法令の趣旨・目的にもとる
ものであることを指摘してきた。
 最高裁判所には、過去の原子力行政が、万が一にも原子力災害を起こ
さないという法令の趣旨・目的に適うものであったのかについて判断
することが要請されていたのである。

 ところが、最高裁判所は、この点について触れることなく、規制権限
を行使していたとしても福島原発事故を防ぐことができなったという
レベルの低い論理でもって、長期間規制権限の行使をしてこなかった国
を免責したのである。
 これは、最高裁判所に求められている市民の司法判断への期待を裏
切る不当かつ不公正な判断である。

.. 2022年09月17日 07:51   No.2559004
++ 原発賠償関西訴訟原告団 (幼稚園生)…2回       
今回の判決は、原子力安全規制法令の趣旨・目的について検討する
ことなく、事故前における国の原子力行政を追認した。
 事故を防止することができない状況を追認することでは、今後も同種
の事故を防ぐことはできない。
 国の規制権限不行使の怠慢を追認する判断は誠に遺憾であって、到底
受け入れられるものではない。

 他方で、本判決には、三浦守裁判官の反対意見が付されている。
 三浦反対意見は、原子力安全規制法令の趣旨・目的を丁寧に説明した
うえ、「長期評価」を規制権限行使の基礎とすることの合理性を認め、
多数意見が言外に敷地南東側に限定した防潮堤の設置位置について、
敷地東側にも防潮堤が設置されたであろうことや、区画や建屋の水密化
等の対策が求められ、実際にそのような対策をとったであろうとし、
これにより本件事故は避けられたとして、国の責任を認めるべきである
とするものであった。

 三浦反対意見は、長期評価を前提とする事態に即応し、保安院及び
東京電力が法令の趣旨・目的に従って真摯な検討を行っていれば、適切
な対応を取ることができ、それによって本件事故を回避できた可能性が
高いと述べ、本件地震や本件津波の規模等にとらわれて、問題を見失っ
てはならないと多数意見を厳しく批判している。

 われわれ原発賠償関西訴訟団(原告団・弁護団・KANSAIサポー
ターズ)は、最高裁判決の多数意見に対する抗議の意思を示すと共に、
三浦反対意見に示された明快な論理を支持するものである。
 多数意見を覆す判断を勝ち取るまで市民のみなさんと共に戦い抜く
ことをここに宣言する。

.. 2022年09月17日 07:56   No.2559005
++ 冨塚元夫 (社長)…356回       
原告は避難生活の困難さに見合った、
 | まともな額の賠償を求めています
 | 9月28日(水)福島原発千葉訴訟第二陣控訴審
 | 第11回口頭弁論期日の報告
 └──── (たんぽぽ舎)

◎ 福島原発千葉訴訟第二陣控訴審は、福島第一原発事故によって千葉
県に避難された6世帯17名の方が、国と東京電力に対して損害賠償責任
を求めている裁判です。
 平成31年3月14日、千葉地方裁判所は国の責任を否定する判決を言い
渡しました。
 その理由は「国は規制権限行使には専門技術的判断が求められる
から、津波対策を取るよう指示しなかったことに不合理性はなかった」
というものでした。
 万が一の事故がもたらす国家的重大被害の認識欠如と、あらゆる事故
防止策の必要性を理解しない欠陥判決でした。

◎ この判決は、その後本年6月17日の最高裁判決に引き継がれました。
 最高裁判決は、同様に国が規制権限を行使しなかったことを擁護する
判決でしたが、必要な論点をいくつも無視した欠陥判決でした。
 この判決には、三浦守裁判官の少数意見が追加されていますが、多く
の証拠・証言を基に事故回避の可能性があったことを論じており、千葉
訴訟第二陣控訴審は三浦意見のような判決を目指しています。

◎ この日も本人尋問がありました。尋問された原告は南相馬市から
千葉県四街道市に家族で避難している息子と娘のいる母親です。
 「南相馬市では野馬追祭りが再開したというが、放射能レベルは事故
前とはけた違いです。事故前に務めていた職場は浪江町にあった会社で
今は無く、生活できる収入を得ることはできません。11年間体調が悪く、
子どもの将来も心配です。東電と国は、放射能による健康被害を理解
していません。避難生活の困難さに見合った、まともな額の賠償を
求めます。」

◎ 東電・国は相変わらず、南相馬で生活している人がいるといい、
理由なく勝手に避難していると言いたいようです。国の避難指示が出な
かったために多くの県民が避難しなかった中通り地方(福島市、郡山
市)に甲状腺がん患者が多く、311子ども甲状腺がんの原告となって
います。

◎ 裁判所は原子力村の古いドグマ(放射能の死の灰は無かった、内部
被ばくは無視できる)を捨てて原告の陳述・証言をまっすぐ理解して
ほしいです。

.. 2022年09月30日 06:28   No.2559006
++ 熊本一規 (高校生)…68回       
民事調停完勝−上関原発.中国電力大失態
 | 10月5日上関原発ボーリング調査をめぐる民事調停が開かれる
 | 中国電力が法律論争から逃げ、調停は不成立に
 | 自ら申し立てた民事調停で「法律論争に応じない」という大失態
 | 今後、中国電力が提訴することも困難
 | 連載「権利に基づく闘い」その32
 └──── (明治学院大学名誉教授)

◎ 10月5日、予定通り、柳井簡易裁判所で午後1時半から上関原発
ボーリング調査をめぐる民事調停が開かれました。
 午後1時半からは、まず中国電力と調停委員との話し合いが始まり
ました。
 祝島島民の会側(祝島島民の会の清水敏保会長,木村力会員,熊本
一規特別会員,周南法律事務所の中村覚弁護士,田畑元久弁護士)は
待合室で待機していました。
 中国電力と調停委員との話し合いは、わずか十数分で終わり、午後1時
43分頃、調停室に来るよう呼びに来られ、祝島島民の会側と2名の調停
委員の話し合いが始まりました。

 予め9月28日付けで答弁書と「中国電力への質問状」を柳井簡易裁判
所に提出していたのですが、まず、中村覚弁護士から答弁書に即して
説明をし、次いで私のほうから「中電への質問状」に即して説明
しました。
 質問状の説明の際には、補足資料としてレジュメ及び資料1公共用地
の取得に伴う損失補償基準要綱,資料2原龍之助『公物営造物法』,資料
3中電との論争経緯,資料4上関原発と漁業権区域模式図,資料5浜本
幸生『早わかり「漁業法」全解説』を配布して説明しました。

 説明後、調停委員は、「中国電力は、現場で調査を妨害しないで欲し
いと伝えるために調停を申請しただけで、法律論争をする気はないとの
ことです」と言いました。
 法律論争をする気がなければ、いったい何のために裁判所に調停を
申し立てたのか、わけが分かりません。

 祝島島民の会側がそう主張したところ、調停委員は、「調停は双方が
合意しなければ成立しないのだから、中電が法律論争をする気がなけれ
ば、当然調停は不成立になりますが、今日、調停不成立という結論を
出してもいいかどうか、中電に電話で問い合わせてみます」と言って、
調停室を出て電話のほうに向かいました。

.. 2022年10月07日 05:31   No.2559007
++ 熊本一規 (高校生)…69回       
◎ 祝島島民の会側は、調停委員が別室で中電に電話している間、再び
待合室に戻って待機していたのですが、10分程度で呼び出され、調停室
に行ったところ、今度は、裁判官の調停委員長(調停委員は3名居るの
ですが、うち一人は裁判官で調停委員長を務めます)も現われて、調停
委員長が「調停は不成立になりました」と宣言しました。
 以上で調停はあっさり終わりました。

 要するに、中国電力が法律論争から逃げたため、調停が不成立に
なったということです。法律論争から逃げたのは、論争しても負けると
判断したからと思われてもやむを得ないですし、また、そう思うほか
ないでしょう。要するに、白旗を挙げたということです。

◎ 中国電力としては、今後、訴訟を起こすという手がないわけでは
ないですが、訴訟になっても論点は民事調停の論点と同じになります
し、また、中村弁護士によれば、判決や決定や和解(総称して「債務
名義」というそうです)を経た事案について、さらに訴訟で争うことは、
かなり困難だということです。ですから、訴訟を起こすのは、内容の
上でも訴訟技術の上でも難しいということになります。

 ともあれ、常識でもわかることですが、自ら民事調停を申し立てて
おいて、反論されると「法律論争には応じません」と言ったことは、
中国電力の大失態であり、今後、上関原発を推進するうえで大きな
汚点になったことは間違いありません。
 私は、これまでの中国電力との論争経緯(資料3)を踏まえれば「よく
民事調停を申し立てたものだ」と呆れていたのですが、中国電力顧問
弁護士も、民事調停を申し立てて初めて真剣に「埋立と漁業権」を
勉強して、ようやく理解した、ということだと思います。

注:中国電力の調停申立書、祝島島民の会側の答弁書,中国電力への
  質問状,及び補足資料のレジュメ,資料1〜5は、
  筆者のホームページ こちら に掲載しています。

.. 2022年10月07日 05:37   No.2559008
++ 熊本一規 (大学生)…70回       
中国電力が竣功期間伸長許可を申請、また妨害予防請求訴訟を提訴
 | 竣功期間伸長が許可されても現状と変わらず
 | 民事調停で「法律論争をするつもりはない」と
 | 言いながら民事訴訟を提訴
| 連載「権利に基づく闘い」その33
└──── (明治学院大学名誉教授)

 10月25日、中国電力は、来年1月に期限が切れる上関原発埋立免許の
竣功期間(注1)の伸長許可を山口県知事に申請するとともに、ボーリング
調査について妨害予防請求訴訟を山口地裁岩国支部に提訴しました。
 上関原発に係る埋立免許は、2008年10月22日に出されました。
 しかし、予定していた竣功期間内に竣功できなかったため、これまで
竣功期間の伸長許可が、2012年11月、2016年6月、2019年7月と再三
なされてきましたが、今回、さらに伸長許可を申請したのです。
 公有水面埋立法は、「埋立の着工及び竣功を知事の指定する期間内に
しなければならない」(13条)旨定め、それができない場合には「埋立
免許が失効する」(34条)旨、定めています。したがって、本来、2012年
11月に竣功できなかった場合には埋立免許は失効になるのが当然だった
のです。

 ところが、山口県と中電は、「正当な理由があると認められるとき
は、期間の伸長を許可できる」旨の公有水面埋立法13条の2を悪用して、
再三再四の竣功期間伸長をしてきましたし、今回もまた伸長を企てて
いるのです。

 期間伸長許可を得ないと上関原発建設が不可能になったことが明白に
なるので、今回伸長許可を申請したのは中電としては当然の行為である
ものの、当初の竣功期間を10年も過ぎて「正当な理由」があるはずが
ないことは常識でもわかります。
 山口県と中電は、法律が想定していない事態(十年余りにもわたる再三
再四の竣功期間伸長)を政治力でゴリ押ししようとしているのです。(注2)

 しかし、心配には及びません。今までも埋立免許があったわけです
から、伸長許可が出されても今までの埋立免許が続くだけで何の変わり
もありません。要するに、祝島漁民に補償がなされない限り、埋立が
できないことには変わりないのです。

.. 2022年10月29日 08:39   No.2559009
++ 熊本一規 (大学生)…71回       
 ボーリング調査についての妨害予防請求訴訟の提訴には、呆れました。
 中国電力は、ボーリング調査をめぐって話し合いたいということで民事
調停を申請し、10月5日にその一回目が開かれたのですが、中電が「
法律論争をするつもりはない」と言ったために民亊調停は終わったの
です(たんぽぽ舎メールマガジンNo.4597参照)。
 にもかかわらず、同じ案件で民事訴訟を提訴したのですから、わけが
わかりません。

 竣功期間伸長の申請と同時に行なったことから推測すると、竣功期間
の伸長を申請しておいて、ボーリング調査について何もしないのでは
矛盾することになるので、形だけでも行なった、ということでしょう。
 もしも、民事調停が続いていたら、祝島島民の会から提出されていた
質問状に10月末までに回答しなければならないところでしたから、回答
できなかったり、支離滅裂な回答をしたりすると面目が立たないため、
民亊調停は終わりにして回答を回避したうえで提訴し、形だけ
つくろったのではないでしょうか。
 とはいえ、権力に忖度したり、おもねたりする裁判官が多いので、
裁判にも油断することなく取り組みたいと思います。
 皆さんの関心、監視も宜しくお願いいたします。

注1:「竣功」とは、工事が完了して建造物(埋立地)が完成すること。
   「竣功期間」とは竣功するまでの期間。

注2:上関原発以前には、埋立免許後に戦争が勃発し、事業主体が資金
   難に陥ったため着工期間の伸長の申請がなされ、受理されていた
   が、その後、なんら行政庁の処分がなされていない件に関し、
   「不許可になった場合には埋立免許取得者が訴えを持つことが
   できたのに、行政庁が何も出さなかったために訴えを持てなかっ
   たのであるから」との理由で許可になったことが一件あるだけ
   であった。

.. 2022年10月29日 08:47   No.2559010


▼返信フォームです▼
Name
Email
ホームページ    
メッセージ
( タグの使用不可 )
Forecolor
アイコン   ICON list   Password 修正・削除に使用