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前川喜平(現代教育行政研究会代表)
「統一教会」の名称変更を巡る下村博文氏の釈明も、集会への参加を 巡る萩生田光一氏の言い訳も醍かったが、海外でのイベントにまで出席 していた山際大志郎経済再生相のとぼけぶりには腰が抜けるほど呆れ る。それでも彼は大臣を辞めないし、首相も彼を辞めさせない。 こんな閣僚を抱えたままで、この内閣に効果的な対策が打ち出せる はずがない。
今月18日、法務大臣の下で「旧統一教会」間題関係省庁連絡会議が 始まったが、構成員は法務省、警察庁、消費者庁などに限られ、その 目的も被害者への救済機関の斡施などに限られている。 29日にば河野消費者担当相の下で霊感商法対策などに関する検討会が 初会合を開く。長年取り組んできた紀藤正樹氏が加わることは納得でき るが、最も問題とされている法外な額の献金は、商取引ではないから 消費者庁の管轄外だ。
この団体への対策として検討すべきことは山ほどある。 民事上の不法行為を根拠にした宗教法人法上の解散命令請求の可否、 信者に献金を出させる行為への詐欺罪や恐喝罪の適用の可否、マインド コントロールを犯罪化する立法の可否などだ。 本気で対策をとるのなら、文科省や厚労省や財務省も参加する首相 直属の組織を設け、そのための特命担当大臣も置くべきだ。岸田首相に そんな本気は見えない。 (8月28日「東京新聞」朝刊21面「本音のコラム」より)
.. 2022年08月30日 05:37 No.2558001
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