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「国葬」より安倍外交の再点検が必要: | インドへの原発・新幹線輸出は頓挫へ!(2) | 安倍外交の失敗と新幹線輸出破綻 └──── (大学教員) [(1)は、8/16【TMM:No4555】に掲載]
1.インド高速鉄道「新幹線」事業
安倍・モディー首脳が決定し「失敗の遺産」には、日本「新幹線」 方式による、約500km間の高速鉄道事業がある。 これは、2015年12月の首脳会談で決定、マハーラーシュトラ州都 ムンバイと、グジャラート州都アーメダバードの約500km間を結ぶ「 高速鉄道(以下、「新幹線」)事業であり、国際協力機構(JICA) を通じた資金(円借款供与)、技術協力を行う。
円借款は、総事業費1兆6500億円規模のうち最大81%(供与限度額 895.47億円)、供与条件は償還期間50年、据置期間15年、利子率は 年0.1%、日系企業受注が調達条件である。インドがJR東日本の新幹線 E5系車両25両を輸入、最高時速320qで2023年の完成とされた。
安倍政権の重要政策「インフラシステム輸出戦略」の軸となる事業と され、トップセールスが繰り返された。 両首相が2020年9月に起工式に出席、モディー首相は「新幹線は日本 が作ってくれる」とインド側の実質負担ゼロ建設を自慢していた
2.計画への批判と遅延
「新幹線」事業公表直後から、建設予定地住民やNGO、日本の NGOからも、「非現実的な住民抑圧・環境破壊の事業」と批判が 集中した。 沿線予定地域各地の住民たちが激しい反対運動を展開、農民たちが 土地売却に応じず、事業は大幅に遅れた。 だがその後は、工事遅延と運行開始予定遅延の発表が続き、現在も 全線開通の見込みはない。
現地の経営大学院の調査では、50年の契約期間で借款返済には、 1日80.000人から118,000人の旅客、100往復以上の列車運行を必要と する。両都市間移動にはビジネス客が多く、ほぼ同運賃で「新幹線」 より1時間早く移動できる航空便の利用を継続するだろう。 また一般旅客たちは、長時間・低運賃の列車に慣れており、 「新幹線」は何ら魅力がない。つまり「新幹線」の旅客は、現在も 将来も誰もいない。
.. 2022年08月20日 07:46 No.2548008
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