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第二次世界大戦前、中国の航空部隊のパイロットは、アメリカ人だったと言うと驚く方もいるのではないでしょうか。また、フライング・タイガースのことだと知っている方もいます。「フライング・タイガース」は、アメリカの退役軍人たちが「義勇兵」となって構成された中国軍の航空部隊でした。
彼らはのちにアメリカ軍に復帰し、退役前の地位に戻れたり、様々な福利厚生を受けられたりしました。これはとても純粋な「義勇兵」とは言い難いです。その中心人物が、クレア・リー・シェノールトというアメリカ陸軍航空隊の将校でした。
「フライング・タイガース」という名前は、シェノールトらが使用した米国製カーチP−40戦闘機が、タイガー・シャークと呼ばれるサメの顔の絵を、機体のノーズ部分に描いていたために、あとからつけられたものです。
映画「ジョーズ」に出てくるようなサメの頭が、描かれていました。アメリカ政府は、「フライング・タイガース」を「特別航空戦隊」「義勇兵部隊」と呼んでいました。中国を植民地にしていたイギリス政府は、「国際航空隊」という呼称を使用していました。
戦争を仕掛けたのは、アメリカか、日本か「フライング・タイガース」は、単にアメリカの退役軍人が義勇兵として中国軍の航空部隊のパイロットをしていたという程度の問題ではないでしょう。むしろ、その実態は、日本の対英米戦争を十分に正当化し得るものです。
日米戦争が、日本による卑劣な真珠湾奇襲攻撃で始まったというネガティブ・キャンペーンに対して、それは逆ではないかと反論できるだけの十分な根拠がそこにはあります。ここで重要なのは真実です。果たして日米戦争は日本の侵略戦争だったのか、という点です。
2006年「フライング・タイガース」について詳しく書かれた本が、アメリカで出版されました。原題は『先制攻撃―真珠湾攻撃を抑止し得た極秘計画』、著者はアラン・アームストロングといい、ジョージア州アトランタを拠点に活動する航空問題専門の弁護士です。
邦訳は、AP通信記者、「リーダーズ・ダイジェスト」日本語版編集長、『文藝春秋』北米総局長などを務めたジャーナリストの塩谷紘氏が、2008年に『「幻」の日本爆撃計画―「真珠湾」に隠された真実』という邦題で発売しています。
.. 2022年07月11日 04:51 No.2521001
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