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「福島第一原発を囲んだ中間貯蔵施設の不条理」 「30年以内の事業終了の約束を守れ」 「公共事業のルールによる用地補償を求める」
◎ 2011年3月の福島第一原発事故から11年を経過致しました。 国などは復興があたかも進んでいるように公報しております。 しかし、真の復興は福一原発の廃炉完了とそれを取り囲む中間貯蔵 施設の終了があって、初めて真の復興がスタートすることになります。
◎ 中間貯蔵施設は福一原発と同じく大熊町と双葉町にまたがり、南北 7.5km、面積1600ヘクタール、民有地が約8割を占めております。 ここに原発事故前は約3000人が住んでいました。 しかし、国も東京電力も事故前、原発事故は絶対にない、ありえない と言い続けていました。 しかし、悲惨な大事故は起きました。 福一原発の大熊町側には昭和15年に陸軍磐城飛行場が建設されました。 私の祖父母、父たちは2号機の西側に住んでいましたが、他の住民の 方々と共に強制的にすまいを追われました。 しかし絶対に勝つとの戦争は負け、絶対に事故はないという原発は 事故を起こしました。
◎ その後、今度はさまざまな国の「お願いという形での強引な 進め方」により2015年から2045年までの30年間の中間貯蔵施設事業 「原発事故で県内にまかれた放射能で汚染された土壌等の保管」が 始まりました。 30年以内に県外最終処分場に中間貯蔵施設に集めたごみを搬出して 事業が終了する法律「ジェスコ法」を改定しております。
ですが、一番難しいこの県外最終処分場建設に向けた取り組みは、 事業開始7年3カ月が過ぎてもまったく国・環境省は進めていません。 当30年地権者会は始めから国・環境省に対してこの一番難しい取り 組みを進めることを要求してまいりました。 しかし、国・環境省は汚染土の全国再利用に力を入れるばかりです。 環境省との団体交渉等を重ねるたびに国の逃げ道、抜け道、時間稼ぎ を強く感じます。
.. 2022年06月23日 04:49 No.2504001
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++ 門馬好春 (幼稚園生)…2回
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◎ そもそもこの施設「30年間の仮置き場」をなぜ、全面国有地化方針 でスタートしたのか、その後公共事業の国の土地使用ルール(損失補償 基準要綱)に書いていない地上権を勝手に作り出したのか、環境省の 用地交渉で買収を最優先した交渉をしてきたのか、当初環境省が提示 した契約書は30年後還さなくてもよいような内容「第20回目の団体 交渉で見直し済み」だったのか、いろいろな不信感が湧くように 出てきています。
◎ さらにルールにない地上権としたことで、先祖伝来の土地を福島の 復興のために協力した地権者を裏切った不公正・不公平な補償となって います。 これではまるで陸軍磐城飛行場と同じです。
また仮置き場の補償はルールの地代ですが、この仮置き場の4年半の 地代累計額(田千平方メートル850円)より30年間の中間貯蔵施設の 地上権価格(田千平方メートル840円)が低額です。無茶苦茶です。 今後も30年以内の事業終了の約束を守ることと、公共事業のルールに よる用地補償を求めてまいります。 たった一回の悲惨な福一原発事故により、多くの方々が苦しみ、 ひへいしています。
.. 2022年06月23日 04:57 No.2504002
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++ 山崎久隆 (社長)…1359回
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.「電力逼迫」の注意報・警報の欺瞞を見逃すな | 原発推進のためには電力危機さえ演出する政府 (上)(2回の連載) └──── (たんぽぽ舎共同代表)
項目紹介 1.夏・冬の「電力危機」で関係閣僚会議開催 2.3月の「電力危機」 以上2つは本日掲載 3.脆弱すぎる広域連系線 (下)に掲載
1.夏・冬の「電力危機」で関係閣僚会議開催
6月7日、「電力需給に関する検討会合」が開催された。実質たった 15分の会議。これはマスコミによると「電力需給のひっ迫に備えるため の関係閣僚会議」というのだそうだ。 過去の「電力需給のひっ迫」は、2011年の東日本大震災直後に発生 した大規模な発電所の被災に伴い「計画停電」などがおこなわれた。 その中心は15基もの原発の停止だった。そのため、3月下旬から気温が 下がる度に大規模停電のリスクがあるとされ、節電が呼びかけられた。
震災では火力発電所も大量に停止したが、その年の夏頃には多くが 復旧し、夏場のピーク時にはほとんど問題のない状態になっていた。 2012年にかけて、東日本だけでなく全国の原発がすべて停止した。 しかし電力不足や停電は起こらなかった。 ところが、ここにきて政府が「深刻な電力不足」だと騒ぎ出し、「 企業も一般家庭も節電せよ」との呼びかけをおこなう事態になって いる。 いったい、本当に電力は不足するのか、それはなぜか。
2.3月の「電力危機」
今年3月22日の電力受給体制について、経産省は21日夜、東電管内に ついて「電力需給逼迫警報」を出した。2011年の東北地方太平洋沖地震 を除けば初めてだった。 それは、22日の東電管内の電力需給の見通しが「供給予備率」3% 以下になる見通しとなったため。 気象庁などは22日の東海、関東地方の予報は雨で、気温も急激に 下がり、真冬並みに冷える見通しと発表。予報では東京都心の最高気温 は5度以下、標高の高い所は雪が交じるとも報じられた。
.. 2022年06月25日 05:17 No.2504003
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++ 山崎久隆 (社長)…1360回
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この時問題になったのは、直前の3月16日に発生した地震の影響だ。 最大震度6強、マグニチュード7.4の福島県沖の地震が発生し、火力 発電所が10箇所以上停止、その後多くは復旧できていなかった。 実は、地震発生時に需給バランスが崩れたため、電力周波数が乱れ、 発電所と変電所を守るために系統遮断機が自動起動し、210万戸以上の 大規模停電になった。 しかしこちらは地震発生からおよそ3時間後に全面復旧した。 設備に損傷がなければ、復旧は早い。
だが、新地火力(相馬共同火力発電の石炭火力100万kWが2基)、 広野火力6号機(東電の石炭火力60万kW)などは損傷が大きく、その 後も止まったままだった。 東北電力の原町火力(石炭火力100万kWが2基)も被災しており、 東電だけでなく東北電力も逼迫した状態だった。
これらの発電所は、東日本太平洋沖地震の際よりも今回の方が被害が 大きかったという。震源が近く、地震動が強く伝わったこともあったの だろう。 このような原因での逼迫は、この季節に急激に気温が下がるなどする と起こり得るので、その場合は節電を呼びかける他はない。
しかし東日本大震災から11年も経っているのに、やはり脆弱すぎると いわざるを得ない。 この時はウクライナ侵攻も関係ないし、燃料不足も起きていない。 この時期にはいくつかの発電所が定期検査に入っていた。 その規模は1000万kWにも上った。冬のピーク時に比べても500万kW もの設備が系列から外されていた。 これが、冬の最大出力5400万kW規模の設備があるのに、4963万kW 程度で緊急事態宣言をすることになった理由である。
東日本の発電所は、狭い区域に密集している。特に東京湾岸と茨城 から福島にかけて密集している火力発電所は、日本海溝や相模トラフの 地震で一度に全滅してしまうだろう。そうなれば、東京から東北電力は ブラックアウトを余儀なくされる。 日本海側にいくらか火力や原発があっても意味はない。全く足りない のだから。 実際に3月22日を乗り切ったのは、節電努力に加え、揚水式発電( つまり水力)と広域融通が足りない分を補ったからだ。(下)に続く (初出:2022年6月発行「月刊たんぽぽ舎ニュース」より)
.. 2022年06月25日 05:28 No.2504004
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++ 柳田 真 (社長)…731回
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「原発が原爆になるおそろしさ」−(乱鬼龍氏作の川柳)に注目 | 「原子力の平和利用という幻想」がウクライナ戦争で崩れた | 東電本店合同抗議実行委員会は上記の川柳でのぼり旗を作成 | 7月6日(水)東電本店へ集まろう、新しいのぼり旗をかこんで └──── (たんぽぽ舎共同代表、 東電本店合同抗議実行委員会)
◎ 「原発が原爆になるおそろしさ」という川柳が今、注目をあつめて いる。 乱鬼龍氏がロシア侵攻−ウクライナ戦争に触発されて詠んだ秀作だ。 今、知る人ぞ知る−という小ブームになっている(らしい)。 「原子力の平和利用=原発」の前提条件は、世界で平和が保たれて いることだ。これが崩れて、原子力(核)の本質=原爆になる=人々を 苦しめる、という本質があらわになっている。
◎ 韓国や台湾、中国では原子力発電と言わない。 「核電」という名称だ。核(原子力)の本質をとらえた命名だ。 日本の原子力発電という命名は核の本質をまちがえる命名だ。 東電本店合同抗議実行委員会は、のぼり旗を2種類新調する。 その1つが「原発が原爆になるおそろしさ」(乱鬼龍氏作)の のぼり旗だ。 毎月の第1水曜日の東電本店合同抗議行動での皆さんからの カンパ(寄付金)で作られる。
7月6日(水)18:45から19:45 東電本店合同抗議に行こう。 1日早い「七夕(たなばた)」で東電本店抗議集会を盛り上げよう。
.. 2022年06月28日 04:49 No.2504005
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++ 山崎久隆 (社長)…1364回
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原発推進のためには電力危機さえ演出する政府 (下) (了) | 東京電力と中部電力間の連系線(※)が脆弱すぎる └──── (たんぽぽ舎共同代表) (上)は6/24【TMM:No4515】に掲載 3.脆弱すぎる広域連系線
◎ この事態を受けて、岸田首相は「原子力規制委員会の審査について も合理化や効率化を図り、審査体制も強化しながら手続きをしっかり 進め、できるだけ可能な原子力発電所は動かしていきたい」などと介入 も示唆する発言をし、原発推進派が勢いづく事態になっている。
また、今回の関係閣僚会議とやらでは、電力逼迫の注意報と警報を 使い分けるとか、「電気使用制限令等を含めた準備・検討を進める」( 萩生田経済産業大臣)などと、電力危機を煽っている。 「原発を再稼働しなければ停電しかねない」、「電気を自由に使いた ければ再稼働を認めろ」といった強権的、暴力的な主張が政権から 出てきた。 これは大変な事態だ。
◎ しかしこんなことをする必要は全くない。 日本の電力系統で最も脆弱なのは、東京電力と中部電力(以下、中電) の間だ。東電が50ヘルツ、中部電力が60ヘルツなので、そのまま電気を 流すことが出来ない。その間には「周波数変換装置」が必要だ。
現在、東電と中電の間の連系線は210万kWの能力がある。これを300 万kWまで引き上げる計画だが、遅々として進んでいない。 東日本大震災の直後も、西日本から電気を送ることが出来ていれば、 全く問題は無かったし、今後起きるであろう南海トラフ地震の被災を 想定すれば、西日本の沿岸火力は全滅状態になるだろうから、東日本 から送電することが出来れば大いに復興に資することが出来る。 しかしこの広域融通体制が、依然として電力事業者による設備投資に 任せたままなので、西日本と東日本の連系線が細すぎるままなのだ。
◎ 日本の電力供給体制を大きく変える仕組みを作らないと、このよう な事態が何度も繰り返される。 高圧直流送電技術を使えば、2000km以上離れた地点に大電力(1000 万kWなど)を効率よく送電できる。北海道から九州まで、直流回線を 通して大電力を通せるようにすれば、北海道が逼迫した時に九州の 太陽光から大電力を送る、などもできる。
.. 2022年06月28日 05:00 No.2504006
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++ 山崎久隆 (社長)…1365回
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中小の再生可能エネルギー会社が自由に電力を売ることが出来る体制 も確立できる。そうなれば、九州電力の太陽光発電を止める必要もない し、北海道の洋上風力開発が送電網の脆弱さで進まない、ということも なくなる。 このような仕組みを構築すれば、今の発電所でも十分な設備容量で ある。極端な悪天候も大規模な地震も、日本列島全部を一度に襲うこと はない。
【参考】3月22日の「電気予報」による受給見通し 需要ピーク時の見通しは「非常に厳しい」の「97%」 予想最大電力(16時〜17時) 4,840万kWに対して供給力は 4,963万kW 使用率ピーク時の見通しは「非常に厳しい」の「97%」 予想電力(6時〜7時)3,190万kWに対して供給力 3,272万kW ------------------------ ◎ 見て分かるとおり、5500万とか6000万とか、大きな需要ではないの に逼迫するのは、火力の停止が大きい。 通常は需要が下がる時期なので検査などで止まっている火力が1000万 kWほどあることや、地震により止まっている発電所が400万kWある ことが理由だ。 太陽光発電は日が昇って2時間ほどしないと出力が高くならない。 これが大きい。 夕方の4時台が需要ピークで逼迫するのも太陽光発電が下がるのが 理由だ。3月21日の実績では昼台には1300万kWほど出力があるが、 天候が悪くなる22日はもっと低く10%程度と見ている。 (初出:2022年6月発行「月刊たんぽぽ舎ニュース」より)
(※)連系線 東京電力と中部電力の間で、東電側が50ヘルツ、中部電力側が60 ヘルツなので「周波数変換装置」が必要。 6/23発信の【TMM:No4514】1.柳田文章では、「地域間連系線」、 本日の山崎文章では「広域連系線」と表記していますが、基本的に 同じ意味です。
.. 2022年06月28日 05:11 No.2504007
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++ 荒木福則 (小学校中学年)…16回
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「電力需給逼迫」の解決方向・JERA15基の活用 第2弾 | 石油火力発電の15基合計出力1,000万kwの中から数基を、来冬を | 目指して稼働させよう | そうすれば、需給逼迫の心配は全く無く、 | 原発の再稼働は、全く必要無い └──── (神奈川県在住)
◎ 6月23日の朝日新聞朝刊の「参院選政策の分岐点 エネルギー」を 読んで思った。 記事の大筋は、「太陽光発電の普及で稼働率の低下した古い火力発電 の休廃止が進んで、来年1月の予備率がマイナスになる。 電気代が上がっている。この状況下、岸田政権が原発を最大限活用 する方針を打ち出した。 しかし、原発も課題が多い。再エネも難しさは多い。政府は参院選で 争点になるのを避けるが、真正面からの議論が必要。」というもの である。
◎ 「太陽光発電の普及で稼働率の低下した古い火力発電の休廃止が 進んで」というフレーズを何故、疑問視しないのだろう。 何故、簡単に肯うのだろうか。事によっては、保健所を減らして失敗 した大阪のコロナ対応と似た事かもしれないのに。 エネルギー基本計画の2030年の電源構成は、火力発電はLNGと石炭 で4割、石油は今の7%から2%になる。石油火力について、一足飛び にやったのではないか。 電気の安定供給の責任を放棄して、否、原発の再稼働の如何が決まる 頃に合わせて逼迫が原発の稼働で救われるように。
東電の火力発電部門のJERA(中部電力の同部門も吸収統合)は、 全ての石油火力発電15基、合計出力1,000万kwを2020年4月までに 休止した(注)。 原発10基分で、いまだに1基も動いていない。原発を再稼働しなく ても、これらの内から、再稼働すれば、需給逼迫の心配は全く無い。
◎ JERAは、東電(東京パワーグリッド)から、電源別の電気の注文 を受けて、その電源を動かす。 休止中の15基の石油火力発電は、メインテナンスが続けられており、 基によって、使用前点検等に1、2ヶ月から半年かかるが、再稼働 出来る。 LNG火力から順に石油火力を再稼働していく。 しかし、東電からLNG火力電気の注文はあっても、石油火力電気の 注文がいつまでたっても無いそうだ。 需給逼迫が厳しい来冬までにまだ半年以上ある。石油火力電気の 注文を確定しておけばいい。
.. 2022年06月28日 05:16 No.2504008
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++ 荒木福則 (小学校中学年)…17回
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この石油火力発電15基は動かせるのに予備率算定上、全く動かない ことになっている。これでは、直接、国民の命に関わる統計不正では ないか。 そう、東電の支配株主の国が、石油火力電気の注文を出さないと決め ているのだ。国は国民を停電で脅かしても原発を再稼働したいのである。
◎ これら石油火力発電の15基の内、5基でも、太陽光発電の突然の バックアップや、逼迫時に速やかに出動できるように、待機運転さえ しておけば十分だ。 燃料フィードはせいぜい2ヶ月間でしかも最低限のフィードで、燃料 コストとCO2は、あまり心配しなくていい。 固定費は高経年で減価償却は終わり殆どかからない。固定費がほとん ど無いので太陽光発電の調整のため火力発電の稼働率が低下する コスト、即ち調整コストも殆ど無い。そうして、予備率に算入すれば いい。全く需給逼迫の心配はない。
声を大にして言おうではないか。 「今ある、石油火力発電の15基、合計出力1,000万kwの中から数基 を、来冬を目指して稼働させよう。そうすれば、需給逼迫の心配は全く 無く、原発の再稼働は、全く必要無い。」と。
(注)参考資料 JERAの発電所
LNG火力発電 4,572万kw 石炭火力発電 ? 730万kw 石油火力発電? ? 1,005万kw? ???? ?計 6,307万kw
.. 2022年06月28日 05:23 No.2504009
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++ 荒木福則 (小学校中学年)…18回
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JERAの2020年4月までに休止した石油火力発電所
出力(万kw) 燃 料 運転開始 広野火力 1号機 60.0??? 重油・原油 1980年4月 (福島県広野町)2号機 60.0 同上? 1980年7月 3号機 100.0? 同上 1989年6月 4号機 100.0?? ?同上 1995年1月 鹿島火力 1号機 60.0?? ?重油・原油 1971年3月 (茨城県神栖市)2号機 60.0 同上 ?1971年9月 3号機 60.0? 同上 1972年2月 4号機 60.0?? ? 同上 1992年4月 5号機 100.0 同上 1974年9月 6号機 100.0 同上 1975年6月 大井火力 1号機 ? 35.0? ?? 原油 1971年8月 (東京都品川区)2号機 35.0 同上 ?1972年2月 3号機 35.0? ? 同上 1973年12月 大井1から3号機 2022年3月31日廃止 渥美火力 3号機 70.0 原重油 1981年5月 (愛知県田原市)4号機 70.0? ??同上 1981年6月 計 基数 15基 1,005万kw
.. 2022年06月28日 05:31 No.2504010
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