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電力不足は原発再稼働の布石 「古い資本主義」に先祖帰りする岸田自民のたどる道 夏の電力不足を訴える節電キャンペーンが突然始まった
(立大特任教授)の天下の逆襲
◎ 夏の電力不足を訴える節電キャンペーンが突然始まった。 「プーチンの戦争」が生み出す戦時中の雰囲気にかこつけ、原発 再稼働をゴリ押しする動きだ。 北海道電力は16カ月連続、東京電力と中部電力は11カ月連続で 値上げ。電気料金上昇に電力不足が重なれば、多くの人は「再稼働 やむなし」と受け止めるだろう。 詭弁に騙されてはいけない。
◎ 福島第一原発事故発生後、原発は止まり、電力不足に陥った。再生 可能エネルギーへのシフトを加速する好機だったのに、政府・自民党や 経済界の誘導によって、再エネはコスト高で原発は安いというウソが 垂れ流されてきた。 大手電力会社は原発再稼働を前提に送電網を開放せず、新電力の接続 拒否や託送料金を高くし、再エネの普及を徹底的に妨害してきた。 この間、再エネは世界で最も安価なエネルギーに進化した。すると、 大手電力は新電力に原発事故処理費用や原発・火力発電のコストを 押しつけ。ウクライナ戦争による資源高騰のあおりも受け、新電力は 次々に倒産している。
◎ 火力発電に頼った北電は胆振東部地震の発生で大規模なブラック アウトを招いた。再エネや蓄電池を普及させれば、停電は一部にとど まり、イザというときに速やかに復旧できる。 にもかかわらず、政府は原発、石炭火力、水力などを主要なベース ロード電源に位置付け、将来の電力不足を防ぐと称して発電所の維持に かかる費用を新電カにも負担させる「容量市場」をつくった。新電力を 潰し、再稼働の流れを確実にするためだ。
◎ 岸田首相の金看板「新しい資本主義」の正体は、古い資本主義の 先祖返りだ。 原発再稼働もそうだし、金融所得課税強化は資産所得倍増にすり替わ り、賃上げ税制はほとんど適用されない。金融緩和を継続し、円安を 加速させている。アベノミクスは財政赤字を膨らませて国民をゆで ガエルにし、日銀に株を買わせて経営者をシャブ漬けにした。
.. 2022年06月15日 05:10 No.2498002
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