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円安の原因は、米国の存在が大きいと思います。米国でインフレが進行して、インフレ抑制の為にFRBが金利を上げる決定をしました。日本も米国に対抗して金利を上げたいところですが、国債と地方債を合わせて1200兆円以上の借金があるので、金利を上げれば利払いが増加して、財政が破綻する可能性が出てきます。
その為に日本では金利を上げることが難しく、日米の金利格差が拡がり、円を売ってドルを買う流れが加速しているのです。日本円は対ドルだけではなく、他の主要通貨に対しても円安が進んでいます。つまり、日本円だけが安い状態なのです。日本が無資源国である現実を突きつけられているようです。
また、国内でも輸入物価の上昇を発端として、インフレが進行しています。それに伴って賃金が上昇すれば、金融資産の目減りだけであまり苦はありません。しかし、今は賃金が変わらないまま物価の急な上昇が起こっているため、悪いインフレとなっている状態です。日本では、インフレに付随する賃金の上昇は相当遅れてやってくるでしょう。
日本人は世界の人々と比べると貯蓄が好きらしいのですが、貯蓄は貨幣価値が安定している時代のみ現れるとも言えます。インフレならば、投資的行動には意味がありますが、貯蓄的行動は相対的に意味を持ちませんのでこれから先、日本国の借金が増え続けていればどうなることでしょうか。
デフレ脱却と言っている政府はまず、苦しんでいる国民に追い討ちをかけています。社会保険関係個人負担分を2025年時点で、年収の32%にすることが決定しました。この32%には、もちろん、消費税の増税は盛り込まれていません。
年収の32%を社会保険料で取られて、それ以外に所得税、住民税、消費税でそれぞれ10%、5%、10%となると、月額40万円の給与で、使えるお金は実質18万円ぐらいなのです。住宅ローンや教育費がピークに達する世帯も多いでしょうし、親の介護ということも考えられます。
このままでは、日本国民は一生働き続けて老後はゆとりのある生活にしようというのは夢のまた夢でしょう。余裕の将来設計をたて、対処を考え、実行することは困難になってきています、倹約するだけでは、この荒波は乗り切れそうにない気がします。今の政府を何とかしないと参議院の後の3年間は増税に苦しむことでしょう。落胆するばかりです。
.. 2022年05月20日 05:43 No.2477001
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