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70年以上前に決定された都市計画道路が蘇る | 事業が認可されても民民関係をクリアしなければ実施できない | 契約書に署名捺印しない権利者で団体を創れば事業を止められる 適正手続きの欠如は憲法31条違反 連載「権利に基づく闘い」その28
東京都杉並区西荻窪では、70年以上も前に決定された都市計画道路( 補助132号線)を今になって実施し、幅11mから16mに拡張しようという 都市計画事業がもくろまれています。 事業が実施されれば、多くの沿道住民が立退きを強いられます。 数十年も住んできた土地を離れなければなりませんし、店舗の場合に は、営業を続けることが不可能になったり、長年培ってきた顧客を 失ったりして、廃業の危機に瀕することになります。 そのため、事業に納得できない市民によって「西荻窪の道路拡張を 考える会」がつくられ、反対運動が続けられています。
全く同じように、市民の意見を全く聞かぬままに都市計画事業を強行 しようという動きが、東京都武蔵野市(武蔵野3・4・11号女子大通り 線)にも存在しています。 同様の都市計画事業は全国的に見受けられますが、特に東京都に 数多く存在しています。
◎ 都市計画事業の手続き
都市計画事業の手続は、大きく分けて、 1.原案作成〜都市計画決定、 2.事業化の検討〜事業認可、 3.事業着手 の三段階に分かれます。
住民は、事業認可の取消し等を求めて訴訟で争ったりするのですが、 敗訴して事業が実施される事例が少なくありません。 しかし、事業認可の取消しを求めるまでもなく、事業実施に反対する 権利者がある程度集まって団体を創れば、事業実施はほぼ不可能に なるのです。
◎ 住民の権利で都市計画事業を止める
西荻窪、武蔵野の住民から相談を受けた私は、埋立・ダム反対の 漁民・住民運動に関わってきた経験に基づいて、要旨次のような話を しました。
・公共事業実施の上で最大の難関は用地交渉。予定地に「住民の権利」 が存在するから。 住民が自分の持つ権利を自覚して闘うことが大事。 ・「事業者と公の関係(許認可等の公民関係)」をクリアできても「 事業者と民の関係(民民関係)」をクリアできなければ、事業は 実施できない。
.. 2022年05月18日 05:12 No.2475001
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