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地方自治体でも反原発の議論を推し進めましょう
立川市議会議員 大沢ゆたか
私は立川市で10数年議員をしています。反原発に関する議論をするのはなかなか難しく、大きな事故があったりすると、環境問題やエネルギー問題に関するところで原発問題を論じることはできるのですが、たいていは「そんなの立川市には関係ない」というヤジが飛んできます。 しかし、電力の自由化が進行する中2005年(平成17年)からは50kw以上の需要家も利用できるようになったために、電力の購入先が選べるところが多くなってきました。そこで一つのビルが丸ごと、原発を持つ電力会社から高価な電力を買うのではなく、入札などによって安い電力を提供する新規の電力会社から購入することが出来るようになりました。 立川市でも低迷する競輪事業部が昨年電力購入を見積もり合わせで選びました。 4社による見積もり合わせで、東京電力を100とすると、他の新規の電力会社は71、77、79という価格でしたので、かなり安価な契約となりました。2010年度の12月までの実績を見ても昨年よりも73%の価格で推移しています。このままいけば6,200万円もしていた1年間の電気代が4,500万円で済み、1,700万円も節減できることになります。(これは競輪事業から一般会計に繰り入れられる金額 1,000万円を上回る経済的な効果です!) こうした状況に危機感を持った東京電力選出の議員が「CO2排出を考慮した入札参加資格で、すそ切り方式などにした環境配慮型契約をしてほしい」などと発言をするようになりました。こうした議論に対応する形で、ここぞとばかりに原発の危険性や非経済性などの議論を展開できました。(実際にはCO2排出係数は新規電力会社も東京電力などとあまり変わらなかったり、低いところもあります。)
また、立川市では学校給食共同調理場がPFI方式で建設されようとしています。その仕様書を読んでみると、インフラ関係で電力を東京電力から購入するように書かれていました。これについて質問をしてみると「必ずしも東京電力と決めているわけではなく、自由化の中でより良いものから購入するということになる」と担当課長は答弁しています。こうした新たな事業展開で電力をどこから購入するかを反原発の視点を入れて議論していくことで、原発とあまり関係のなかった地方自治体でも十分な議論の展開が出来、関心のなかった議員や職員や市民の方々の中に原子力発電の意味を周知できるのではないかと考えています。
立川市の今後の電力購入についても、市側は自由化についてはもっと進めていきたいと考えているようです。例えば一つの建物や学校ごとに電力の購入を考えています。さらに言えば、昨年夏の暑さで小中学校にもエアコンを導入する予定ですが、必ずしも電力ではないようになるでしょう。場合によってはエアコンもガス方式でエアコンを稼働させることも考えています。
資源エネルギー庁でさえ「電力自由化と原子力発電」という資料の中で原発の経済性に問題があり、巨大発電規模であるが故のリスク、需要の伸びの低迷などを課題に挙げています。地方議員、都議・県議、国会議員の皆さんで勉強し、認識を共有しながら地方自治体の中で財政問題をキーワードとして、原発の持つ意味を議論していって原発など必要ではない、むしろ厄介なお荷物だということを市民の中に広げていきたいと考えています。
.. 2011年02月28日 06:22 No.243004
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