返信


■--孤立する石原莞爾
++ 仲條拓躬 (社長)…648回          

石原作戦部長は、作戦課の室にもしばしば来て、今日の支那は昔の支那ではない。今や支那は統一せられて、挙国一致の強い力を発揮することができる。この支那と戦端を開く時は長期持久に陥り、日本は泥沼に足を突こんだ如く身動きができなくなる。戦争は避けなければならぬ。そして国防国策の方針によって、国力、軍事力を拡充しなければ、対ソも対支も国防は不可能である、と説得にこれ努めました。

武隊課長は渋い顔をして石原論を聞いていた。満州事変の発頭人が今頃急に何を云うか、という反発があったに違いありません。第一部長の石原莞爾が部屋から出て行くと、武藤大佐は受話器を取り上げて相手を呼び出し、『うん田中か。面白くなったね。ウン、大変面白い。大いにやらにゃいかん。しっかりやろう』と、課員に聞こえよがしに話すのでした。

また、荒尾興功作戦課員(統制派メンバー)も、同様の回想を残しています。「会議の席上でも、石原部長と武藤課長はしばしば激論を交わした。武藤はいう。『現状では支那軍は増長するばかりです。この際一撃を加えることが必要です。もしこのまま日本軍が引っ込めば、延いては満州の治安にも影響します。』

石原の反論。『支那は広いぞ。どこまで行っても際限がない。満支国境で兵を止めるべきだ。万里の長城線は古来からの支那の国境だ。その線で交渉すれば、事変は必ず解決する。』武藤もその場ではさすがに部長の決断に対して従うが、われわれ部下に対する指導は、どうも自己の意想による積極方針だ。」

「現にわれわれの面前では田中軍事課長に電話する。『おい田中、こちらの方は心配ないぞ。現地軍の意見を入れて、バンバンやろうではないか。だんだん面白くなるぞ』、といったような調子である。」

当時、陸軍中央の幕僚の間では、武藤ら拡大派に同調するものが多数で、石原らの不拡大派は少数でした。部局長・課長では、不拡大派は、石原参謀本部作戦部長のほか、河辺参謀本部戦争指導課長、柴山陸軍省軍務課長などに限られていました。
.. 2022年03月16日 09:02   No.2427001

++ 仲條拓躬 (社長)…649回       
拡大派は、武藤参謀本部作戦課長、田中陸軍省軍事課長、笠原幸雄参謀本部ロシア課長、永津佐比重参謀本部支那課長など。さらに塚田攻参謀本部運輸通信部長、下村定参謀本部戦史部長も同様のスタンスでした。参謀本部情報部は、渡久雄部長が病休中で、笠原ロシア課長が代理を務めており、全体として拡大派の意見が強かったのです。

かつて石原主導で参謀本部の改組がおこなわれた際、情報部は、自らの重要任務の一つであった情勢判断を作戦部に吸収された。そのことから、石原に好感情をもっていなかった。ことに、華北分離工作を推し進めていた情報部支那課は、それが石原によって中止に追い込まれ、彼の政策に強く反発していた。

一般の課員レベルでは、河辺の指揮下にある戦争指導課員(四名)のほかは、大多数が拡大派であったとみられます。ことに当時、課員数四〜五名程度の多くの課にくらべ、作戦課員は二〇名あまりで、それがほとんど武藤課長の影響下でした。

これが、武藤の強い発言力の一つの背景になっていました。しかも当時、作戦課は作戦・用兵のみでなく、編制動員も担当しており、参謀本部内で突出した権限をもっていました。当時作戦課員だった今岡豊は、陸軍中央の大勢は「武藤作戦課長と田中軍事課長との協力な連携と指導力」によって「引きずられ」ていた、と述べています(今岡『石原莞爾の悲劇』)。

ちなみに、石射猪太郎外務省東亜局長の回想によれば、七月一三日、石射は石原と会談した。そこで石射は、先の外務省幹部会での石原発言「中国に一兵にも出さぬ」の決意に変化がないことを確認し、事件局地解決の方針を約束した、とのことでした。

ただ、その時、石原は、「この会談を秘密にしてくれ。軍内部の連中や右翼が自分の行動を付けまわして困るのだ」と石射に述べている(石射『外交官の一生』)。この頃すでに石原は、陸軍内で必ずしも安定的な状態にないことを自覚していたのです。

なお、陸軍中央枢要ポストにあった後宮淳陸軍省軍務局長は、自身の見解が定まらず、大勢に従う姿勢でした。実務型軍事官僚によくみられる例といえます。陸軍省軍務局長は参謀本部作戦部長とならぶ実務トップの要職です。

.. 2022年03月16日 09:09   No.2427002
++ 仲條拓躬 (社長)…650回       
このような動向からみて、多くの幕僚が、石原莞爾による対ソ戦備の充実と軍備拡張は評価していたのですが、その後の華北分離工作の中止には、むしろ不満をもっていたといえます。先の梅津次官による板垣陸相就任阻止も、そのような幕僚層の不満を読んでのことでした。
.. 2022年03月16日 11:56   No.2427003
++ タク (社長)…2371回       
ウクライナ難民の真実とは

ウクライナの250万人の国民が難民となりポーランドなどの近隣諸国に非難しています。ポーランド・スロバキア・ルーマニアなどはロシアと敵対しています。ポーランドは、ドイツ行きの旅客列車にウクライナの難民を乗車させています。ドイツのマスメディアによれば毎日15000人のポーランド難民が押し寄せてくると言います。

米国やEUは対ロシア制裁として、ロシアからの石油ガス・穀物や鉱物などを輸入するのを禁止しました。事態が膠着したままだと、エネルギーや穀物不足が激しくなり、経済が立ち行かなくなると言います。イギリスは4月から軽油を配給制にするようです。

ドイツはロシアからの天然ガスの輸入を止めないと表明しましたが、ドイツがロシアに厳しくしないとアメリカから敵視されNATOの存続が難しくなります。事態が膠着したままだと、困るのはロシアよりもアメリカやEUのようです。

ロシアはゼレンスキー大統領が残ったままでも、ウクライナを反ロシアから親ロシアに転換してもらい、ウクライナ戦争を終わりにしたいと思っています。ウクライナで現在、ロシア軍を攻撃しているのは、ウクライナ政府内務省である、諜報機関配下の極右民兵団です。ウクライナ内務省はアメリカの傀儡なのです。

極右民兵団は2014年のマイダン革命以後に強化されました。ロシアを敵視する為の傀儡組織です。マリウポリでロシア軍が破壊した無人の小児科病院に極右だけが立て籠っていたと言う。この件で非難されるべきはロシアでなく極右民兵団を擁するウクライナ政府だとロシア側言います。欧米や日本の報道とは異なるのです。

ロシア軍が作った人道回廊を通ってウクライナ市民が、ポーランドなどに難民として逃げていると思うのですが、ウクライナのロシア系市民は、ロシア国籍を取得できるので難民にならないと言います。義勇兵がポーランド国境近くのウクライナ側に入って訓練していましたが、ロシア軍がこの施設を空爆して35人の義勇兵が亡くなりました。

.. 2022年03月17日 08:34   No.2427004
++ タク (社長)…2372回       
今回の記事は田中宇先生が、イギリスのブロガーであるレズ・ルーサーが開戦後のウクライナに入ってみたことを書いたものを参考にしたものだと言います。マスメディアは、意図的に誇張して、歪曲した報道を続けていると言います。だからマスコミ報道だけでなく、ルーサーの方が本物である可能性が高いというのです。

コロナワクチン接種拒否者を信用できるのか、などといまだに思う人がいるかもしれない。しかし、政府の言いなりでワクチンを何度も接種している人の方がマスコミ権威筋のプロパガンダを鵜呑みにしているわけで、話が逆であると言うのです。

ウクライナ戦争が長引くほど、中国とロシアは結束して、アメリカは中露への制裁を強め、世界経済は中露側と米欧側に分裂していくのです。石油ガスなど資源の多くは中露側にあります。大消費地帯である中国もインドもロシア側です。

米欧側の強みは債券金融システムの巨大な資金力ですが、その力は今、米連銀がインフレ対策としてQEを停止するので破綻寸前です。QEをやめたら債券金融システムはバブル崩壊します。米欧側は強みを喪失し、生活必需品である石油ガス鉱物を中露側に握られ、経済破綻して敗北していくのです。ロシアは米欧から排除されても孤立しないでしょう。

むしろロシアは多極化に重要な役割を果たしていきます。ロシアと中国は近年、サウジアラビア主導のOPECと組み、世界の石油ガスの利権をアメリカ側から奪うためのOPEC+を形成しています。OPECはアメリカの傀儡だったのですが、OPEC+は非アメリカ組織へと転向しました。

ロシアは孤立するどころか逆に、サウジアラビアやイラン・中国などと組み、米欧が買う石油ガスの価格をつり上げてインフレを加速させて、ドル崩壊や米欧の経済窮乏、政権転覆・トランプ再登板などを引き起こしていくのです。

.. 2022年03月17日 08:55   No.2427005
++ 山崎久隆 (社長)…1328回       
チェルノブイリ原発の外部電源が不安定に
 | ザポリージャ原発では「不発弾処理」の爆発
 | 保障措置システムの停止はチェルノブイリ原発で継続
 | 福島第一原発事故と同様に職員は交代できないまま
 | 3/15【IAEA第22報】
 └──── (たんぽぽ舎共同代表)

◎ 現在最も深刻な問題は、チェルノブイリ原発で211名と言われる
現地の技術者と警備担当者の交代勤務が認められていないことです。
 チェルノブイリ原発は周囲30キロ圏が現在も立ち入り禁止ゾーンで、
この原発の管理と監視任務に当たる職員は、約50キロ離れたところに
事故後に人工的に建設されたスラブチチ市に家族と共に住んでいます。

◎ この間は専用の鉄道で結ばれており、通勤をしています。
 ロシア軍に制圧された際に、この鉄道や設備類がどうなったのかが
わかりませんが、スラブチチ市もロシア軍に制圧されたと見るのが
自然でしょう。
 そのため、市内から原発への交代勤務者を輸送する鉄道が動いて
いない可能性があります。
 また、外部との接触を断つ目的で、ロシア軍が勤務の交代を認めて
いない可能性もあります。

◎ いずれも、IAEAも明確にしていません。ただし、IAEAは
声明文の随所に「原発外にいる責任者と連絡を取った結果」という、
意味深な婉曲表現で、おそらくスラブチチ市にいるであろう原発管理者
からの情報を織り交ぜています。
 廃炉になったとは言え、使用済燃料プールには約2万本の燃料体が
保管され、さらに敷地内外に膨大な量の汚染廃棄物が積み上がっている
チェルノブイリ原発。

 ロシア側は「ダーティボムを製造しようとしている」などとして、
ここを制圧目標の第一にしていたようですから、容易に外部から人間を
受け入れないだろうと懸念します。
 グロッシ事務局長も最初の頃はチェルノブイリ原発に行かせろと
ロシア側に要求していましたが、最近はいわなくなりました。
 何らかのプレッシャーか、取り引きがあったのかもしれません。

3/15【IAEA第22報】の抄訳です。

.. 2022年03月18日 05:24   No.2427006
++ 山崎久隆 (社長)…1329回       
 ウクライナ規制当局は15日、チェルノブイリ原子力発電所が全国の
電力網に再接続され、電力を非常用ディーゼル発電機に依存しなく
なったとIAEAに報告したと、グロッシ事務局長は述べた。
 3月9日にすべての外部電源を失い、予備電力としてディーゼル
燃料に頼らざるを得なくなった。先週末にウクライナの専門家チームが
発電所と送電網を結ぶ2本の損傷した送電線のうちの1本の修復に
成功した。

 3月14日16:45 (中央ヨーロッパ標準時)から、この送電線は原子力
発電所に必要な電力をすべて供給しており、ディーゼル発電機は停止
されていると、ウクライナ規制当局は述べた。
 また、近くのスラブチチ市への電力供給もしている。2本目の高圧
送電線の補修が可能かどうかは不透明だ。【中略】

 規制当局は本日初めて、チェルノブイリに関する情報を得たが、
「ロシア軍によって管理されている」ため、IAEAの質問すべてに
対して「常に詳細な回答をする」ことはできないと述べた。
 これは、3月4日以来ロシア軍によって支配されているザポリージャ
原子力発電所についても同様であった。【中略】

 規制当局によると、ザポリージャ原子力発電所の職員は、3月4日の
侵攻後、ロシア軍が現場に残留する不発弾を爆発させたという報告を
確認したという。職員は事前に知らされていなかったという。
 規制当局は最近、損傷した訓練センターや原子力発電所の他の場所で
発見された不発弾を探知し、処分するための作業が進められていること
をIAEAに伝えた。【後略】

 *これまで、IAEA事務局長声明をその都度、翻訳ないし抄訳して
きましたが、状況が膠着しはじめています。
 以後は、現状と変化があった場合に、その点についてお知らせします。


.. 2022年03月18日 05:30   No.2427007
++ タク (社長)…2373回       
ロシアが優勢

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ウクライナのゼレンスキー大統領は、NATO加盟を諦めざるを得ないと表明しました。ウクライナをロシアの緩衝地帯にしておきたいプーチン大統領が激しく反対して軍事侵攻してウクライナの制空権を奪い、アメリカ軍などNATO諸国がウクライナを軍事支援できないようにしました。

アメリカのバイデン大統領は、アメリカ軍やNATO軍がウクライナに派兵すると核戦争に発展するので行なわないと表明して、ウクライナへの武器供給を表明しただけにとどまりました。アメリカは派兵や武器供給の代わりに、ロシアに対して石油ガス輸出阻止などの経済制裁を発動しましたが、これは逆にEU諸国をエネルギー不足に追いやりました。

その間、プーチンはゼレンスキーと交渉を続け、降参して政権内からアメリカ傀儡の極右・ネオナチを追放すれば大統領職にとどめると持ちかけられ、アメリカ・EUからの支援が期待できなくなったゼレンスキーはプーチンの要求を受け入れ始めているのです。プーチンは、ウクライナの非武装中立化とアメリカ傀儡の追放の目的を達成しつつあります。

ポーランド・チェコ・スロベニアの首相が揃ってキエフを訪問して、ゼレンスキーと会いました。ロシア敵視している国々なので、プーチンに譲歩してロシアの傀儡になろうとしているゼレンスキーの動きを何とか止める為にやってきたようでした。

ウクライナがロシアの傀儡国に戻ると、プーチンは、ロシアを敵視していたポーランドやエストニアなどの東欧諸国に対して仕返しを行なうでしょう。その為、ポーランドはゼレンスキーをロシアの傀儡に転向させたくないのです。

ちなみにウクライナ人のうちロシア語を母語とするロシア系住民と、母語はウクライナ語ですが親露的でロシア語も話せるウクライナ系親露住民の合計は、東部のドンバス2州で約400万人や北東部の元ロシア領を中心に全人口4000万人の4割ほど1600万人ぐらいと言われています。

マイダン革命後の内戦下で、ウクライナ軍部に浸透したロシア敵視の極右から嫌がらせや略奪発砲などをされるようになり、ロシアへの移住を希望する人が増えました。ロシア政府は数年前から、ドンバス2州で70万人の希望者にロシア旅券を発行しました。2州の自動車のナンバープレートはロシア国内をそのまま走れるのです。

.. 2022年03月18日 07:41   No.2427008
++ タク (社長)…2374回       
ロシア軍が侵攻後、ウクライナの2000の市町村でロシアへの避難を希望する人を募ったところ、3日間だけで200万人が申請したとタス通信が報じています。親露派が行政府をおさえている市町村もあるので、プロパガンダかもしれませんがどうなのでしょうか。
.. 2022年03月18日 07:51   No.2427009
++ 小山芳樹 (中学生)…34回       
「炭素のチリをゼロ」石炭火力で危機を克服
 | −地球温暖化の原因はCO2でない−
 | 第2弾資料の紹介
 └──── (たんぽぽ舎)

 2/19発信【TMM:No4411】で紹介された『地球温暖化−CO2は原因
でない』小冊子(30頁)の第2弾資料(小若順一氏)です。
 まだ、販売されていませんが中味の一部を紹介します。

巻頭文より

 2020年はコロナ禍で経済活動が停滞し、人為的排出のCO2が5.6%
減少しました。
 それなのに、大気中のCO2濃度は高くなり、地球は温暖化が進み
ました。
 地球温暖化の原因は、CO2の増加ではないことが明らかになった
のです。
 地球を温暖化させている本当の原因は、石炭を燃やして出た炭素の
小さなチリです。
 プーチン・ロシアのウクライナ戦争で起きているエネルギー危機に
対しては、電気集塵機を付けて石炭火力を復活させ、石炭で危機を
克服する対策が必要です。

大見出しの紹介

第1章 CO2が減ったのに温暖化
第2章 否定されていたCO2原因説
第3章 石炭を燃やして出る黒いチリが原因
第4章 再生可能エネルギーは資源のムダ使い
   1.CO2を増やす太陽光発電
   2.CO2を増やす風力発電
第5章 原発で脱炭素?
第6章 CO2を増やす電気自動車
第7章 正しい温暖化対策は「節約」

「炭素のチリをゼロ」石炭火力で危機を克服
−地球温暖化の原因はCO2でない−
     小若順一 (食品と暮らしの安全基金代表)
☆問い合わせ:「食品と暮らしの安全基金」TEL 048-851-1212

.. 2022年03月19日 06:54   No.2427010


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