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■--チェルノブイリ原発で外部電源喪失
++ 山崎久隆 (社長)…1312回          


  IAEA保障措置システムからのデータ伝送が遮断
 | ザポリージャ原発もデータ遮断され外部電源も一部損傷
 | IAEA第16報からの情報提供
 └──── (たんぽぽ舎共同代表)

◎ チェルノブイリ原発では、IAEAの保障措置システムのデータ
転送ができなくなり、使用済燃料を含む放射性物質の状態がつかめなく
なりました。
 さらに、外部電源を喪失し、放射線測定システムや使用済燃料冷却
系統などは非常用ディーゼル発電機による48時間の制限付き電源により
賄われているようです。

◎ ウクライナは原因をロシア軍による攻撃であるとし、一方ロシアは
ウクライナの攻撃によるものであるとしています。(タス通信より)
 また、IAEAによると、チェルノブイリ原発とザポリージャ原発
から、保障措置システムからのデータ転送が停止しているようです。
 これは、IAEAと各国が結ぶ保障措置協定に基づく、核物質の軍事
転用や核兵器開発を防止するための仕組み。
 チェルノブイリ原発からのデータ転送が遮断されていることを
第15報でIAEAは伝えていましたが、こんどはザポリージャ原発
からも遮断されたということで、意図的に行われている可能性が
あります。

◎ また、ザポリージャ原発には外部電源系統が常用4つと予備1つ
あるようですが、そのうち常用2系統が遮断されたとのこと。
 福島第一原発事故でも、外部電源の喪失が津波到達後にあらゆる
電源システムが機能しなくなった原因で、外部電源系統が一系統でも
生きていたら、津波被害を受けていてもメルトダウンは回避できたの
ですが、そのことが証明されるのは女川原発、東海第二原発、福島第二
原発が福島第一原発のようにならなかった事からもわかります。
 それほど重要な外部電源5系統の内2系統が破壊されたことは、
安全性を大きく低下させていると言え、大問題です。
 IAEAの第16報の抄訳を紹介します。

「最新情報16−ウクライナ情勢に関するIAEA事務局長声明」抄訳

 ロシア軍が1986年の事故現場の支配権を握ってから2週間たって、
チェルノブイリ原発は送電網から遮断され、外部電力供給が喪失したと
ウクライナ政府は本日、国際原子力機関(IAEA)に通告したと
グロッシ事務局長は述べた。
.. 2022年03月12日 09:04   No.2422001

++ 山崎久隆 (社長)…1313回       
 ウクライナ情勢の安全、セキュリティ及び保障措置の影響に対処する
目的で3月2日に開催されたIAEA理事会において事務局長は、「
全ての原子力施設に対する電力供給網からの外部電源の確保」が、
原子力安全及び核セキュリティの7つの不可欠な柱の一つである
として、この事態への深い憂慮を表明した。

 ただしIAEAは、チェルノブイリ原発の場合、送電網からの遮断は
様々な放射性廃棄物管理施設が設置されている施設の本質的な安全機能
に重大な影響を与えないと、ウクライナ規制当局との間で一致している
と述べた。
 すなわち、敷地内の使用済燃料貯蔵施設については、プール内の
冷却水の量は、電力を供給することなく使用済燃料からの効果的な
熱除去を維持するのに十分である。また、ディーゼル発電機や
バッテリーを備えた非常用電源も備えている。

 しかしながら、電力不足は、現場における運用上の放射線安全性の
さらなる悪化につながり、約210名の技術専門家と警備員が過去2週間に
わたり交代勤務できず、事実上24時間そこに居住していることに、
さらなるストレスを生む可能性がある、とグロッシ事務局長は
付け加えた。

 「チェルノブイリ原発では、特に放射線に対する安全のため、非常に
困難で厳しい状況下で施設を管理するスタッフにとって、日ごとに
状況が悪化しています」と彼は述べた。
 「内部放射線防護手順を尊重し、職員の安全な交代を円滑化し、
さらに安全を確保するためにその他重要な措置をとるよう、発電所を
実効支配している軍隊に緊急に要請を繰り返している」。

 また、別の動きとして、IAEAはここ数日、チェルノブイリ原発に
核物質を監視するために設置された保障措置システムからの遠隔データ
伝送を喪失し、現在ロシア軍が管理しているザポリージャ原発からの
データ送信も喪失したと述べた。

 大量の使用済核燃料や新燃料、そのほか各種放射性物質が存在する
施設から、IAEAのウィーン本部に送られるデータの流れが突然
遮断されたことを懸念していると、彼は述べた。
 保障措置データの伝送が中断した理由は、すぐにはわからなかった。
 IAEAは、他の3箇所の原発を含むウクライナの原子力施設から
継続して当該データを受け取っている。

.. 2022年03月12日 09:11   No.2422002
++ 山崎久隆 (社長)…1314回       
 「世界各地の原子力施設にあるIAEA保障措置装置からの遠隔
送信は、ウクライナをはじめ世界中でのIAEAの保障措置実施の重要
な構成要素である」と彼は述べた。「これらのシステムは、全ての原発
を含む、ウクライナの数ヵ所の施設に設置されており、査察官が立ち
会っていないときに、これらの施設での放射性物質と活動を監視する
ことを可能にしている。」

 また、データを確実に現地で保管するための技術的な機能はあるが、
監視システムのストレージ容量や稼働状況(訳注:後日確認できるよう
にデータを保存しているハードディスクやそれを制御するシステムなど
を指すと思われる)は依然として不明だという。
 IAEAは、セーフガード技術措置によって、各国が平和的目的の
ためにのみ核物質及び技術を使用するという、国際的な法的義務(
訳注:核拡散防止条約に伴う各国とIAEAの間で結ばれる保障措置
協定に基づく)を遵守していることを検証している。

 また、ウクライナの原発の稼働状況については、ザポリージャ原発の
2基を含む、同国の15基の原子炉のうち8基が稼働を続けていると
している。放射線の測定値は正常だった。

 ザポリージャ原発の敷地内には、4本の高圧(750kV)外部電源回線
と1本の予備電源回線がある。運転員はIAEAに対し、2本が損傷
しているため、現在2本の送電線と待機中の1本が発電所で使える状態
であることを報告した。

 発電所の外部電源需要は、利用可能な1本の電力線で供給できる
とも、この事業者は述べた。さらにディーゼル発電機も予備電力を
供給する準備ができており、機能している。
 「しかし、これは、すべての原子力施設への電力網からの外部電源を
確保できるという安全の柱が危険にさらされているもう一つの例」と
グロッシ事務局長は述べた。
 また、6号機については、3月4日の事態を受けて、冷却系の損傷が
発見されたことから、運転を停止して緊急修理を行っているとの
報告があった。

※≪事故情報編集部≫より
 この文章は、3月10日受信です。

.. 2022年03月12日 09:17   No.2422003
++ たんぽぽ舎 (社長)…846回       
たんぽぽ舎2022年度の活動方針 ─ 8つの柱 ─ (中)
  三.汚染水の海洋放出反対と福島原発震災へ取り組みます
  四.日本核武装・核兵器技術の蓄積を断つ取り組みをします
  五.運動課題を共有できる団体と共闘します
  2/26たんぽぽ舎総会関係報告【その5】
 

3.汚染水の海洋放出反対と福島原発震災へ取り組みます

 安倍元首相の事実無根の「アンダー・コントロール」発言に始まり、
有名無実に終わり深刻な分断と疎外を生み出した「復興五輪」。
 その後は汚染が残り帰還者も限られる、「帰還困難区域」への住民
帰還の促進と、既に福島原発震災は終わったこと、復興が着実に進んで
いるとの宣伝が広められています。

 一方では、避難し続ける人々への支援は打ち切られ、避難住宅から
退去を求められたり訴えられているケースもあります。こうした被災者
を支える活動も行われています。
 その中で「アルプス処理水」と本質を隠し、放射性物質に汚染された
水を海洋放出しようとしています。
 これが強行されれば、福島を含む東日本、そして時間を経て太平洋
沿岸地域に汚染が拡散していきます。何としても阻止しなければ
なりません。

 また、汚染水放出と同時並行で進められる「デブリ取り出し」という
危険な作業にも反対し、放射性物質拡散の危険を低減させ、汚染を
抑える作業に人も資金も振り替えることを求めます。

 汚染水海洋放出は、関係閣僚会議(原子力災害対策本部の元に作られ
た単なる下部組織に過ぎない)で「決定」したとされますが、設備の
認可から建設まで今後1年以上はかかります。
 決して諦める段階ではないのです。
 「東電本店合同抗議行動」などの行動を通じて、汚染水の海洋放出
反対を訴え、東電にも迫っていきます。

4.日本核武装・核兵器技術の蓄積を断つ−
  「プルトニウム利用とロケット技術で弾道ミサイルに
  核兵器を搭載できる」を断つ

.. 2022年03月12日 09:22   No.2422004
++ たんぽぽ舎 (社長)…847回       
 国際情勢は近年、緊迫度を増しています。
 台湾海峡を巡る対立と、ウクライナとロシア国境で勃発した軍事
緊張は、米国と中国、ロシアとの緊張を高めています。
 米国によるいわゆる「権威主義国家との対決」の姿勢は、国際緊張を
あおりロシアとNATO、中国と台湾との間で緊張を
生み出しています。
 米国は既存の軍事プレゼンスを強化しようとし、NATOの東方
拡大を目指し、そのためロシア・中国と米・NATOとの距離は急速に
接近し続け、危険水域に達しています。

 香港の民主化勢力を強権的につぶした習近平政権は、さらに台湾への
圧力も強め、ウクライナの一部であるクリミア半島を「併合」した
プーチン政権は、ウクライナに軍事的圧力を加えています。
 中国もロシアも、自国の体制を揺るがす体制内反対派を許しません。
 一方、米国でもアフガニスタン撤退が深刻な人道危機をもたらしてし
まったことへの責任もとらず(もともと米国によるアフガン戦争、
イラク戦争が原因)、新たな軍事緊張をひきおこし日本など同盟国を
加えて、封じ込めを図ろうとしています。

 そのような中で、日本の政治では改憲勢力が増え続け、「非核三原則
見直し」を主張する者も多くいます。
 新型コロナウイルス感染症対策の失敗も「危機管理のため内閣の
権限を強める改憲が必要」などとすり替える始末。

 米国の核兵器を日本に置いたり、核を搭載した原子力潜水艦の寄港を
認めることを容認し、将来的に米国の短距離核を日本に配備し、その
うえ核武装も可能なレベルの原子力技術を保持すべきと考えている
政治家もいます。

 非核兵器国で唯一、商業規模の再処理工場を稼働させ、約46トンの
分離プルトニウムと核兵器級のプルトニウムをも保有している日本は、
核武装を想定し、それに必要な技術力を蓄積させようとしています。
 核兵器級のプルトニウムを「常陽」に蓄積しているうえに、「常陽」
を再稼働し、リサイクル機器試験施設(RETF)の建設も断念して
いません。

.. 2022年03月12日 09:28   No.2422005
++ たんぽぽ舎 (社長)…848回       
 核武装能力に極めて近い高純度プルトニウム利用技術とロケット
技術を蓄積すれば、弾道ミサイルに核兵器を搭載できると考えて
います。
 これを阻止するにはプルトニウムを持たないことが第一です。
 核武装に繋がるRETF建設や「常陽」の再稼働も阻止しなければ
なりません。これら問題点を明らかにし、運動の中で追及します。

5.運動課題を共有できる団体と共闘します

 「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」、「原発とめよう!東京
ネットワーク」、「再稼働阻止全国ネットワーク」、「とめよう!東海
第二原発首都圏連絡会」、「東海第二原発いらない!首都圏ネット
ワーク」など、原発をゼロにし、東海第二原発をはじめとした原発の
再稼働を認めない運動を続ける団体との共闘を通じて、幅広く運動の
現場に多くの声を届け、各団体、各地の取り組みに学び、たんぽぽ舎
としても運動を深めるために努力を続けます。
 その他にも「生業訴訟」や「株主代表訴訟」などの裁判闘争にも
協力を継続します。 (下)に続く

.. 2022年03月12日 09:34   No.2422006
++ 『季節』編集委員会 (幼稚園生)…1回       
3月11日の『季節』2022年春号
| (NO NUUES voice改題 通巻31号)刊行にあたって


 今年もまた〈3・11〉が近づいてまいりました。被災された方々、
意に反し故郷を離れざるを得なかった方々、また脱(反)原発運動に
関わる皆様には特別の想いがおありかと察します。
 さて、これまで『NO NUKES voice』をご支援いただき、ありがとう
ございました。
 前号でも予告しましたが、『NO NUKES voice』は今号より『季節』に
改題し全面リニューアルいたしました。
 詳しくは本文中に「季節編集委員会」名で申し述べておりますので
ぜひご一読ください。

 本誌は2014年8月の創刊から7年半が経ちました。同時に2011年
3・11から11年が経ちました。
 2014年の創刊のころ鹿砦社はイケイケの時で、松岡の高校の同級生
(故人)がライフワークとして故郷・熊本で始めた島唄野外イベント
「琉球の風〜島から島へ」(年1回開催。宮沢和史、BEGIN、
知名定男、ネーネーズ、宇崎竜童、夏川りみ、かりゆし58ら出演)
へのスポンサー参加と共に、本誌の前身『NO NUKES voice』も、
僭越な言い方ですが、いわば勢いで創刊いたしました。

 しかし1号たりとも黒字にならず赤字を重ね、加えて昨今の新型
コロナ禍による打撃は大きく休廃刊の危機に追い込まれました。
 そうした情況下、皆様方の物心両面にわたるご支援と叱咤激励は、
私たちに勇気を与え奮起せざるをえない闘志を惹起させました。

 リニューアルした『季節』の前途は荒海です。
 しかし私たちは、被災された方々、故郷を追われた皆様方に寄り
添い(皆様のご苦労に比べればなんのことはありません)、なにが
なんでも寄稿者や読者の皆様方と共に乗り切ってまいります!
 あらためて、今後ともよろしくお願い申し上げます。
 定期購読(前倒し更新、複数年)や書籍ご購読などでご支援ください。
 大口、小口問わずカンパもお寄せください。
 たとえ便所紙を使ってでも(若い世代には通じない表現ですが、
私たちの決意の表現として捉えてください)、本誌を継続させる
決意です。(松岡利康=鹿砦社代表/小島 卓=『季節』編集長)

※『季節』春号の概要は下記の通りです。

.. 2022年03月12日 09:50   No.2422007
++ 『季節』編集委員会 (幼稚園生)…2回       
原子力は即刻廃絶すべきもの(小出裕章)/原発問題はエネルギー
問題なのか(樋口英明)/表現者は歩き続ける(中村敦夫)/被ばく
問題の重要性(井戸謙一)/《片山夏子さんインタビュー》人を
追い続けたい、声を聞き続けたい/事故はいまも続いている 福島
第一原発・現場の真実(おしどりマコ)/犠牲のシステム 数兆円の
除染ビジネスと搾取される労働者(和田央子)/「いつまで避難者と
いってるのか?」という人に問いかけたい 「あなたは避難者になれ
ますか?」と(森松明希子)/沈黙と叫び 汚染水海洋放出と漁師
たち(鈴木博喜)/《徹底検証》「東電原発事故避難」これまでと
現在〈最終回〉 語られなかったものは何か(伊達信夫)/《広瀬
隆さん講演》地球温暖化説は根拠のないデマである〈前編〉/原発
は「気候変動」の解決策にはならない(山崎久隆)/《新連載》
シュウくんの反核・反戦映画日誌〈1〉『人魚伝説』を観る(細谷
修平)/機を見るに敏なんて美徳でも何でもない(三上 治)/大村
紀行──キリシタン弾圧・原爆の惨禍 そして原発への複雑な思い!
(板坂 剛)/“騙り”の国から“語り部”の国へ 絶望を希望に
転じるために いまこそ疑似「民主国」ニッポンの主客転換を!
(佐藤雅彦)/山田悦子の語る世界〈15〉森友学園国有地売却公文書
改ざん国賠・『認諾』への考察(山田悦子)/再稼働阻止全国ネット
ワーク(柳田真、石鍋誠、中道雅史、野口修、反原発自治体議員・
市民連盟、披田信一郎、佐々木敏彦、藤岡彰弘、木原壯林、芦原
康江、秦左子、木村雅英、天野恵一)/反原発川柳(乱鬼龍選)他

『季節』春号 通巻31号 定価 770円(税込み)

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B09TN1SL8X/
◎デジタル鹿砦社通信  こちら

.. 2022年03月12日 10:01   No.2422008
++ 山崎久隆 (社長)…1315回       
11年目の3月11日に想う
 | 電源喪失の恐怖を11年目にチェルノブイリ原発で再現
 | こんどは戦争と原発の脅威に世界は恐れる
 └──── (たんぽぽ舎 共同代表)
 
 原発とは、何という罪深い存在なのだろうか。
 11年前の3月11日から12日にかけて、私は福島第一原発で何が起きてい
るのか、情報を取ろうとして様々なソースを探していた。電源喪失は報道
されていたが、その後の状況はわからない。
 国と東電の情報が全く当てにならず、当時の枝野官房長官が「炉心には
未だ水がある」と会見で語った12日未明、後に既に炉心が溶けていた。
 命がけでインターネットを通じて刻々と上げられる空間線量の情報を届
けてきたジャーナリストの情報が、唯一、現地状況を推察させる情報だっ
た。3月13日に双葉町内で毎時1ミリシーベルトを超えるとの報告に、背
筋が凍った記憶がある。

○11年目にも同じ事が

 11年目に同様のことが起きた。ヨーロッパのウクライナ。
 1986年当時はソ連の領内にあったチェルノブイリ原発が爆発、日本にま
で放射能が到達したのは事故の一週間後の連休中の出来事だった。
 その後、91年8月にウクライナが独立し、チェルノブイリ原発はウクラ
イナの管理下に置かれた。しかし放射性物質の拡散による甚大な被害につ
いて、ロシア政府は賠償などはしなかった。
 チェルノブイリ被災者保護制度を作ったのはウクライナであり、公的保
障を続けてきたのもウクライナだ。
 そのウクライナに軍事侵攻してチェルノブイリ原発、ザポリージャ原発
を占拠した上、チェルノブイリ原発の電源も喪失させた。どちらの攻撃の
結果であるかは問題ではない。そもそもロシアが軍事侵攻をした結果だ。

.. 2022年03月13日 07:32   No.2422009
++ 山崎久隆 (社長)…1316回       
○11年以降も続く被災者の苦悩

 日本では、今も福島第一原発事故を起こした東電が、被災者への賠償責
任から逃げ、ついに最高裁からも違法性を指摘された。
 例え賠償が十分であったとしても、失われた家族、人々、故郷、暮らし
は帰ってこない。そのうえ被災者を差別し、苦しめ続ける国や東電そして
自治体の仕打ちは、事故を起こした責任を取るどころか、36年を経て今、
ウクライナに戦争を仕掛け事故原発に軍事侵攻してきた。その口実は「核
兵器開発疑惑」 今も続く被災者の苦悩に、追い打ちを掛けるロシア。加
えてウクライナに攻め込んでいるのは、国境を越えて直ぐのベラルーシの
人々も含まれている。ゴメリなどはチェルノブイリ原発からの放射能によ
る高濃度汚染地帯になったところだ。
 ベラルーシ軍が本格的に参戦した場合、被災者同士が撃ち合うことになる。

○日本の被災者は国に虐げられる

 原発事故で苦しめられる被災者は、日本でもひどい仕打ちを受けている。
 賠償は不十分、あるいは一切受けられていない。
 公務員住宅などをみなし仮設住宅として提供していたのに、みなし仮設
住宅の提供を打ち切ったとして居住者に退去を求めて訴える福島県。
 やむにやまれずに避難した人々には、当然ながら生存権がある。この事
 故は国策により導入された原発が引き起こした事故であり、それに対す
 る賠償責任は国にもある。
 事業者も国も、賠償や被災者支援に背を向け、早く原発事故を忘れさせ
ようとしている。そのうえ、汚染水を海に投棄することに、東電よりも積
極的なのは国だ。
 二次、三次被害を引き起こしてでも原発事故を忘れさせ、さらに、今回
のロシアによる軍事侵攻、それに対する制裁によりロシアからの原油や天
然ガスの停止に伴う「エネルギー危機」に対して、自民党議連などが早速
「原発の再稼動促進」「原発の新増設を」などと叫び出す。こういうのを
火事場泥棒という。

.. 2022年03月13日 07:38   No.2422010
++ 山崎久隆 (小学校中学年)…10回       
○ウクライナの現実を見ても今こそ原発をなくそう

 杉本達治福井県知事は、「武力攻撃への備えとして、原発の安全確保や
住民避難の在り方を再検証するよう求める要請書を提出」し政府に要請し
たという。
 「自衛隊による迎撃態勢に万全を期すことや、原発が集中する嶺南地域
への自衛隊部隊の配備を訴えた。」(中日新聞3月9日)
 なんという本末転倒な、倒錯した考えだろうか。
 嶺南地方には、武力攻撃を受けるような施設、設備は何一つ無い。米軍
基地も自衛隊基地もない。あるのは原発だけ。原発をなくせば、そもそも
武力攻撃を受けることはない。戦争は国同士の問題だから、日本が戦争を
しないことは、外交政策の問題であり、嶺南地区の問題ではない。つまり、
普通に考えるならば、原発があるから武力攻撃を呼び寄せていることに
なる。
 これは福井県嶺南地方に留まらず、原発や再処理施設、米軍基地のある
地域全てに言えることだろう。
 外交的な取り組みに失敗し、武力攻撃を受けても守りきれる国にするの
だ、そんな声が地方自治体の長から聞くことになるとは、とんでもない時
代になっている。
 これを変える責任は、私たちに等しくあるのだ。


.. 2022年03月13日 07:44   No.2422011


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