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IAEA保障措置システムからのデータ伝送が遮断 | ザポリージャ原発もデータ遮断され外部電源も一部損傷 | IAEA第16報からの情報提供 └──── (たんぽぽ舎共同代表)
◎ チェルノブイリ原発では、IAEAの保障措置システムのデータ 転送ができなくなり、使用済燃料を含む放射性物質の状態がつかめなく なりました。 さらに、外部電源を喪失し、放射線測定システムや使用済燃料冷却 系統などは非常用ディーゼル発電機による48時間の制限付き電源により 賄われているようです。
◎ ウクライナは原因をロシア軍による攻撃であるとし、一方ロシアは ウクライナの攻撃によるものであるとしています。(タス通信より) また、IAEAによると、チェルノブイリ原発とザポリージャ原発 から、保障措置システムからのデータ転送が停止しているようです。 これは、IAEAと各国が結ぶ保障措置協定に基づく、核物質の軍事 転用や核兵器開発を防止するための仕組み。 チェルノブイリ原発からのデータ転送が遮断されていることを 第15報でIAEAは伝えていましたが、こんどはザポリージャ原発 からも遮断されたということで、意図的に行われている可能性が あります。
◎ また、ザポリージャ原発には外部電源系統が常用4つと予備1つ あるようですが、そのうち常用2系統が遮断されたとのこと。 福島第一原発事故でも、外部電源の喪失が津波到達後にあらゆる 電源システムが機能しなくなった原因で、外部電源系統が一系統でも 生きていたら、津波被害を受けていてもメルトダウンは回避できたの ですが、そのことが証明されるのは女川原発、東海第二原発、福島第二 原発が福島第一原発のようにならなかった事からもわかります。 それほど重要な外部電源5系統の内2系統が破壊されたことは、 安全性を大きく低下させていると言え、大問題です。 IAEAの第16報の抄訳を紹介します。
「最新情報16−ウクライナ情勢に関するIAEA事務局長声明」抄訳
ロシア軍が1986年の事故現場の支配権を握ってから2週間たって、 チェルノブイリ原発は送電網から遮断され、外部電力供給が喪失したと ウクライナ政府は本日、国際原子力機関(IAEA)に通告したと グロッシ事務局長は述べた。
.. 2022年03月12日 09:04 No.2422001
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