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■--決意、新たに生きる
++ 吉野信次 (小学校高学年)…28回          


  原発ゼロ・再生エネルギーへの全面転換を!
  ジェンダー平等と食糧自給率の大幅アップ
  年賀状の紹介 (その3)
 (千葉県在住)

◎どのような社会をめざしたいですか?

 感染爆発・医療崩壊を体験し、感染者を見殺しにする現実を見て、
命と暮らしを守ることの大変さを学びました。
 コロナパンデミックと巨大災害は、大規模な地球環境の破壊に対する
警鐘です。
 新自由主義の政策を全面的に見直し、持続可能な循環型社会に転換
するしか私たちが生きていける道はないかとおもいませんか。

◎ジェンダー平等と食糧自給率の大幅アップ、原発ゼロ・再生
エネルギーへの全面転換を!

 そのためには、9条改憲を認めないことはもとより、ジェンダー平等
と食糧自給率の大幅アップ、原発ゼロ・再生エネルギーへの全面転換
こそ重要な課題だと思います。
 世界男女平等ランキングでは、G7内でダントツの最下位。食糧
自給率もカロリーベースで37%、先進国の中で最下位。原発推進の
エネルギー政策にしがみつくだけ。
 現状維持の「新しい資本主義?」では何も変わりません。
 昨年秋の総選挙の厳しい現実を踏まえて、7月の参院選では市民が
応援できる野党共闘の実現を求めましょう。
.. 2022年01月19日 05:09   No.2383001

++ 島村英紀 (社長)…720回       
初めて太陽に接近した探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」
| 太陽の大気であるコロナを研究することで、
| 地球の磁気嵐などの秘密を探る
| 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その426
 └──── (地球物理学者)

 12月に米国の西海岸で開かれる米国地球物理学連合大会は地球物理学
の世界最大の学会である。
 発表数が9000、審査を受けた研究ポスター数は10000にも及ぶ。世界中
から地球物理学者が集まるので知られていて、共同研究をした欧州など
からの外国人にもよく会う。日本は縦割り学会なので、めったに
会わない日本人同士が会える機会でもある。

 今年の話題をさらったのは「歴史上初めて、探査機が太陽に触れた」
という米国航空宇宙局(NASA)の発表だった。宇宙探査機「
パーカー・ソーラー・プローブ」が太陽の上層大気であるコロナに
初めて到達したというのだ。
 太陽は近くに行くほど温度が高まる。この探査機は特製の遮熱板を
太陽に向けた方向にかざして、1400度の熱まで耐えられる。もちろん
遮熱板が少しでも向きが違ったら、たちまち探査機が焦げてしまう。

 地球と違って、太陽はガスの塊である。太陽の主成分は水素や
ヘリウムなどのガスだ。超高温の大気であるコロナに包まれていて、
太陽から遠ざかると太陽風というガスの流れに変化する。
 ここは太陽の重力と磁力から太陽の大気の限界と考えられているとこ
ろで、ここから外には太陽の表面で起こる爆発現象である太陽フレアや
コロナ質量放出が出るだけだ。

 コロナが終わって太陽風になる境界面は「アルヴェーン臨界面」と
いわれているが、どこにあるのかがこれまで分かっておらず、太陽の
表面から太陽半径の10倍(約690万キロメートル)〜太陽半径の20倍(約
1390万キロメートル)の範囲にあると考えられていた。

 探査機がコロナに到達したのは4月末で、太陽表面から太陽半径の
18.8倍(約1310万キロメートル)で、初めてアルヴェーン臨界面に
遭遇した。
 その後も、探査機は3回ほどコロナに出入りした。アルヴェーン
臨界面の表面は、滑らかな球状ではなく、トゲや谷などのでこぼこな
構造を持つことが分かった。

.. 2022年01月21日 08:06   No.2383002
++ 島村英紀 (社長)…721回       
 アルヴェーン臨界面を研究することで「コロナ質量放出」のメカニ
ズム、つまり太陽がどのように荷電粒子を吐き出すかが分かる。
 このコロナ質量放出が地球に達すると地球の磁気嵐になる。磁気嵐の
予知は現在、まだ出来ていない。

 磁気嵐は送電線に損害を与えて送電網を麻痺させたり、人工衛星や
GPS(全地球測位システム)などの人工衛星や、航空や漁業に使って
いる無線障害が出る。実害のないところでは、ふだんは見えるはずの
ないところでオーロラが見えるといったことにも影響する。

 19世紀には大きな磁気嵐が起きた。当時は現代ほど社会が進んでは
いなかったので被害は限られていた。
 この次にはこれではすむまい。悪くすると国家レベルの甚大な被害を
及ぼす。

 地球の磁気嵐だけではなく、太陽の秘密が、この探査機によって
次々に解かれていくのだろう。
 なお、この探査機の最終目的地はアルヴェーン臨界面より
もっと先だ。
 太陽半径の8.86倍(約620万キロメートル)にまで接近する
予定だという。
 探査機が焦げるか焦げないかの境まで飛ぶ気なのである。
 この実験は2025年を予定している。

.. 2022年01月21日 08:13   No.2383003
++ 山崎久隆 (社長)…1268回       
川内原発など火山地帯に近い原発の再稼働を許可してきた
 | 規制委は、驕りを深刻に反省すべき
 | 「火山噴火を事前予測できる」とする
 | 原子力規制委員会は見解を撤回せよ
 | 地球の反対側で起きた巨大カルデラ噴火で津波 (下)(了)
 └──── (たんぽぽ舎共同代表)
            (中)は、1/24【TMM:No4390】に掲載。

◎空振の恐ろしさ

 火山噴火により引き起こされる空気の振動は「空振」と呼ばれ、
距離が近く、規模が大きければ、木が倒壊したり建物が破壊されたり
鼓膜が破れるなどの被害を生ずる。遠ければ爆音として聞こえる。
 有史以来最大級の噴火とされる1883年のクラカタウ噴火では、4000
km以上離れたところで聞こえたとされている。
 今回の空振は、アラスカでも観測されたというから、記録上史上最大
の距離まで伝わったということになるかもしれない。

 海の上で発生した場合、空気の振動が海面を変動させ、これが波と
なって広がっていくと、一つ一つの波が大きくなくても広い海の上で
高速で伝わる内に徐々に波同士が合成され、あるいは共振し、大きく
なっていくと思われる。
 それが、比較的近いオーストラリアでは最大でも1mほどが、8000〜
10000km以上も離れた環太平洋諸国の海岸で2mに達する高さになって
いったのだろう。

 今回の噴火の後で、日本では最大約2ヘクトパスカルの気圧変化が
観測され、その後津波が到達した。津波の周期は地震による海底地形の
変動に伴う津波と比べても、かなり短いようだ。公表された波形データ
を見ると、通常の波とも見分けがつきにくいことがわかる。

 海面を変動させ、津波にまで発達させる空振は、その被害の大きさが
考慮されたことはなかった。
 巨大な噴火であれば、「空振」の影響は、その後に起きる溶岩流や
大規模な火砕流などの火砕降下物の影響、噴煙として大気中に放出
された火山灰の影響が大きくなるので見過ごされるのだろう。
 しかし、それらの影響を直接受けるほどに近くはないところでは、
「空振」による津波の影響は、突如やってくる遠地地震のそれ以上に
判別が困難で、不意打ちを食らう可能性が高くなる。

.. 2022年01月29日 08:21   No.2383004
++ 山崎久隆 (社長)…1269回       
 実際に、気象庁が津波警報を発した時には既に奄美大島に1.2mの
津波が到達した後だった。それでも、その後の警報や注意報の発令は
素早く行われたので、多くの漁船の沈没・転覆(30隻以上とされる)や
漂流についての人的被害は阻止できたと考えられる。

 遠地地震の津波被害としては、1960年のチリ地震津波(死者・行方
不明142名、負傷855名、被災者147,898名、被災家屋46,000棟)があり、
太平洋沿岸地域で大きな被害を出している。
津波の波高はこの時よりもずっと低かったとしても、今後も起こり
得るこうした未知の津波被害を未然に防ぐことが出来る津波防災
システムを持ち、稼働させられることは重要なことである。

◎日本への教訓は

 日本の火山は現在111ある。これは世界で過去1万年以内に噴火した
火山の約7%に相当するという。
 そのうえ海に囲まれた島国であり活火山の約3分の1が伊豆小笠原
諸島や南西諸島などの海域に存在する。
 今回と同規模か、もっと大規模な海底火山噴火が日本でも発生して
きたし、これからも発生する。

 その実例として、昨年8月に事前に警告を発することが出来ない
ほど人知れず大噴火し、大量の軽石が漂着した海底火山
「福徳岡ノ場」の記憶は未だ新しい。
 硫黄島から50kmほどの海底火山で、今までに大規模噴火を引き
起こす火山との認識はほとんどなかった。
 この時の規模はVEI4程度とされている。この火山の噴火が終結
したのかどうかもまだよく分かっていない。

 なお、火山憤火予知連は昨年12月に「今後十数年は同程度の噴火が
起きる可能性は低い」との検討結果を公表している。
 このような海底火山の噴火が、過去に重大な影響を日本列島に住む
人類に与えた。
 7300年前に九州南方沖の薩摩硫黄島周辺で起きた超巨大噴火では、
巨大津波が近隣の島々のみならず現在の大分県や高知県、さらには
三重県にまで到達したことが明らかになっている。
 またこの噴火では火砕流が海を渡って九州南部まで到達し、火山灰は
東北地方にまで達していた。
 これにより日本列島上の縄文人は大きな打撃を受け、とりわけ九州の
縄文文化は消滅したとされる。

.. 2022年01月29日 08:27   No.2383005
++ 山崎久隆 (社長)…1270回       
 この時の火砕流は、今でも九州各地に痕跡が残っている。
 また、「アカホヤ」と呼ばれる火山灰の層は、地質調査の際に重要な
指標地層とされている。この火山灰層がある場所は、7300年間の地表に
相当することが分かるからだ。

 そこで気になる記事が1つ。
 この噴火を引き起こした鬼界カルデラは、今も活発に活動を続けて
いることを証明する記事だ。
 以下は、2018年2月9日付「海洋底探査センター」の研究ニュース
「鬼界海底カルデラ内に巨大溶岩ドームの存在を確認」からの引用
である。
−−−−−−−−
 神戸大学海洋底探査センター(KOBEC)では平成27年のセンター
設置以来、神戸大学大学院海事科学研究科附属練習船の「深江丸」を
用いた3回の探査航海を「鬼界海底カルデラ」で実施しました。
 その結果、7300年前の巨大カルデラ噴火以降の短期間に、32立法km
を超える地球上で最大クラスの巨大な溶岩ドームが形成されたことを
確認しました。
 またこの溶岩は、巨大カルデラ噴火を起こしたマグマとは異なり、
現在の薩摩硫黄島などの後カルデラ火山と同じ化学的特性を示します。
 現在も鬼界カルデラの地下に巨大なマグマ溜りが存在している可能性
があります。
 日本列島で最も直近(7300年前)に巨大カルデラ噴火を起こした「
鬼界海底カルデラ」内に、この噴火以降に大規模な溶岩ドームが形成
されたことが分かりました。
 その体積は32立法km以上で、世界最大級の規模です。
 この溶岩は、7300年前の巨大カルデラ噴火の噴出物とは化学的特性が
異なります。
 このことは、鬼界カルデラには7300年前以降に大規模なマグマ溜りが
存在し、そして現在も存在している可能性を示唆します。
 溶岩ドーム上には水柱音響異常が認められ、活発な海底熱水活動の
存在が予想されます。
−−−−−−−−

◎原子力行政と火山評価

 原発の再稼働と火山について、原子力規制委員会は破局的な噴火災害
が発生する火山の近くにでは許可しないとしている。
 策定された「火山影響評価ガイド」では「設計対応が不可能な火山
事象」が原発の運用期間中に発生する恐れが十分小さいこととしている。
 しかし「十分小さい」ことを、具体的にどのように評価、判断を
するのかは「火山影響評価ガイド」には示されていない。

.. 2022年01月29日 08:36   No.2383006
++ 山崎久隆 (社長)…1271回       
 川内原発の再稼働では、5つのカルデラ(阿蘇、姶良、阿多、
加久藤、鬼界)について評価対象とし、これらが原発の運用期間中に
破局噴火を起こす可能性が「十分小さい」として、再稼働を認めた。
 しかし原発の運用期間は運転開始後40年ではない。
 新増設がなくても川内原発が20年の延長申請をしたら2045年11月だ。
その後使用済燃料が残り続ければ、その期間も加算される。
万一、新増設があればまた長くなる。

 火山噴火の再来期間がいつかは誰にも分からないのに、期限も
定まっていない運用期間中に、破局噴火を起こさないとどうして断定
できるのであろう。
 フンガ・トンガ−フンガ・ハアパイの噴火は、日本に対する警告
でもある。
 福徳岡ノ場の噴火も人間にとっては「突然」起きた。

 監視を続けているから巨大カルデラ噴火は数十年前から事前に検知
可能であるとして、川内原発をはじめとして火山の影響範囲にある
原発の再稼働を許可してきた規制委は、驕りを深刻に
反省すべきである。

 多くの火山学者は、そうした「希望的観測」に対して断固として
反対をしている。それほどに火山の予測は困難であり、知ったかぶりで
噴火予測などしてはならないことを、今回の噴火は警告している。

 福徳岡ノ場の噴火も予測されなかった。太平洋上の海底火山だから、
といって言い逃れできるものではない。
 日本周辺海域で未知の海底カルデラ噴火が起こらない根拠など、
そもそもないのである。

 なお、更田豊志規制委員長は、今回の噴火に際し「今回のケースは
原子力施設への対策がすぐに必要ではないものの、めったにない事例
なので、各機関の調査や分析に高い関心を寄せていきたい」と述べ、
原発の安全規制に取り入れるべき科学的な知識や見解などがあるか規制
委員会として確認していく考えを示したという。
 また、石渡明委員も「火山活動に伴って起きる津波は事例が非常に
少なく貴重なケースだ。原発の規制に取り入れるべきものがあるか、
調査や研究を早急に始めてほしい」と、事務局の原子力規制庁に
伝えた。これは1月19日の定例会合でのこと。(NHK1月19日より)
 問題は「今後のこと」ではなく、既に許可してしまった原発に
ついて「見直し」が必要なのだが、それを本当に認識しているとは
思えない姿勢を、まず改める必要がある。

.. 2022年01月29日 08:42   No.2383007
++ 島村英紀 (社長)…724回       
「不気味なカリフォルニア州北部地震 
 | 米国では珍しい地震の州で11年ぶりの規模
 | 「警戒せよ! 生死を分ける地震の基礎知識」その428
 └──── (地球物理学者)

 地震は不公平に起きる。日本ではどこに起きても不思議ではないが、た
とえば米国では西海岸を除けば地震はほとんど起きない。カナダやインド
でも地震は起きない。
 米国で子供向きの本を買えば「地震とはどういうものか」から始まって
いる。まさか日本ではこの種の解説はいるまい。
 私の所に滞在していた米国の科学者は、生まれて初めての地震を感じて
「おばあさんへのいいお土産」ができたと喜んでいた。地震は震度2くら
いで、知らない人はびっくりするが、日本人にとっては「ああ地震か」と
いうほどの地震だった。

 その米国でカリフォルニア州北部沖で12月にマグニチュード(M)6.2の
地震が起きた。南へ約430キロメートル離れたカリフォルニア・サンフラン
シスコでも揺れを感じた。この地震による津波は被害を起こすほどではな
かった。
 幸い、建物のガラスが割れるなど軽微な被害は出たが負傷者の報告はな
かった。地元のフンボルト郡は約1万平方キロの面積に住民約13万人余が
住み、人口密度が低い地域だった。この規模の揺れは11年ぶりだった。
 この辺では24時間に40回以上の地震を感じて不安が高まっていた。

 そのフンボルト郡の港町から私たちが作った海底地震計の観測に出かけ
たことがある。
 カリフォルニア大学のボールト先生との共同研究の一環である。ボール
ト先生は米国の地球物理学のボスだった。
 カリフォルニアは米国では珍しい地震の州だ。サンアンドレアス断層と
いう長さ1300キロメートルという長大な活断層が走っていて、たびたび
大地震を起こしている。
 このため大がかりな観測網が敷かれ、地震予知研究も積極的に行われ
ている。ボールト先生は、その旗頭の一人だ。
 しかし、地震を起こす活断層は北へ走って行って、その尻尾は、カリ
フォルニア州の北の沖で太平洋のなかに消えているのだ。

.. 2022年02月06日 08:15   No.2383008
++ 島村英紀 (社長)…725回       
 断層の動きや成立ちを調べるためには、断層の端を調べることが重要
だ。このため、私たちの海底地震計を持って海底地震観測に来てくれない
かと始まった共同研究だった。研究ではこの断層の先端部近くには、地震
活動が異常に高いところがあることが分かった。
 だが、この海底地震観測は大変だった。使った船が、小さくて、恐ろし
く搖れた。

 この船は、もともと、50年も前に作られた米国東部にある五大湖の燈台
補給船だったものを、カリフォルニアの小さな大学が払い下げてもらった
ものだ。海で使うために、波が入ってこないように側壁をかさ上げしてあ
った。職員としては船長と機関長の二人しかいない。ちっぽけな船だ。
 出港直後には、米国西海岸での世紀の海底地震観測だ、といってはしゃ
いでいたボールト先生は、まもなく船長のベッドで寝込んでしまい、ずっ
とベッドから起き上がれなかった。

 さて、カリフォルニアの北の沖で起きている群発地震は1906年のサンフ
ランシスコ大地震のような地震に結びつくのだろうか。サンフランシスコ
大地震は甚大な被害を生み、3000人が死亡し22万人が家を失った。

.. 2022年02月06日 08:23   No.2383009
++ 島村英紀 (社長)…726回       
深発地震後のプレート上のつながり
| 700キロメートル地下で起きた“世界一深い大地震”が
| 浅い地震を引き起こした?
| 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その429
└──── (地球物理学者)

 2015年5月にマグニチュード(M)7.9の世界一深い地震が起きた東京・
小笠原諸島で、今度は正月早々の1月4日に浅い地震が起きた。
 2015年の深い地震はMが大きく、初めて日本中で有感地震になり、
首都圏と長野、山梨では広く震度4から5だった。
 夜8時過ぎの地震でエレベーターが19000台も止まり、高層階では多く
の人々がエレベーターが止まったために床に座り込む画像が流れた。

 この正月の地震では震源は海底だったが、震源に近い小笠原・母島で
震度5強の揺れを観測したほか、父島で震度4の揺れを記録した。Mは
6.1だった。
 現地では鏡が倒れたりコップが落ちて割れたりした。1000キロ
メートルも離れた首都圏でも震度1から2を記録した。

 2015年の地震は深さが700キロメートルを超えたが、今回は深さは77
キロメートルで、ずっと浅かった。
 二つの地震は、同じ太平洋プレートに載っている。このため、深い
大地震が、今回の浅い地震を引き起こしたのではないかという学説が
強まっている。
 もともとこの説は1952年に起きた十勝沖地震(M8.2)で唱えられたものだ。
 1950年にM7.5の地震が343キロメートルの深さで起き、それが引き金
になって十勝沖地震が起きたのではないかというものだった。太平洋
プレートの上どうしで、プレートが潜り込んでいるところだ。

 その後、関東地方の浅い地震が、岐阜・高山地方を中心にした飛騨の
深い地震の起きた後で起きた例が多数あることが発表された。
 40年あまりにわたっての気象庁のすべての地震を統計的に調べ
上げたものだ。ここも潜り込んでいる太平洋プレートの上どうしだ。

.. 2022年02月08日 05:17   No.2383010
++ 島村英紀 (社長)…727回       
さらに2003年9月に起きた十勝沖地震(M8.0)でも、先駆けとして深い
大きな地震二つ(1990年、M7.2、深さ約500キロメートルと2003年7月、
M7.1、深さ487キロメートル)が同じ太平洋プレートで起きていたこと
が報告されている。
 深発地震が起きてから浅い地震が起きるまでの期間は2ヶ月〜13年と
ばらつきがある。
 このばらつきでは、いずれ起きるかも、は分かっても、当面の地震の
予知には役立たない。だが、ひとつながりのプレートの上で起きる
地震だから、あり得る話だ。

 ところで今回の地震では幸い津波はなかった。しかし津波の情報が
出るまでに、発生から8分かかった。これは気象庁のいまの基準よりも
遅い。
 父島と母島に観測点が1点ずつしかない。島嶼(とうしょ)部は、
観測点が限られるから遅れたためだ。
 日本海中部地震(1983年、M7.7)では北海道・奥尻島や東北地方では
津波警報より早く津波が襲ってきて、大きな被害を生んだ。津波警報が
発表されたのは地震発生から14分後だった。

 このときの津波警報の遅れは問題になり、気象庁はそれ以来、津波
警報を早く出すようにしたが、それでも今回のように遅れることもある。
 揺れが大きかった海岸近くの人々は、気象庁の津波情報が出なく
ても高台など安全な場所に避難することが必要だろう。
 先週のトンガの海底噴火でも、気象庁の津波警報が出なくても津波が
来れば避難することが大事なのだ。

.. 2022年02月08日 05:22   No.2383011


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