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公聴会では明確に反対する意見がほとんどだったことを明記すべき | 東京電力の汚染水処理に関連して | 「放射線影響評価報告書」に対する「意見募集」に | (中)(3回の連載) └──── (たんぽぽ舎共同代表)
5.国の委員会の報告書はあくまでも参考意見に過ぎない
3P「はじめに」 『国の多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会は、2020年 2月に報告書をとりまとめ、5つの処分方法案については、モニタリング の実現可能性をも含む多角的な検討を行った上で、海洋放出および水蒸気 放出が現実的な選択肢であり、その中でも、海洋放出がより確実に実施可 能であるとの結論を示した。』
◎ 国の委員会の方針は、あくまでも参考意見に過ぎない。事故の収束作 業の責任は東電にある。加害者が同じく事故の責任を有する委員会の方法 案を取り入れて新たな加害活動をするなど、ありえないことである。 まず、被害者の意見を聞くべきであり、それは第一に福島県の被災者 及び漁業、農業の生産の場を奪われた人々である。 また、小委員会は公聴会等の意見を一切無視しており、最初から結論あ りきなのは誰が見ても自明なことである。このような行為を続けていれば 何時までも東電は信頼を得ることは出来ない。
6.タンク貯蔵のリスクなど「為にする論」である
3p「はじめに」 『同委員会は、タンクによる長期保管についてタンク増設の余地が限定 されていることや、長期保管に伴う老朽化や災害等による漏洩のリスクの 高まりも指摘した。』
◎ これは明確にウソである。そうでなければミスリードである。 敷地の状況を把握しているのは東電だけであり、委員会に対して所与の 条件として「敷地に余裕はない」と信じこませてしまえば、「与えられた 条件では海洋放出しか選択肢はありません」となるに決まっている。 それに加えて「タンクは危険」とまで言うのだから、結論ありきである。 しかし「タンクは危険」も異常な主張だ。タンクの危険性を主張するの は世界中でも事故を起こした東電だけであり、一般産業においてタンクが 「危険」などと主張する事業者はいない。
.. 2021年12月26日 06:47 No.2372001
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++ 山崎久隆 (社長)…1244回
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同じ東電であっても例えば、東京湾岸に林立する東電(またはJERA) の火力発電所が所有するタンクは「危険」なのか?。もちろん、「危険 です」などと答えるわけがない。 安全性の高いタンクを開発し、地下式又は半地下式で建設することで 地震や津波対策を行ってきたのではないか。
◎ 福島第一原発であれば大型の(35万キロリットル級)タンクを敷地 北側内陸部に地下式で8基程度建設し、今あるタンクの水を全て移せば 遥かに安全である。 タンクが漏えいしたら、等と、意味のない反論をしているが、漏洩対策 をしたタンクの存在も知らないのかと、呆れるばかりである。
第一、海洋放出が始まったら数年でタンクがなくなるのであればまだ しも、最終的には放出終了時点までタンクは存在し続ける。半減するの でさえ30年も経ってからと推測される。 いったいどこが「リスク対策」になっているのか。 地上タンクが危険というのならば、今すぐ全タンクを地下式に移行する 作業を開始すべきである。 そのような対応さえせずに、長期保管タンクを否定する主要な点に 「危険性」を挙げるのは、天に唾するごときものである。 これら委員会の発言を借りて東電の都合を主張しているに過ぎない。 削除すべきであろう。
7.公聴会や意見募集では大半が放出反対だったことを無視している
3P「はじめに」 『説明・公聴会を開催するとともに、書面を含め、広く意見を募集した。 その結果、提出された意見の中には、ALPS処理水の海洋放出が周辺環 境に与える影響などに対する懸念も示された。』
これも都合のよいつまみ食いである。 公聴会において出された意見のほとんどは環境への影響などの問題点を 指摘しての、反対意見だった。 「懸念」どころか、明確に反対する意見であったことを明記しなければ ウソである。
.. 2021年12月26日 06:56 No.2372002
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++ 山崎久隆 (社長)…1245回
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8.権限のない閣議決定に従う必要などはない 3P「はじめに」 『国は、これらの検討や意見を踏まえて、今般、ALPS処理水の取扱 に関して、「東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所に おける多核種除去設備等処理水の処分に関する基本方針」(2021年4月13日、 廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議)にて、安全性を確保した上で 海洋放出するとの基本的方針を示した。当社は、この国の方針を踏まえ、 同年4月16日に、「多核種処理設備等処理水の処分に関する政府の基本 方針を踏まえた当社の対応について」を公表』
◎ 権限のないものの「閣議決定」など決定の名に値しない。 この会議体「関係閣僚会議」はあくまでも情報交換を目的としたもので しかない。何らかの政府決定を行える会議体ではない。ましてや法的拘束 力を持つ権限も有していない。 仮に法的拘束力を持つ決定をするというのであれば、法律を定め、国会 で審議し、議決しなければならない。そうであればこその民主的手続きで ある。勝手に決めて国民に結論を押しつけるなどあってはならない。 しかし東電は、そのような非民主的決定でさえ根拠として私たちや被災 者にも押しつけようとしている。 断固反対すべき理由の1つである。 まったく東電体質(自ら責任は取らず国などの権威の陰に隠れる)その ものだ。 「多核種処理設備等処理水の処分に関する政府の基本方針を踏まえた当 社の対応について」の撤回を求める。
9.汚染水を「安全な水」?とんでもないデマである
4P「はじめに」 『ALPS処理水の海洋放出にあたっては、法令に基づく規制基準等の 遵守はもとより、関連する国際法や国際慣行に基づくとともに、更なる取 り組みにより放出する水が安全な水であることを確実にして、公衆や周辺 環境、農林水産品の安全を確保する。』
.. 2021年12月26日 07:05 No.2372003
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++ 山崎久隆 (社長)…1246回
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◎ この考え方は本質的に誤りである。 福島第一原発事故により環境中に放出された放射性物質の影響は、既に 広範囲にわたり生じており、とりわけ野生動植物への蓄積による影響は多 くの科学論文により示されている。 この状況下に追加放出されるのがトリチウムを始めとした放射性物質で ある。 そのため、既に所与のものとして生じている影響に加わるので、汚染水 の放出に限った影響を切り出すことは極めて困難であり、事実上不可能で ある。 それに対して既存の知見の不足する水処理をおこなった上での排出が、 真に環境に与える影響を検出することが如何にして出来るのか、科学的に 説明すべきである。
◎ 特に、東電が前提としているのが「安全な水である」ことを前提とし ていて、これは「法令に基づく規制基準等の遵守」等で確保できるとして いる点に大きな問題がある。 最初から安全な水を何億トン放出しようとも安全であるのに変わりはな く、ことさら分析・評価するまでもない。科学的には普通そう考えられる。 そのような前提に立ちつつ、いかなる「安全の確保」なのか全く理解で きない。 悪く言えば馬鹿にしているのか、と思う。安全確保の前提条件が安全な 水などと、いったいどういう発想で記述できるのか。この部分は全部撤回 し、書き直すべきである。
◎ ALPS処理をおこなえば安全な水になる、などと、ウソで誤魔化す のは止めるべきだ。 しかも見学者に対してALPS処理水を瓶に入れ、外からガンマ線測定 器をかざして「針が動かないでしょう」などと、素人だましをしている東 電である。 (ALPS処理水に含まれるトリチウムを除く放射性物質の濃度が告示濃 度以下に下がっていてトリチウムのみ数万ベクレル/リットルの濃度であ れば、トリチウムはベータ線しか出さず、さらにベータ線は瓶で遮蔽され ているので外部から測定など出来ず、更に測定している計器がガンマ線を 測定できないベータ線測定器だったので針が動くわけがない。動いていた ら別の事件、例えば別の放射線源が側に落ちていた、などになっていたで あろう)。(下)に続く
.. 2021年12月26日 07:10 No.2372004
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++ 平田明良 (幼稚園生)…4回
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東電福島第一原発事故による帰宅困難地域の面積は | 337平方キロメートル | 東京23区の面積の約半分、名古屋市の面積より少し広い | 帰宅困難地域の広さの伝え方について…私見 └──── (たんぽぽ舎ボランティア)
◎ 先日、朝日新聞上で福島の現状の地図が出ていました。 年間累積放射線量が50ミリシーベルト以上である福島第一原発事故に よる帰宅困難地域が表示されていましたが、自分たち首都圏に住む者に とっていまいちピンと来ませんでした。 東電福島第一原発事故から10年経っても事実上住めない帰宅困難地域 があることにも改めて驚きましたが、それらが我々の生活地域の どの位に当たるのかを頭の中でイメージできるような情報の伝え方を もっと工夫する必要を感じました。
◎ いい例が広さの単位として、東京ドーム何個分とかいう伝え方を しますよね。 2021年3月時点で経産省の発表によれば、福島第一原発事故による 帰宅困難地域の面積は、337平方キロメートルに該当します。
これだけの広さを実感できる物差しとして 1番目は、東京23区の広さで627.6平方キロメートルでこれを物差しと すると0.53倍に当たります。 道行く人に、帰宅困難地域の広さとして東京23区の面積の約半分が 人の住めない地域になっていると伝えるとより伝わりやすいかと 思います。
2番目は、名古屋市ですね。名古屋市の面積は、326.5平方キロ メートルになりほぼ帰宅困難地域と一緒です。 1番目と2番目の物差しを使ってこれだけの国土が失われていて そこに住んでいた方たちが故郷を奪われているんだと訴えるとより 訴求効果があがると思います。使ってみてください。 これ以上の国土の喪失を再び起こしてはなりませんから。
.. 2021年12月28日 05:10 No.2372005
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++ 清水 寛 (中学生)…47回
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フクシマから10年 チェルノブイリから35年 | 今、新潟で考える講演会からの報告 (その1) | 「チェルノブイリと原発」「福島と原発」 └──── (「なの花の会」世話人、たんぽぽ舎会員)
◎ 12月12日(日)に、「新潟の新しい未来を考える会」主催で、表題の 講演会が新潟万代シルバーホテルでおこなわれた。 開会に当たり、主催者の片桐奈保美会長からは、「県民の7割 くらいは原発はいらないと思っているのに、知らないうちに再稼働に 進んでいます。10年たっても福島の廃炉は一歩も進んでいません。 原発はいらないと一人ひとり訴えることがそれを作った私たち大人の 責任だと思います」などと熱く訴えられた。
◎ 講演者の一人は木村真三さん。 福島第一原発事故直後、厚労省所管の労働安全衛生総合研究所を 辞して現地・福島入りし、汚染の実態を明らかにしたとのこと。 チェルノブイリ原発事故後の被災地ウクライナに70回以上行って、 住民の健康調査と被ばくの実態を研究されているとのことである。 今回、チェルノブイリと最近の福島の状況について語られた。
◎ 小林茂さんは双葉町出身。 元読売新聞記者で福島第一事故の時は東京で単身生活。福島第一 事故後は、福島現地で取材活動をされている。 原発が福島、大熊・双葉地区に建設までの経緯、選定理由、建設後 などについて語られた。
木村真三さんは四国電力伊方原発がある愛媛県南予地方の出身である ことから、「新潟の原発を止められれば、愛媛県、伊方の原発も 止められる」との思いを語られた。
◎ 講演はまず「チェルノブイリと原発」について木村真三さんが 語り、「福島と原発」について小林茂さんと木村真三さんが語られた。 最後に新潟国際情報大学の佐々木寛さんの進行で、会場の参加者から の活発な質問・意見に対して小林茂さんと木村真三さんが応えられた。 ここでは、木村真三さんの講演「チェルノブイリと原発」、 小林茂さんの講演「フクシマと原発」の概要を紹介する。
.. 2022年01月15日 08:37 No.2372006
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++ 清水 寛 (中学生)…48回
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◎講演「チェルノブイリと原発」−木村真三
・チェルノブイリは核分裂の制御に失敗。フクシマは原子炉の冷却に 失敗、外部電源喪失。補助電源は津波により全電源喪失爆発。 ・チェルノブイリでの調査は今年で21年、これまで70回以上行っている。 ・チェルノブイリ事故は1986年4月26日で100万Kwの原子炉が爆発 炎上し、原子炉の炉心は無くなっていた。セシウム137がヨーロッパ 中に飛んでいる。 ・国際原子力機関(IAEA)は2005年、ガンは原発事故被災者60万人 で3,940人死亡と発表。世界保健機関(WHO)は、被災3カ国( ウクライナ、ベラルーシ、ロシア)を対象に9,000人が死亡していると 発表し、IAEAに対してガン死の見積もり方の見直しを要求。 IAEAも9,000人に修正した経緯がある。
◎講演「福島と原発」(大熊・双葉原発の66年〜福島からの報告…) −小林茂 ここでは、原発が福島、大熊・双葉地区に建設までの経緯、 選定理由、建設後などについて語られた。 1)原発建設までの経緯
〇1955年8月8日〜20日までジュネーブで「第1回原子力平和利用国際 会議」があり、73ヶ国、3000名参加。日本からは中曽根康弘、松前重義 ら15名が参加とのこと。 〇初の外遊の途中にあった参議院議員木村守江(いわき市出身、のちの 福島県知事)が原発に触れる端緒となった。 福島原発の淵源をたどると、単に東電と福島県のやりとりで立地が 決まったのではなく、この国の原子力政策の中に組み込まれた構図を 見てとる必要がある。 〇1964年 東電が福島原発建設計画発表。 〇1968年から1970年 日本原子力産業会議(現・原子力産業協会)が、 原子力発電の福島への影響調査。「原子力発電所と地域社会」調査 報告(総論及び各論)にまとめる。
【日本原子力産業会議調査報告に記された立地適地の理由】
1.大熊・双葉地区は、戦後入植の開拓農家で生産性が低く、定着性も 低い場所。 2.烈震(震度6相当):400年に一度しか起こっていない。(地震 活動性の低い地域) 3.人口の多いところから離れている。(被害が小さくて済む) 4.原発設置の賛成・反対。世帯主だけに聞く(世帯主=男性と仮想 したことによる回答の偏りの可能性がある)
.. 2022年01月15日 08:45 No.2372007
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++ 清水 寛 (中学生)…49回
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〇1966年双葉地区を原子力センターにするための調査を福島県が行う。 〇1968年9月4日 地元紙の福島民報が福島県調査「双葉原子力地区の 開発ビジョン」の完成を報道。 〇1970年 原発マネーで双葉町体育館建設(使途自由の3000万円を 東電が寄付) 〇1971年 福島第一原発稼働
2)原発建設後の福島
双葉町は原発建設後、町が表向き豊かになったのは20年余りの間に 過ぎず、1991年には原発増設決議を余儀なくされるなど財政的には きびしい状況に追い込まれた話や、新潟県の東電柏崎刈羽原発が事故を 起こした場合に備えて、県境を接する只見町、喜多方市、会津若松市 などから「モニタリングポスト」の重要性を訴える意見が原子力規制庁 の現地説明会で続出した。
3)最近の福島
最近の福島の動きとして双葉町の津波被災地に昨年秋開館した「 福島県東日本大震災・原子力災害伝承館」の展示ストーリー案に「復興 の挑戦。ピンチをチャンスに」の文言が使われたことについて、手垢の ついた言葉を用いることに疑問を抱くことのない感性の「鈍い人が 作っている」とし、この文言には復興を印象付けようとする福島県 並びに伝承館の姿勢が如実に示されていると指摘した。
スライドではこのほか、原発事故による避難指示により、飼育牛を 置き去りにせざるを得なかった南相馬市に建てられた牛と愛猫を弔う ための「無念の碑」、海岸線から3キロも津波が遡って押し寄せた 南相馬市・八坂神社の、地震・津波・原発事故の記憶を後世まで 伝えようと、地元の言葉で刻まれた「おらほの碑」を紹介された。
.. 2022年01月15日 08:52 No.2372008
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++ 清水 寛 (高校生)…50回
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フクシマから10年 チェルノブイリから35年 | 今、新潟で考える講演会からの報告 (その2) | 「福島と原発」・「福島と柏崎・刈羽原発」・質疑応答 └──── (「なの花の会」世話人、たんぽぽ舎会員)
先の報告(その1)では、木村真三さんの講演「チェルノブイリと原 発」、小林茂さんの講演「福島と原発」について報告した。 ここでは、木村真三さんの講演「福島と原発」と、会の設立よびかけ人 であり、政治学者の佐々木寛さん(新潟国際情報大学教授)による進行で 行われた「福島と柏崎・刈羽原発」・質疑応答についての概要を紹介する。
講演「福島と原発」−木村真三 まず線量計での実体験に始まり、そのあとで、正しい情報を知らせるこ と、放射能汚染状況などについて語られた。 <会場での線量計の実体験> ピッピッピッピッピと連続する。 かん高い音が会場に響きわたる・・・ 木村さんの手に線量計。「苔の入ったサンプル」。 線量計の音だったのだ! 放射能!!
木村さんが勤めている、獨協医科大学の国際疫学研究室福島分室屋上か ら採取した苔らしい。この分室は福島第一原発から50km離れている。 1)福島第一原発事故が起きた時、正しい情報が市民に知らされなかった! −正しい情報を市民に知らせることが大切−
・福島第一原発事故が起きた時、正しい情報が市民に知らされなかった。 ・避難指示は30km圏内で良かったのか。飯舘村や川俣町山木屋地区など30 km以遠でも避難を余儀なくされたが、果たしてそれだけで良かったのか、 疑問が残る。 ・アメリカは福島第一原子力発電所から80km圏内にいるアメリカ国籍者に 対し避難指示を出している。これはアメリカのみならず、フランスも中国 もフィリピン政府も専用機を用意して国外避難できるようにしていた。 ・福島第一原発事故の時は、政府、専門家のみが本当の情報を知っている。 東海村臨界事故の時も同様。 ・福島第一原発事故の時、民主党政権下の枝野官房長官は「直ちに影響は ない」と記者発表。 ・3月18日、長崎の大学教授…「放射能の影響はニコニコ笑っている人に は来ません。クヨクヨしている人に来ます」と語る。 ・3月19日、この教授は福島県アドバイザーに就任。
2)福島事故による放射能汚染状況など
1.原発事故発生直後(2011年)
.. 2022年01月16日 07:39 No.2372009
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++ 清水 寛 (高校生)…51回
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・3月15日 東京で放射能を検出、その日の午後NHK撮影クルーと福島 県に入る、その間も放射能調査を継続 ・3月16日 原発から2.4kmの所で放射能調査 ・3月29日 NHKと浪江町津島赤宇木集会所、室内30毎時マイクロシー ベルト
2.最近の福島(2021年) ・9月26日 飯館村のキノコ16,207ベクレル/kg 、シメジ56.2ベクレル/kg 厚労省の最新データによると福島県外で高い値のキノコがあったり、福島 でも低い値のキノコもある。放射能は日本を広く薄く汚染している。 ・11月2−3日、環境省の福島の今を知っていただく勉強会に参加した。 ・今も帰還困難区域である飯舘村長泥地区は未除染で解除。除染のまま 覆土せず、野菜を栽培し、放射能の濃縮率を調べている。 ・除染により出た15,000ベクレル/kg以上の汚染土壌を中間貯蔵施設に 運び込んでいるが、環境省は、使用開始から30年後移設すると言っている。
3.甲状腺ガン患者数について ・甲状腺検査の期間と検査体制に問題があるため、統計データの分析に問 題も少なからず存在する。結果、甲状腺ガンは原発事故由来でないとは言 い切れない。したがって、さらなる分析が必要である。
「福島と柏崎・刈羽原発」・質疑応答−佐々木寛、木村真三、小林茂 佐々木寛さんの進行で講演者の「福島と柏崎・刈羽原発」とのかかわ り、参加者からの質疑応答の概要を紹介する。
.. 2022年01月16日 07:45 No.2372010
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++ 清水 寛 (高校生)…52回
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佐々木:木村さんが新潟にかかわっている動機は? 木村:「新潟の原発を止められれば、ふるさと愛媛県の伊方の原発、それ 以外の原発も止められる」と思い、新潟にかかわっている。 佐々木:小林さんが子ども時代に双葉町を出ようと思った理由は? 小林:母子家庭に双葉町は冷たく、金や権力をもっている人が偉そうに振 る舞う、そんな田舎がたまらなく嫌で、早く離れたいと思っていた。原発 に関する東電の説明があった。いいことづくめの話に疑問をぶつけたが、 子どもだったせいなのだろう。取り合ってもらえなかった。以来、原発は 本当に双葉を豊かにしてくれるだろうか?という思いでずっと観察するこ とになった。新聞記者を選んだのもそこが原点だった気がする。 木村:私が調査を行っているベラルーシ共和国ブレスト州ではチェルノブ イリから250kmから500km離れているにもかかわらず、現在も甲状腺ガンが 増えている。 事故7年後から小児甲状腺ガンが明らかに上昇。事故当時 だった人の小児甲状腺ガンが増えている。
佐々木:健康調査を福島はやめるとのこと。やめるのはマズイのでは 木村:まずいです。小泉進次郎前環境大臣と二階派に属していた無所属の 細野豪志議員が国会で質問した際、甲状腺ガンを学校の授業時間を利用し て受けることについて、受けたくない人の意見も尊重し、放課後に受ける べきと言っている。 その件に関し、小泉前環境相は「貴重なご意見ありがとうございました」 と締めくくっている。 チェルノブイリでも20年間は調査が継続している。福島の調査をこの時 点で終わらせること自体がナンセンスである。 また、甲状腺検査は強制的にでも行うべきであるが、個人のプライバ シーが阻害されるとの理由で、親の同意の押印が必要になっている。 チェルノブイリは事故後に生まれた子供たちにも健康調査を行っている。 福島では、事故後に生まれた人の健康調査は行っていない。 事故後に生まれた子供たちを調べることにより、事故による影響を調 べる上でも重要なこと。
.. 2022年01月16日 07:58 No.2372011
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++ 清水 寛 (高校生)…53回
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質問:トリチウム汚染水の海洋放流を止められないか。 木村:井戸を原発周辺に堀って、地下水をくみ上げることによって、原発 内部に流入する地下水を10トン程度まで下げることができる。その工事 伴う工法は既存のもので十分対応でき、費用も310億円と見積もられる。 この方式を用いれば、海洋放出をせずに済む。
質問:原子力がなくてやっていけるのか? 佐々木:やっていける。世界は、もう再生可能エネルギー100%(RE100) が「常識」になりつつある。再生可能エネルギーを主役に新しい文明社会 をつくっていかなければならない。
意見:避難と被曝と合同委員会で議論してほしい。 木村:県に合同委員会を要求しているが、県が認めてくれない。 小林:事故検証は本来、福島県庁がやらなければならない。新潟県の活動 が福島県民を力づけている。
.. 2022年01月16日 08:06 No.2372012
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