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「東海道中膝栗毛」を書いた作家は十返舎一九です。江戸時代後期の作家で浄瑠璃の台本書きや製本業などを経験したのち、こっけい本の人気作家となりました。「東海道中膝栗毛」は特に大人気を得て、21年間、ベストセラー作家を続けました。
十返舎一九は、本名を重田貞一といい、駿河の国(静岡県)の下級武士の家に生まれました。若い頃は江戸へ出て、旗本に使えましたが、長続きしませんでした。その後大阪へ行き、近松余七という名で、浄瑠璃の台本を書き始めましたが、これもうまくいきませんでした。
その後ふたたび江戸へ出た一九は、版元(出版業者)の蔦屋重三郎の世話になり、製本を手伝いました。そのうち一九は、自分でも小説を書こうと思うようになり、1802年、「東海道中膝栗毛」を書きました。
また、さし絵も一九自身でかきました。するとこれが大人気となり、一九はたちまち人気作家となりました。「東海道中膝栗毛」は、大衆に親しみやすい「こっけい本」という種類の作品です。
弥次郎兵衛と喜多八(北八)という主人公がお伊勢参り(伊勢神宮に参拝すること)を思い立って東海道を旅し、その道中で見聞きしたことを、会話中心に面白くおかしく描いた物語です。一九はその後も続きを書き、作品は21年間にわたり、ベストセラーとなりました。
.. 2021年12月05日 08:43 No.2355001
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