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.低廉で安定的に大規模電力を送ることが可能な | | 「エネルギー基本計画」に対するパブリックコメント (その3) | (4回の連載) └──── (たんぽぽ舎共同代表)
4.日本の問題点の指摘は、ずれている
◎ 5頁「日本のエネルギー需給構造の抱える課題の克服」について は、大きな見当違いをしている。 「高度成長期に構築されたエネルギー設備の高経年化が進む中に あって、自然災害の大規模化といった要因も重なり、高度成長期以降 では類を見ない大規模停電を経験し、改めて安定供給の重要さを 再認識した。」 との記述については、おそらく北海道の苫東厚真火力発電所の遮断 から北海道全域の停電や、台風19号による千葉県内の大規模停電、 あるいは降雪の影響による停電などを想定しているのだと思われる。 しかしこれは系統連系の作り方の問題であり、対策ははっきり している。
◎ 例えば北海道電力の場合は、北本連系線が脆弱な上に、苫東厚真 火力発電所に大きな負荷がかかった状態で長期間放置し続けたことが 原因である。 自然災害による大規模停電というのであれば、東日本大震災をまず 取り上げるべきであるが、この項目でそれを示唆する表現は見られない。 後半において「SSのレジリエンス強化」(89頁)において触れられ ているが、あくまでも災害時の停電リスクとしてしか書かれていない。
◎ また、マスタープランに関しても「脱炭素化と安定供給に資する 次世代型の電力ネットワークと分散型電力システムの構築」と「電力 システムの強靱化」(95頁)に記載があるが、マスタープランのような 全国電力網の再構築は「エネ基」の前提として構築することを進める べきだ。
◎ この項目において重要なのは、今の送電システムや電力システムの 連系について、数十年規模で改革を進めるに当たっての方針を明らかに することである。
北海道から九州まで、日本の系統連系は9電力体制の下で極めて脆弱 なままに放置されてきた。 特に東西連系は、50サイクルと60サイクルで周波数が異なる問題を 頂点に、全く無策である。 世界の潮流は、超高圧直流送電により再生可能エネルギーの電力を 既存の系統に連携しつつ、大電力をロスなしで国内外に送るシステムを 構築するための投資である。
.. 2021年10月19日 05:19 No.2317001
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