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脱炭素電源は再生可能エネルギーだけにすること」 | 「エネルギー基本計画」に対するパブリックコメント (その2) | (4回の連載) └──── (たんぽぽ舎共同代表)
2.エネルギー基本計画の基本は何処に
◎ 4頁の「はじめに」から「気候変動問題への対応」「日本の エネルギー需給構造の抱える課題の克服」「第六次エネルギー基本 計画の構造と2050年目標と2030年度目標の関係」6頁にかけては、 第六次エネルギー基本計画(以下「エネ基」)の骨子をしめすところ だが、書かれている内容は希薄で具体性はない。
特に問題なのは、「エネ基」の基本計画を示していないことだ。 明白なのは2050年に炭素排出量を実質ゼロにするらしいことだけで、 大雑把には「いろいろな変数があるからそれに備えて臨機応変に 対応する」と書いているだけである。 もちろん、具体的には各論で言及しているとの反論があるだろう。 しかし「エネ基」の顔とも言うべき冒頭のカ所で取り組むべき 基本方針を書かなければ捉えきれない文章というのは、政策文書 としては失格である。
◎ まず、明記すべきは「全ての原子力発電所を廃止し、脱炭素 電源は再生可能エネルギーだけにすること」だ。 7頁以降に福島第一原発について記載されているが、福島第一原発の 事故原因は明確にはなっていない。 単に「津波で電源喪失しメルトダウンした」と、外形的に理解されて いるだけであり、本質的問題点、すなわち原発の持つリスクについて 理解が進んでいるとは言い難い。 そうであるから未だに規制委員会において原発事故の真相を調べる ために事故の分析に係る検討会「東京電力福島第一原子力発電所に おける事故の分析に係る検討会」が常設され検討が行われている。
◎ 国会事故調査委員会においても、その事故報告書では「福島第一 原発事故は自然災害ではなく人災」とし、この原因についても地震や 津波への対策の失敗に起因した事故として調査報告書を発表している (当委員会の調査によれば、3.11時点において、福島第一原発は、 地震にも津波にも耐えられる保証がない、脆弱な状態であったと推定 される。報告書646頁)が、いわば「中間報告」との位置づけであり 今後の調査継続を求めて会議は一端終了している。
.. 2021年10月17日 07:22 No.2313001
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