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また、ID不正使用について35頁には驚くべき事が記載されている。 「生体認証エラーの発生状況事案が発生した2020年9月を含む、 2020年7月〜9月の柏崎刈羽における生体認証エラーの発生状況に ついて調べたところ、本事案があった6、7号機Bゲートは1ヶ月 あたり約64,000人の入域者があり、生体認証エラーは1ヶ月あたり400件 以上発生している。この場所を担当する社員見張人にとって、生体認証 エラーは平均すると1日に10件以上発生している日常的な事象だったと 推察される。一方、生体認証再登録に関しては号機別データが無いが、 全体で月平均45件発生しており、1日1件程度発生していたことが 分かる。」
これでは生体認証システムとしては成立していない。欠陥であり、 既に破損しているといえるレベルだ。 このため安易にIDカードの「再登録」へと流れてしまい、今回の 不正使用職員に対しても、他人のカードに、持ち込んだ職員のデータを 上書きする「再登録」処理がされてしまった。 このカードをそのまま正規の持ち主のロッカーにこっそり返した ため、翌日、正規の持ち主のカードが不正とされてエラーが出て事件が 発覚していた。 装置の故障が何故これまで改善、改修等が行われなかったのか。 「なお」以降に理由らしきことが書かれているが、事実として改修 していなかったいきさつを述べているに過ぎず、改修が遅くなっても 良いとした判断の根拠が書かれていない。本当の理由ではなく間違った 判断経過を記載しても、原因究明にはならない。
13.下請けの改善提案を握りつぶす「福島の二の舞」
報告書35頁には「本事案を含め、IDカード写真と本人の照合に 失敗し、他人のIDカードでAゲート通過を許してしまった事例が13例 確認されている」「2015年10月に事例が発生した際には、原防所長( 警備担当業務を請け負う「原子力防護システム株式会社」の現地所長) から防護管理GM(東電の役職名でグループ・マネージャー、課長級) へ「委託見張人の人定確認は人間工学上の限界にきているとの認識を 持っており、生体認証(機械システム)導入が必要」との提案が なされた。」との記載があるが、この「現場からの提案を無視した」 ことが大きな問題として新聞にも報じられた。
.. 2021年10月09日 07:09 No.2303008
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