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脱原発首長会議が(汚染水)海洋放出で緊急声明 | 福島第一原発を視察し、松川浦で話を聞く (上) (2回の連載) | 処理してもなお放射性物質を完全に除去できない、 | └──── 〔茨城県、元瓜連(うりづら)町長、 瓜連町は合併により今は那珂市です〕
1.百聞は一見に如かず
去る7月10日、私は村上達也前東海村長、海野徹前那珂市長ら 「脱原発をめざす首長会議」のメンバー13人と東京電力福島第一原発の 構内に入り、10年前に事故を起こした原発1号機から4号機を、100mと いう至近距離からわが目で見てきた。水素爆発やメルトダウンを起こし た原発が目の前にある。 2号機から4号機はカバーがかけられているが、1号機は事故当時の ままむき出しになっている。
建屋の屋根は吹き飛び、上半分の鉄骨はそのまま。天井クレーン、 燃料クレーンが落下し、折り重なっている。使用済み燃料はその真下に あり、放射線濃度が高く、手つかずのまま。海は建屋のすぐ向こうに あり、カモメがのんびり飛んでいる。 土曜日だったので、4000人近く働いているという作業員の姿は 少なかった。 コロナウイルスのまん延による緊急事態宣言が出されるので、翌週 からは見学の受け入れをストップするという直前の見学だった。 視察見学は約3時間。東電社員が最初に事故概要や汚染水処理状況 などを説明し、質疑のあと専用のバスで構内を回る。
二重のチェックがあり、携帯、スマホやカメラは持ち込めない。 事故を起こした1号機から4号機と、事故を起こさなかった5号機、 6号機や汚染水を多核種除去設備(ALPS)で処理した水を貯めて おくタンク群、浄化設備、廃棄物焼却施設などを、1時間以上かけて 案内してくれる。
私は、事故を起こした原発やタンクなどを見ながら、「百聞は一見に 如かず」という言葉を思い起こした。 世の中には、自分の目で見なければわからない、納得できないという ことがあるものだ。そして、原発の事故がなければ、いや、原発その ものがなければ、このような後ろ向きの莫大な費用と無駄な作業を しなくて済んだものを、と思った。
.. 2021年09月01日 05:13 No.2275001
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