|
「権利に基づく闘い」が島根原発でも始まった | 島根原発3号機は財産権を無視して違法に建設された | 土地・建物の所有権や「のり島の権利」を無視 | 平塚義夫氏が原子力安全委員会に「要請および質問」書を提出 | 亀井亜紀子議員も質問主意書を提出 | 連載「権利に基づく闘い」その21 └──── (明治学院大学名誉教授)
◎ 島根県松江市鹿島町片句地区は、中国電力島根原発の西側に隣接 した地区です。 片句地区には「宮崎鼻」という岬があり、そこでは岩のりを初め とした海草を採取できます。 地元では、そのような海草採取を行なう岬を「のり島(のりじま)」と 呼び、海草採取の権利を「のり島の権利」、その権利者を「のり島 権利者」と呼んでいます。(注1) 宮崎鼻は、釣り場としても有名で、「釣り広場.com」(注2)という サイトにも紹介されており、多くの釣り人が訪れています。
◎ 中国電力は、島根原発2号機増設の際には、片句地区の「のり島 権利者」と交渉を持ち、補償契約を交わして補償を支払いましたが、 3号機増設にあたっては、当初、宮崎鼻全体を島根原発の敷地に組み 込む計画を立て、「のり島権利者」と土地の売買交渉を行ないました。
ところが、売買交渉が難航したため、宮崎鼻を除外した敷地計画に 変更し、3号機増設に反対する「のり島権利者」を無視して、また、 平塚義夫氏が2004年に宮崎鼻に建設した釣り人用の小屋の存在も無視 して3号機増設を進め、2005年に原子炉設置許可を受けたのです。
◎ 以上のように、島根原発3号機は、宮崎鼻の土地所有権,「のり島の 権利」及び小屋の所有権という財産権を無視して違法に 増設されたのです。 しかし、この違法行為は、権利者たちの抗議にもかかわらず広く 知られることなく、長年、封印されたままでした。
2021年8月25日、平塚義夫氏が原子力規制委員会に「要請および 質問書」を提出しました。 2005年設置許可に関して4項目の質問をするとともに敷地境界のテロ 対策が不十分で不審者が侵入する恐れがあるとして、島根原発3号機の 稼働の前提となる新規制基準適合性審査に合格を出さないよう要請して いる書面です。(注3)
.. 2021年09月02日 05:02 No.2274004
|