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予知に成功、北海道・有珠山噴火 最大1万4000人避難計画 | “栄光の先輩”を持つ噴火予知 この次にも注目 | 「生死を分ける地震の基礎知識」その407 └──── (地球物理学者)
2000年の北海道・有珠(うす)山の噴火は日本の火山では珍しく 予知に成功した。住民を避難させて、一人の犠牲者も出さなかったのだ。 有珠山はかつて大噴火したことがある。なかでも1663年の噴火は 大きく、東京ドーム800杯分もの大量の噴出物が出た。 7000年以上の眠りから覚めた噴火だった。有珠山はそれ以来の噴火の 記録があり、8回噴火したことが知られている。 そのすべてで、山体の中で有感地震(身体に感じる地震)が起きて から1〜3日で噴火した。
これは日本の火山では例外的に幸運な例だった。それは有感地震に よる「経験的な」噴火予知が可能だったからだ。 他の火山では、地震が増えたのに噴火しなかった例は多い。 岩手山では1997年から2004年にかけて地震が急増したし、福島・ 磐梯山では2000年に火山性地震が急増して一日400回を超えた。40年前に 地震計が置かれて以来、最も多い地震だった。 しかし、ともに噴火は起きなかった。予知は出来なかったのだ。
このほど有珠山周辺にある伊達(だて)、壮瞥(そうべつ)、洞爺湖 (とうやこ)、豊浦(とようら)が中心に作る「有珠山火山防災 協議会」が、次の噴火に備えて噴火の避難計画をまとめた。 これは最悪の事態を想定したもので、山頂で噴火が起こり、火砕流や 火砕サージ(火山ガスなどの熱風)が発生するのを想定している。 最大半径約10キロ以内の危険区域に住む温泉街などの全住民を 避難させる計画だ。約1万4000人になる。
日本の火山の多くは、火口近くに温泉街があることが多い。有珠山も 例外ではない。空から見ると、火山に張り付くように街が広がっている。 避難計画は、2014年の御嶽山噴火を教訓に活動火山対策特別措置法( 活火山法)が改正されたのを受けて、火山近くの自治体に作成が義務 づけられたものだ。 1万4000人という数は伊豆大島の1986年の全島避難よりもずっと多い。
.. 2021年08月19日 09:28 No.2265001
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