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■--根深い東電体質の危険
++ 山崎久隆 (社長)…1108回          

東京電力はなぜ原発を動かしてはいけないのか
 | 
 | 「組織内で情報共有がうまくいっていない…」
 | それが福島第一原発事故を招いたことは東電自ら認めている
 |  (上) (2回の連載)
 └──── (たんぽぽ舎共同代表)

1.柏崎刈羽原発の再稼働は当面止まったが…

 原発問題を考える時に絶対無視してはならない「東電体質」とは
何かを考察する。
 現在、東電は規制委員会による特別検査を受けている。
 いわゆる「東電不祥事」とは、2002年の点検記録偽装発覚(2000年の
内部告発に端を発する。当時、世界にも例を見ない福島第一原発1号機
の運転停止命令が出ている)から始まり、全17基の原発が全て止まる
2003年まで、様々な事案が立て続けに発生した一連の出来事を指す言葉
だが、その後2007年に中越沖地震が発生し、東電の経営状態は深刻な
危機に陥った。
 この頂点に位置づけられるのが福島第一原発事故(原発震災)だ。
 この経緯を繰り返したことで、何度も会社の改革を掲げ、経営陣の
刷新などもあった。

 しかし、その裏では2008年に日本海溝沿いの巨大津波の発生可能性が
地震調査研究推進本部の長期評価で明らかにされても、巨額の費用と
長期の原発停止を嫌った経営陣の判断で対策が先送りされていた。
(当事者の旧経営陣は否定しているが)

 裁判でも明らかになったこととして、日本で最も信頼の置ける地震
学者の集まりとされた地震本部の結論を先送りする理由付けとして、
畑違いの土木学会津波評価部会に福島県沖海溝沿い領域における地震の
取扱について検討を依頼したのが2009年6月。

 これで現場が考えていた福島第一原発への最低限の津波対策工事は
先送りされた。
 これは現在の東電の見解としては「津波は来ない(来ると考えたく
ない)と思い、思考停止した」と総括されている。
 しかし今の東電が行っていることが、本質的には変わっていないこと
が日々実証されているのである。

2.柏崎刈羽原発再稼働に前のめりになり自滅

 柏崎刈羽原発の再稼働に関連して、新潟県は「三つの検証作業」が
終了するまで県としては再稼働の議論に入らないとしている。
 しかし東電は前のめりに再稼働への準備作業を進め、今年になって
急加速させていた。
.. 2021年07月21日 05:10   No.2247001

++ 山崎久隆 (社長)…1109回       
 そのさなか、敷地境界に設置されている侵入防止装置の破損やID
不正使用問題が発覚し、原子力規制委員会(規制委)により核燃料の
移動禁止措置、つまり事実上の再稼働禁止処分を受けた。
 東電現場職員から経営陣に至るまで、意識構造が再稼働ありきへと
突き進む中で発生した。

 また、安全対策工事の一部が完工していなかったにもかかわらず、
完了したとの発表を行い、後に撤回している。
 工事が終わっていなかった箇所は89箇所にもなるとされ、その多くは
安全上重大な問題を生じる場所にあった。

 完工していなかったことを確認しないで完了していたと判断した理由
などは今もはっきりしていない。現場を見ればすぐに分かるものもある
ことから、そのずさんさは目に余るのだが、誰が完工を判断し発表する
ことにしたのかも明確にはなっていない。

 侵入防止装置の破損は規制委による立ち入り調査の結果判明した。
侵入防止装置を復旧する必要性を認識していながら復旧に時間を要して
いたというのは東電の釈明だったが、代替措置(警備員を配置して
いた)に対しても実効性がない、不正な侵入を検知できない可能性が
ある状態が30日を超える箇所が複数あった、等の指摘を規制委から
受けたという。

 破損箇所は16箇所に上り、2019年1月から発生していたが、2年もの
あいだ不備な状態が続いていた。
 今年1月になって規制庁に初めて報告し、事態が明らかになっている。
 その間にID不正使用も工事未了箇所の放置も起きている。
 報道は時系列を丁寧に解説することがあまりないので、これらが
断片的に起きている印象があるが、全体が一体のものとして進行して
いたのだ。 (下)につづく

.. 2021年07月21日 05:21   No.2247002
++ 山崎久隆 (社長)…1110回       
東京電力はなぜ原発を動かしてはいけないのか (下)
 | 根深い東電体質の危険=「組織内で情報共有が
 | うまくいっていない…」
 | それが福島第一原発事故を招いたことは東電自ら認めている
 | 保安規定をたやすく破る会社が原発を動かして良いわけがない
 └──── (たんぽぽ舎共同代表)

3.規制基準適合性審査を通すため

 東電の経営陣は柏崎刈羽原発の再稼働の前提として、東電に原子力を
運営する資格があるとする文書を規制委に提出している。
 そこには「社内の関係部門の異なる意見や知見が、一元的に把握
され、原子力施設の安全性向上に的確に反映されなければならない」と
されていたが、今回の事案はどれ1つ本店が把握していなかった。

 この文書も明白なウソだった。7月13日、規制委は東電の本店を立入
検査した。そこで小早川社長やテロ対策部門の職員から聴取したという。
 その結果について「組織内で情報共有がうまくいっていない印象は
あった」(金子修一検査チーム長)との説明が記者にされている。
 これは2000年代から続く東電の体質であり、それが福島第一原発事故
を招いたことは東電自ら認めている。
 その体質は依然として露骨に現れ続け、原発を危機に陥れている。
 運転していないからといって安心してはいけない。
 福島第一原発の現状、汚染水対策、いずれも同じ体質の下で事態は
進行しているのだから。

4.東京電力の広報姿勢

 これら一連の事件が発覚する前後に、立地自治体では地域説明会が
開催されている。
 再稼働を巡る通り一遍の説明会で、今回の問題についての説明が
なかったことで参加者から批判が集まったと報道されている。
 東電は事前に計画していた説明会であり、今回の事案があっても予定
通り実施することにしたというが、これこそが地元住民を軽視する姿勢
に他ならない。

 これだけ重大事案として報道もされていることに一切触れず、再稼働
を巡る説明だけをして、いったい誰に納得してもらうつもりなのか。
 さらに、これらの説明が立地自治体だけで開催されており、消費者で
ある東京圏を含め東京電力管内ではまったく実施されていない。
 消費者にも説明することが説明責任であることを東電は全く認識して
いない。

.. 2021年07月22日 07:55   No.2247003
++ 山崎久隆 (社長)…1111回       
 東電は規制委が設定した4月7日の締め切り期限までに弁明を行わな
かった。「弁明の余地がない」と判断したという。そうならば、再稼働
など出来るわけもない。柏崎刈羽原発の再稼働を撤回すべきである。
 東電は、この一連の出来事については、市民団体に対しては次のよう
に弁明している。
 『…対応は次の方針に沿って取り組んでまいります。
 1点目ですが、福島第一原子力発電所事故まで遡り、安全文化や
核セキュリティ文化が現場の隅々まで根付いていたのか、組織的な課題
を明らかにしてまいります。
 2点目として、柏崎刈羽原子力発電所にとどまらず、社長を含む経営
層・本社まで広範囲に調査を行い、原子力部門の組織全体の課題を
明らかにしてまいります。
 3点目として、核物質防護業務について、全発電所の課題抽出と
解決を図り、核物質防護体制の再構築を目指してまいります。
 4点目として、原因分析や改善措置の内容に対して、核セキュリティ
や安全文化に精通した第三者が評価を行うことで、透明性を確保
いたします。
 最後に、これらの取り組みを、自社に閉じることなく、他電力や
他業界などの国内外の外部専門家の指導を得ながら、良好事例などを
積極的に取り入れ進めてまいります。
 また、この取組みの状況については、地元をはじめ社会の皆さまには
様々な機会を通じて適宜お知らせしていくことが望ましいと考えており
ます。一連の事案については、様々な方法を検討し、福島の皆さまにも
しっかりと情報発信してまいります。…』

 未だに「情報発信」などと一方的な主張の拡散で済むと考えている。
 これでは誰にも理解を得ることは出来ない。

5.原子力規制委員会の問題点

 更田豊志委員長は、この間の東電不祥事について「不正なのか、
分かっていて意図的にやらなかったのか。あるいは知識が足りなかった
のか。技術的な能力の問題か。それとも、なめているのか。この程度で
いいんだと。委員会がつかみたいのはまさにそこです。今後の検査で
時間がかかると思うが確かめる」と述べている。これではまるで人ごと
である。
 審査を行い許可を出す当事者が、その許可を出した直後にこれだけの
問題を起こしている。

.. 2021年07月22日 08:23   No.2247004
++ 山崎久隆 (社長)…1112回       
 さらに、原発の再稼働に向けた審査は、保安規定の審査があるのだ
が、これが許可される前にID不正使用とセキュリティシステムの
破損が発生している。
 保安規定とは、原発の保守を行う手順書である。もちろん、侵入防止
は重要な点の1つであることは言うまでもない。

 保安規定に何か記載され、それがどのように破られたのかは、保安
規定そのものが対テロ対策などの機微情報を含むとされて公開されて
いないので判断できない。
 しかし、規制委ならばそれが分かっているはずであり、規定を
たやすく破る会社が原発を動かして良いわけがないことも当然だ。
 そうした意味からも核燃料の移送禁止命令を出したのだから、原子力
を運営する基本的な資格があるかをゼロから、つまり設置許可を取り
消してから見直すしかないのである。
          (初出:たんぽぽ舎月刊ニュース7月No307)

.. 2021年07月22日 08:29   No.2247005
++ 山崎久隆 (社長)…1113回       
中国・台山原発1号機のその後
 | 「運転停止権限を有するのは中国」とフランス電力が声明
 | 中国も日本も結局「安全より経済」は変わらない
 | ただでさえ危険な原発のリスクはさらに高まり続ける
 └──── (たんぽぽ舎共同代表)

 台山原発1号機(EPR型炉166万kW)の燃料損傷、放射性物質
放出の第一報は、原発の建つ中国ではなく、また建設したフランスでも
なく、米国CNNからもたらされた。
 日本では報道した米国の報道機関経由で、各社が報道した。
 さらに7月23日に、東京新聞などが「中国・台山原発、仏なら
一時停止 燃料棒破損、合弁の電力会社見解 」と、フランス電力の
声明に基づく報道をしている。
 「台山原発1号機の運転を止めよ」との国際的な圧力がかかり始めて
いる。これは容易ならざる事態に発展しているのだろう。

◎台山原発1号機の燃料損傷

 台山原発1号機を運営しているのは台山原子力合弁会社
(TNPJVC)で、この会社は中国広核集団CGN(51%)、フランス
の電力会社EDF(30%)、中国の電力会社広東エナジーグループ(19%)
の合弁会社である。
 EDFは6月14日にプレスリリースを出している。
 それによると『EDFはTNPJVCの株主として、経営陣がすべて
のデータとすべての必要な決定を発表するために臨時のTNPJVC
臨時取締役会開催を要求した。』としている。
 CNNは、台山原発1号機は、「差し迫った放射能リスク」を示して
いるとフラマトム(EPR主契約社)は6月3日に米国当局に語った
ことから始まったと報じた。

.. 2021年07月27日 05:06   No.2247006
++ 山崎久隆 (社長)…1114回       
 フランス紙フィガロは、台山原発の情報が米国からもたらされた
いきさつについてヒントを与えている。
 『先週の土曜日、技術者がCGNから最新のデータを受け取ったとき
に、フランスの電気技師に警告が発せられた。その過程で、EDFは
中国に、「経営陣がすべてのデータと必要な決定を提示するように」
臨時取締役会を緊急に開催するよう要請した。
 一次冷却系の汚染は、5月末の段階で、フランスでは48時間以内に
原子炉の停止を命じるしきい値(つまり、水1トンあたり150ギガベク
レル)の2倍のオーダーだった。
 フラマトムから米当局に送られた文書を持っている情報源は、今日、
この数字はさらに増加したに違いない。水1トンあたり1000ギガベク
レルを超えると、フランスの原子炉を緊急に停止する必要があると
している。』

 『最初の警報は昨年10月に遡る。2018年末に運転を開始した台山
1号機は、その時、運転員により燃料棒の「漏えい」が疑われる
パラメータ検出した、ガスはほとんど放出されなかったが。数週間が
経ち、状況は悪化した。12月、CGNは中国の安全当局との「対話」
を開始し、原子炉の停止を判断するしきい値の引き上げを要求した。
CNNによると、これらは最終的に引き上げられた。
 2つのEPRを備えた発電所が位置する広東省の非常に勤勉な地域
は、数ヶ月間電力不足を経験している。中国当局に原子力安全を
犠牲にしてもらう。』

.. 2021年07月27日 05:14   No.2247007
++ 山崎久隆 (社長)…1115回       
◎中国は電力逼迫で原発の運転強行

 電力供給が逼迫し、台山原発1号機の電力供給を停止することが
困難な状況になったことで、通常ならば停止して安全確認をすべき
事態にもかかわらず、原発の運転を優先したのだという。
 これは大変危険な状況だ。
 昨年10月段階で、燃料漏えいは確認されていた。そのため、監視を
続けていたところ、この漏えいは拡大の傾向を示し、中国の運転停止
基準を越える事態になった。
 フランスの規制では、原発を48時間以内に停止するレベルを超え、
2倍の水準になったところで、中国の安全当局はこれを引き上げる
判断をしたという。
 そのいきさつは、フランス電力から米国のNRCなどに伝えられ協力
を要請したのだろう。それをCNNがスクープしたか、CNNにも情報
が伝えられていたと考えられる。
 これは核燃料をフランスが供給している関係で、フランスと米国の間
の情報共有条約などが関係している可能性がある。
 また、今後重大事態に進展する場合、フランス電力は必要な対応を
取っており、挙げて責任は中国電力当局にあるという伏線を張っている
のであろう。

◎中国も日本も「安全より経済」の現実

 原発の安全上の問題と電力供給逼迫が重なったら、どちらが優先
されるか。
 日本でもしばしば問題になり、震災前には安全よりも経済性を優先
したために福島第一原発事故が起きたと、東京電力自ら認めている。
規制当局も同様だった。
 では、今は解消されたかと言えば、今年の夏の電力逼迫予想に対し
て、関西電力は特定重大事故対処等施設が完成していないため10月には
運転を止めなければならない美浜原発3号機を再稼働し、10月までの
僅かな期間でも動かそうとしていることを見ても、結局震災前と
変わっていないことを示した。

 東京電力も、柏崎刈羽原発で度重なる不祥事を引き起こし、原子力
規制委員会による特別検査を受けている現段階で、収益性の改善のため
に2022年度中に柏崎刈羽原発の再稼働を経営再建計画(総合特別事業
計画)を発表するなど、安全よりも経済(経営)の姿勢を露骨に
表している。
 日本も中国も、結局「安全より経済」は変わらない。
 これで、ただでさえ危険な原発のリスクは、さらに高まり続けるの
である。

.. 2021年07月27日 05:19   No.2247008
++ 柳田 真 (社長)…658回       
地質調査に法的根拠はない−原子力規制庁
 | 中国電力が新設を狙う上関原発に法的不備
 | 菅内閣の福島第一原発汚染水海洋投棄も法的根拠なし
 └──── (たんぽぽ舎共同代表)

◎上関原発の新設をあきらめない中国電力は、地元の根強い反対の中、
三度地質調査を始めた。
 しかし、法的不備を原子力規制庁から指摘されている。
 今春に菅内閣が福島第二原発の放射能汚染水を2年後に海洋投棄する
と関係閣僚会議で決めたのも「法的根拠はなし」だった。(この指摘は
たんぽぽ舎−山崎久隆さんの当時の文章に記載)
 週刊金曜日の7月16日号に載った「上関原発地質調査に法的根拠は
ない−原子力規制庁」の文の要旨(山秋真ライターの執筆文)を
紹介する。

…引用開始

 「原発ゼロ・再エネ100の会」事務局長の阿部知子衆議院議員が山口県
の東京事務所を訪れ、許可を出した山口県知事へ申し入れた。
 この前後の聴きとりをもとに4つの問題点を指摘する。

第1に、国は現時点では原発の新増設を想定していない。

第2に、ボーリング調査を行う法的根拠はない。
 原子力規制庁は、このボーリング調査は原子力安全・保安院(当時)
が旧原子炉等規制法に基づいて求めたものでははく、法的根拠はないと
10日(6月)に述べた。

第3に、東京電力福島第一原発事故以後の改正原子炉等規制法に基づく
新規制基準に適合させるための申請を、中電は上関原発について行って
いない。

第4に、「指定要件である供給計画への記載(電気事業法第29条)
がなく(略)告示を逸税」している。…引用終了

◎「上関原発を建てさせない祝島島民の会」はエネルギー基本計画に
原発の新増設を明記しないよう経産省に求めるオンライン署名を
開始した。

 (柳田:注…今年のエネ計画に原発の新増設は明記されなかった。
       菅内閣が選挙の票を失うことを心配したのかも)

◎上関原発の問題点を深く掘り下げた文を、本メールマガジンで明治
学院大学名誉教授熊本一規氏が述べられている。ご参照下さい。
 前回の文は、7/16発信【TMM:No4249】
 ★1.連載「権利に基づく闘い」その19 …です

◎菅首相らが関係閣僚会議でおこなった東電福島第一原発汚染水の海洋
投棄決定の法的根拠が無いことや不当性について今後も掲載して
いきます。

.. 2021年07月27日 05:28   No.2247009
++ 伊藤久司 (幼稚園生)…1回       
小出裕章さん講演(岐阜市)
 | 「日本のエネルギー、これからどうすればいいの?」
 | 子供たちにどういう世界を残したいのか、
 | 今、深刻に私たちに問われている…
 └──── (さよなら原発・ぎふ)

 私は、岐阜市の希望社という建築事務所で働いています。2013年10月
5日、希望社の創立25周年を記念し、地域の皆様のご支援に対するお礼
として、小出裕章さんをお招きして講演会を行い、およそ360名の方に
お越しいただきました。
 同じ年の9月8日に、大垣市で行われたパレードで、講演会のチラシ
を配布させていただいたのが縁で、それ以来、「さよなら原発・ぎふ」
の活動に参加しています。

 講演内容

 小出さんは、最初に、地球46億円の歴史を、講演会場から最寄駅付近
までの距離460mに例え、産業革命以後の200年を距離にするとわずか
0.02mmという刹那的な時間の中で、人間がいかに膨大なエネルギーを
使うようになったか、そのためにいかに多くの生き物を絶滅に
追い込んできたかを話されました。

 そして「日本を含む先進国が多くのエネルギーを使ってしまうため
に、エネルギーが分配されない国の子供が飢餓で死んでいる。
 エネルギーの本当の問題は私たちにあると考えてほしい」と
エネルギー消費の格差にも言及されました。

 また、石油がなくなるといって原子力を進めてきた挙句の、フクシマ
原発事故の責任については、「原子力を選んだことに、子供には責任が
ない。今日までなんとなく原子力を許してきた責任が、大人にはあると
思う」、放射性廃棄物については、「原発はトイレのないマンション。
ウランを核分裂させれば、放射性廃棄物が山ほど生成される。しかし、
人間には、それを無毒化する力がない」と訴えられました。
 広島原爆90万発分もの死の灰が、処分の方法もないままに残っている
現状があります。

.. 2021年07月28日 05:20   No.2247010
++ 伊藤久司 (幼稚園生)…2回       
 最後に、スクリーンに、夜の人工衛星から地球を見た写真が映し
出されました。
 日本列島が不夜城のごとく闇に浮かび上がっています。
 「本当にこんなことが必要なんですか。こんなことをしてきたが
為に、地球の環境がボロボロになり、私たちが贅沢をすることで、多く
の子供が死んでいます。本当にどうやって生きていくのがいいのか、
子供達にどういう世界を残したいのか、今、深刻に私達に問われている
と思います。残念ながらフクシマの事故は起きてしまいました。だから
こそ、私達責任のある大人たちが、ちゃんと考えることが、必要なのだ
と思います」と訴えられました。

 私たちの責任

 小出さんの話は、政府や電力会社だけではなく、一貫して「私たちの
責任」をも問う内容でした。
 私は講演を聞いて、それまで深くは考えてこなかった自分自身の責任
について、考えることになりました。参加された皆さんからも、同様の
感想を多くいただきました。
 私はこれからも、原発をなくするための運動に参加していくつもり
ですが、同時に自分の価値観やエネルギーの使い方、暮らし方を振り
返りながら、生きていきたいと思います。

  (「さよなら原発・ぎふ」発行
   『さよなら原発・ぎふの10年』より了承を得て転載)

.. 2021年07月28日 05:26   No.2247011


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