2020年〜新型コロナとの闘いの記録 読み切り連載(23) <3> | ワクチンの国際共同治験に入れず └──── (かごしま反原発連合 共同代表) (『週刊文春』2021年6月10日号より) ・米国では、トランプ大統領がジョンソン・エンド・ジョンソンに約456 億円(3月)、モデルナに約483億円(4月)と次々に支援。5月には国 内ワクチン開発を加速させる「ワープ・スピード作戦」と銘打って、関連 予算を含めてまずは1兆円以上をつぎ込むとぶち上げた。英国でもアスト ラゼネカ社に約1200億円という大規模な開発資金が投じられている。 ・対する日本では、100億円が複数の事業者に分配されるため、1事業者 当たりの最高額は、アンジェスの20億円。その後、5月下旬に4閣議決定し た2次補正でワクチン開発に500億円の予算が追加されたものの、彼我の差 は余りに大きかった。 ・「第一三共」のワクチン開発に関わる、東京大学医科学研究所の石井 健氏はこう指摘する。「米国や英国では、予算規模が突出しているのに加 えて、開発したワクチンは国が買い取ることになっています。一方、日本 にはそうした体制がないため、昨年3,4月ころはワクチン開発に後ろ向 きの企業も多かった。さらに米英では、開発に伴う手続きの規制緩和や工 場建設、原料の確保、臨床試験に協力してくれる近隣国との交渉にまで、 政府が乗り出している。こうした国家レベルでの支援の有無が、開発のス ピードに大きな影響を及ぼしているのです。」 ・今年6月1日、菅首相は国産ワクチンの開発・生産体制強化に向けた 新国家戦略を閣議決定した。トランプ大統領の「ワープ・スピード作戦」 から、すでに1年が経っていた。
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.. 2021年07月04日 07:40 No.2232001