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■--現実を直視しよう
++ 山崎久隆 (中学生)…41回          

 資源問題と「もんじゅ」

 「もんじゅ」の運転開始に伴い、報道で取り上げられる機会も増えた。
 NHKクローズアップ現代など、多くの報道番組では「もんじゅ」の目的を「プルトニウムサイクルの確立による先端エネルギー技術の開発」としている。
もちろん原子力長期計画や原子力研究開発機構(位下機構)の主張がそうなっているからなのだが、クローズアップ現代のように時間をかけて報道している番組をのぞきほとんどはその定義づけに何の注釈も加えないため、あたかもそれが事実であるかのように表現されている。
 「高速増殖炉」の意味は、「高速中性子を核分裂反応に利用しながら、炉心燃料とブランケット燃料部でウラン238をプルトニウム239に変化させ、核分裂を起こしたプルトニウムよりも多くのプルトニウムを蓄積する炉」である。このうち「プルトニウムの増殖」については掛かる時間を無視してトータルで1倍を超えると増殖したとするので、たとえ100年掛かろうとも1.0倍を超えれば良いことになる。そのため、非現実的な想定がまかり通っている。
 壮大なウソの羅列の前に、一般には「もんじゅ」は危険でも必要なものと捉えられている現実があるが実際には危険な上に無駄なのだ。
 「もんじゅ」が作り出すプルトニウムは、核分裂を起こしたプルトニウムの2倍になるためには90年かかる。二倍かかる時間のことを「倍増時間」という。
最も楽観的な計算でも45年というから、ほとんど炉心寿命ほど動かしてももう一つの炉心を作る能力はほとんど無い。しかも炉心を作るためには使用済の燃料を再処理し、プルトニウムを取り出さなければならず、そのための再処理施設が必要なのだが、その施設は現在存在しないし、計画中のRETF(リサイクル機器試験施設)も、高速炉常陽と「もんじゅ」のブランケット燃料という、核分裂をしている炉心ではなくその周辺燃料の再処理をするための試験施設であり、「もんじゅ」や常陽以外の原子炉の燃料を再処理することも出来ない。
 理屈と現実の間には大きな溝があるのは常のことだが、高速炉は核融合炉と同様に困難を極め、最終的には実現しないだろう。
 高速増殖炉に発電能力をつける場合、現状ではタービンを回す他はないので、水系統が必要だ。これにより危険性が急激に高まってしまう。
 ナトリウムと水を、薄い金属を介して接する構造をとらざるを得ないため、水とナトリウムの反応事故が軽水炉にはないリスクとなってふりかかる。
 これを回避できない限り、ナトリウム炉を量産することなど到底不可能なのだが、見通しも全くない中で高速炉が軽水炉に取って代わるなどと勝手に想定されている。
 少なくても資源的に何らかの意味がある規模まで高速炉を造るとしたら現状の比率を維持するためだけでも400基以上の高速炉を建設しなければならず、3割や4割といった主力電源となるためには2000〜4000基は必要となろう。それ自体が経済的にも到底不可能な上、毎年どこかでチェルノブイリ原発事故に見舞われるかもしれないリスクを抱える。そのようなものが資源対策になるはずはない。
.. 2010年06月17日 07:08   No.219001

++ 山崎久隆 (中学生)…42回       
 トラブル続き

 動き出した「もんじゅ」では、早速いくつものトラブルに見舞われている。その中でも制御棒の挿入方法を運転員が知らなかったという事態まで起きている。
 5月10日夜、調整用制御棒は最終段階で3ミリを残して停止していたが、これを全挿入させようとした運転員は、挿入ボタンを何度も「短く」押したが制御棒が入らないためいったん作業を中断した。しかしこの制御棒は、挿入ボタンを「長押し」すれば挿入できたのだという。この操作方法を運転員が知らなかったために起きた事件だが、制御棒挿入方法をちゃんと教えていないのに運転を再開したことに驚愕の言葉以外何を言えばいいのだろうか。
 車の運転を教えるのにブレーキの踏み方を教えていないに等しい。そんな教習所では免許を取るどころか路上教習にも出られないだろうが、「もんじゅ」の場合はそのまま高速道路を運転させているようなものである。
 教育体制はずさん、技術レベルも低く、このまま運転を続けるなど言語道断。
直ちに運転を止めるべきだ。

 点と線と面

 自然災害は大きくは、点と線と面にわけることが出来る。
 たとえば地震は、大きなものであってもその被害は点として現れる。四川大地震などは広い面積が被災したように感じられるかもしれないが、一様に揺れたように見えても実際には揺れの大きさは地質や地盤により異なり、大きな被害が出る場所は点の集まりと言える。密度が高ければ面的な被害になり、密度が低ければ特定の家屋や構造物の被害となって現れる。また、耐震性の悪い構造物に大勢の人がいれば大変な惨事になるが、これもまた点で起きることであり、十分な耐震性を持つ建物が隣にあったとしたらそちらは被害なしということもあり得る。
また、どんな巨大地震であっても被災地域の人々が全滅することはなく、最悪のケースでも死者数は数パーセントの水準だ。
 一方、津波などは線的被害をもたらす。一定の高さの津波が一様に海岸線を襲うとき、標高との兼ね合いで海岸線に平行に被害地域が伸びる。川があればそれをさかのぼってやはり線的に被害地帯が伸びる。

.. 2010年06月17日 07:14   No.219002
++ 今井 (小学校低学年)…6回       
6月26日(土)開催のいろりばた学習会『「もんじゅ」を廃炉に・講演会+方針討論』のご案内です。
もんじゅをこのまま動かし続けると重大事故を起こします。
大惨事の前に、もんじゅを止めるための知恵を出し合おう。


●1995年のナトリウム漏れ事故から14年半振りに試験運転を再開したもんじゅですが、機器の故障、相次ぐ警報と誤警報、運転員の教育不備などの問題が続出していますが、これらはいずれも再開前から懸念されていたことでした。

●「夢の原子炉」と言われた高速増殖炉計画の実用化時期は当初「1970年代後半以降」(1961年「原子力長期計画」)としていたのが年を経るたびに遠ざかり、現在では2050年ですらおぼつかない状況
です。それどころか本当に増殖できるのかという疑問が呈されています。

(以下は毎日新聞 2010年6月17日 地方版より)
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 内閣府原子力委員会の近藤駿介委員長が16日、県庁で西川一誠知事と会談し、敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」を視察した。
取材に対し近藤委員長は、同委が05年にまとめ、政府が閣議決定した原子力政策大綱で、高速増殖炉の実用化時期を「2050年」としていることについて「決して(時期が)決まっているわけではない」と述べ、先送りの可能性も示唆した。
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こちら


.. 2010年06月22日 05:59   No.219003
++ 今井 (小学校低学年)…7回       
●また水と触れると爆発的に反応する金属ナトリウムを循環させ、プルトニウム燃料を使用する高速増殖炉は普通の原発(軽水炉)以上に事故の危険性が高いと懸念されています。

●さらに運転によって得られるのは高純度の核兵器級プルトニウムという物騒なものです。

●もんじゅは現在1.3%の低出力での試験運転ですが、それでも問題が続出しています。
このあと、3年がかりで100%の出力まで上げていく予定ですが1995年のナトリウム漏れ事故は40%出力の運転時に起こりました。
このままムリに運転を進めていけば、重大事故は避けられません。

危険が高く、実用見込みもないもんじゅは廃止とするべきではないでしょうか?

皆さま、ぜひお越し下さいませ。(いろりばた会議 今井)

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 《環境と原発問題の学習会『第149回いろりばた会議』のご案内》
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【テーマ】

■「もんじゅ」強行再開後の諸矛盾、今後の展開

 講師:小林圭二さん(元、京大原子炉実験所)


■「夢の原子炉はウソ、「増殖」はハッタリ」

 講師:槌田敦さん(核開発に反対する会代表)


■「もんじゅ」反対の歌−ギターと歌:朴 保さん


★参加者よりの発表、資料の持ち寄り、参加歓迎です

●日 時:2010年6月26日(土) 13:00〜16:00
●会 場:明治大学駿河台キャンパス・
   リバティータワー9F・1096室
     (東京都千代田区神田駿河台1-1)
 御茶ノ水駅(JR中央・総武線/丸ノ内線)から徒歩3分
 新御茶ノ水駅(千代田線)から徒歩5分
 神保町(都営新宿・三田線/半蔵門線)から徒歩8分
●資料代:800円
●共催:現代史研究会、核開発に反対する会
    いろりばた会議(環境と原発の学習会)
 協力:たんぽぽ舎、廃原発ネットワーク

.. 2010年06月22日 06:06   No.219004
++ 原田裕史 (幼稚園生)…3回       
     「はやぶさ」と「もんじゅ」
−小惑星探査機「はやぶさ」の技術は、ミサイルに転用できる−

小惑星探査機「はやぶさ」が俄かに話題になっています。
「核兵器」は常に運搬手段と共に語られます。兵器級プルトニウムが原子炉級プルトニウムよりも核兵器製造に適している点も、ロケットに積みこみ、ICBM(大陸間弾道ミサイル)となるか、否か、という点にあります。
 そのロケットで、今年日本にとって画期的な出来事が起こります。予定では6月13日ですから、これを読んでいる皆さんには結果が出ていることになります。

世界最大の固形燃料ロケット

 日本のロケットには2系統の技術系譜があります。気象衛星「ひまわり」などを打ち上げるロケットは液体燃料ロケットですが、学術衛星を打ち上げるロケットは固体燃料ロケットが使用されてきました。
 日本で戦後最初のロケットは東京大学の糸川博士(「はやぶさ」が調査してきた小惑星の名前の由来です)が開発したペンシルロケットまでさかのぼります。
研究者の系譜からして当然のように「固体燃料ロケット」が開発され続けました。
 核武装を夢見る人にはまことに都合の良い状況です。現在この系譜はM-Vロケット(Mは「ミュー」、Vを「5」と読みます)まで発展しました。
 このM-Vロケットは金星や火星に探査機を届ける能力を持っているのです。米露のICBMをしのぐ巨大ロケットです。

再突入技術の確立

 日本のロケット技術は世界有数のものになっていますが、ICBMにするためには一つ欠けている技術がありました。それは「再突入」と呼ばれる技術です。
 一度大気圏を飛び出したロケットが再び地球に戻り、地面まで届くこと。これがICBMの実現に必須の技術です。なにしろCBMの弾体は非常に高速で飛翔するため、大気との摩擦熱で非常に高温になり、燃え尽きてしまいます。スペースシャトルでは耐熱の「タイル」が使用されます。アポロ宇宙船などでは、機体表面に樹脂を塗り、燃焼により、機体を保護しました。
 日本は冷戦中はロケット開発を行ってもこの「再突入」技術の開発は行ってきませんでしたが、冷戦後に「再突入」実験を開始しました。
その技術の系譜の集大成が「はやぶさ」ということになります。小惑星「イトカワ」は地球の引力圏の外側ですから、「イトカワ」からの帰還が出来るのであれば、ICBMの開発は随分容易なはずです。

平和という名の隠れ蓑

 「はやぶさ」の目的はもちろん、軍事利用ではありません。小惑星の組成を調べることで、宇宙の歴史を詳しく研究する科学研究が目的に謳われています。
 世界がもう少し平和であれば、「はやぶさ」を応援しても良いかもしれませんが、現在は核時代の終わりが始まるかどうかという瀬戸際です。「はやぶさ」の成功は日本の核武装能力を一段あげることになります。
 「核なき世界」世界が核廃絶への道の第一歩を踏み出そうとしている時期に、日本は「もんじゅ」を動かすことで兵器級プルトニウムの生産を開始し、固体燃料ロケットによる高度な再突入技術の開発を終えようとしています。

.. 2010年06月23日 18:12   No.219005
++ 柳田 真 (中学生)…32回       
    6/23夕方〜ダブル抗議行動を実施
    文部科学省へ−「もんじゅ」やめよ!
    経済産業省へ−「再処理工場」やめよ!

1.6月23日(水)夕方、東京圏の市民がダブル抗議・申し入れ活動をしました。 
 主催は、「再処理とめたい首都圏市民の集い」。
 1つ目の行動は、文部科学省へ「もんじゅ」やめよの申し入れと文科省の旧正門前で、ビラまきとマイクによる宣伝行動。
 2つ目の行動は、経済産業省・原子力安全保安院へ、「再処理工場」やめよ、「もんじゅ」やめよの申し入れとビラまき・マイク宣伝。
 ビラは、A4判4頁で、再処理工場とAPECの問題点+集会
 アピール文を載せたものを両省の職員と通行人へ配布しました。

2.参加は8団体・20人でした。
 たんぽぽ舎、ストップ原発&再処理・意見広告の会、日本消費者連盟、ストップ・ザ・もんじゅ東京、原水禁、ふぇみん、原発を考える品川の女たち、日本山妙法寺。

3.次回の抗議申し入れは、
 7月28日(水)18:00〜文科省、18:30〜経産省の予定。

4.なお、6月26日(土)は、
 『もんじゅを廃炉に・講演会と方針討論』。
 小林圭二さんと槌田敦さんの2人の講師、
 時間は13:00〜16:30、
 会場は、明治大学駿河台キャンパス・リバティータワー
 9F・1096室です。資料代800円。

.. 2010年06月25日 17:41   No.219006
++ たんぽぽ舎 (小学校高学年)…27回       
◇◆◇「もんじゅ」の重要設備で、お粗末な事故◇◆◇
     12mの巨体=3.3トンが落下
  福井県はカンカン、原子力安全・保安院=通報が遅すぎる

★1.8月26日「もんじゅ」で炉内作業中、炉内中継装置(長さ12メートル直径55センチ重さ3.3トン)を原子炉容器内に落としたと発表された。
  燃料交換が終了した後、稼働中は引き上げている炉内中継装置を引っ張りあげている時に落としたらしい(2メートル落下)。2本のつめで引き揚げる装置だが、押さえ(幅90ミリ、厚さ63ミリ)が90度回転し、短い63ミリの方で押さえたため外れたらしい。かなりお粗末な作業である。
  この原子炉の危険性は、あまりに多くの事項で指摘されているが、大きな要素のひとつが冷却材に金属ナトリウムを使っていることである。14年以上前の事故もナトリウム漏れが直接の原因だった。
  学校で実験した人も多いだろうが、ナトリウムは水に触れると発火し爆発的に燃える。(空気中の水蒸気やコンクリートの水分にも反応する)だから、オーバーホールや燃料交換でも軽水炉のように炉のふたを開けて上部をオープンして水を張って作業するなどということは一切できない。
  すべてナトリウムの中で遠隔操作せざるを得ない。
   そして、小林圭二先生をはじめとする皆さんが指摘するもうひとつの大きな欠点、「ナトリウムは透明でないので目では見えない。」
   「もんじゅ」は5月に無理やり再稼働させ、臨界付近(0.1%出力程度)でチョコチョコ運転し、7月に一旦止めている。
   来年の春40%試験予定と発表しているが、前回のナトリウム漏れ事故はこのとき起こった。
  未知の危険領域に入る前に「もんじゅ」は止めておくしかない。

★2.福井県の石塚博英・安全環境部長は、事情説明に訪れた伊藤和元・原子力機構敦賀本部長代理に「もんじゅ特有の重要設備でのトラブルは初めてで、原子炉容器内で起きたことは極めて遺憾。
 県への一報も1時間半後で、迅速とは言い難い」厳しい口調で述べた。

★3.原子力安全・保安院は、「通報が遅すぎる。改善を求める指示文書を27日に出した」
  「経済産業省原子力安全・保安院は27日、高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で26日に起きた装置落下トラブルの際、事業者の原子力機構の通報が約1時間20分後と遅かったことについて、改善を求める指示文書を出した。
  保安院は「従来の通報より遅く、他の電力会社の通報と比べても時間がかかっている」指摘した。……要領に違反するのは
 明らかで、原子力機構は「本来なら20〜30分で通報するべきだった。経緯を詳しく調べる」としている。

.. 2010年08月31日 05:47   No.219007
++ 柳田 真 (中学生)…33回       
「9月1日・防災の日」の対策に欠けているもの
原発事故−放射能(死の灰)対策が欠落している
M8.7(関東大震災の16倍)の大地震に原発はもたない

●9月1日は関東大震災(M7.9)の起こった日。今年は、東海地震−東南海地震−南海地震の、3地震連動発生を想定した訓練として、はじめておこなわれた。新聞・テレビも大きく報道し、全国で80万人位が参加しているという。

●従来からこの訓練には、いくつかの批判があった。都庁の労働組合は、自衛隊の出動(治安訓練の練習)を問題視し、批判して、ポスター・ビラで主張、現地での監視活動を続けてきた。(近年、米軍参加があり、その批判が加わった)

●私が思うに、地震による原発事故=放射能(死の灰)対策が今回も全く欠落している。3年前の新潟県中越沖地震(M6.8)の時、柏崎市や刈羽村の人々は、真っ先に“原発は大丈夫か?”と心配したという。住民の正直な気持ちの発露で
ある。
 今回、3大地震の連動(過去の多くも3大地震が連動しておこった。単独でおこった例は少ない、珍しい)でマグニチュード(M)8.7の巨大地震が起きたと想定しての訓練である。これは関東大震災M7.9の16倍もの大きな地震であ
る。この時、太平洋にある原発群(浜岡原発3基、東海原発1基、伊方原発3基、福島原発10基など)が全部無事か?…という心配である。残念ながら、M8.7の巨大地震が来ても、全部無事と答えられる人はいないはず。原発事故=放射能
大量漏出は必至である。その対策が、9・1防災訓練には全くない。むりもない。
放射能もれに、対策の立てようがない。唯一の策は、大地震が来る前に、原発を廃止することだ。原発震災(東海地震の提唱者・石橋克彦氏の命名)を防ぐには、早く浜岡原発…ほかを停止・廃止することが最善なのである。

●なお、関東大震災の時、天皇制政府−内務省は、“朝鮮人暴動のおそれ”のデマを流し、多くの朝鮮人が自警団の竹槍等で殺害された。日本史の暗部である。
唯一の救いは、少数ながら、朝鮮人の命を守った勇気ある日本人、警察署長(神奈川県内)がいたことである。再びこの過ちを繰り返してはならない。

●防災の日だが、一般人の地震対策の関心が低く、防災グッズの売上げが不振という。熱しやすく、さめやすい日本人の特性か…、日本は地震国であり、それへの対策は困難だが、優先してやるべき事項なのだが。行政と国民の両方が心すべ
きことだと思う。

.. 2010年09月02日 05:44   No.219008
++ たんぽぽ舎 (小学校高学年)…28回       
「もんじゅ」の失敗は100%保証済み
    夢の原子炉ではなく、悪夢の原子炉だ−広瀬 隆
    新著『原子炉時限爆弾−大地震におびえる日本列島』

★1 広瀬隆さんが、8月28日ダイヤモンド社から、15年ぶりの反原発書を出版された。題名は、『原子炉時限爆弾−大地震におびえる日本列島』。7月に集英社新書として出版した『二酸化炭素温暖化説の崩壊』につづく、鋭く、的確な指
摘の警世の書である。(両書とも、たんぽぽ舎で扱い)。その『原子炉時限爆弾』
の中で、先日、お粗末で重大な事故を起こした、「もんじゅ」について、「もんじゅの失敗は、100%保証済み」という2頁半の鋭い、今回の事故も予見したかの記事がある。その要旨を紹介します。

★2 もんじゅの失敗は、百パーセント保証済み(本文252〜254頁)の要点。

 核分裂しやすいプルトニウム239がブランケットに生まれ、実に98%という高濃度になり、原爆製造に必要な93%よりはるかに高いプルトニウムが得られる。
そこで、核保有国では、高速増殖炉の開発にしのぎをけずることになった。つまり高速増殖炉は、核兵器用のプルトニウム製造炉としてスタートした、文字通り原爆製造用原子炉である。これに成功すれば、核分裂しないウラン238を使って、原子力発電でも燃料を100倍以上使え、ウランが40年で枯渇しても、“夢の原子炉”高速増殖炉があれば、4000年以上も資源を使える。ところが、そうはならなかった。
 まず、先端をきっていたアメリカが、1955年、1966年と炉心溶融事故を起こし、開発から30年後に、全面的に断念。イギリス、ドイツ、フランス、ロシアもすべて、重大事故を続発して、開発をついに断念した。“夢の原子炉”は“悪夢の原
子炉”だったのだ。残った日本も、発電開始後3ヶ月あまりで、ナトリウム漏洩で、火災事故をおこし(1995年12月)、文殊がお釈迦になった! 
 こうした原因は、冷却材に水を使わず、液体ナトリウムを使用していることが致命的といえる。
 福井県のもんじゅでも、先進国型の事故を踏襲するのは、時間の問題。
 さらなる無謀さは、原子炉の立地条件にある。福井県敦賀市白木地区である。
もんじゅの敷地の真下には、長さ15kmの白木−丹生断層が走り、原研機構も認知した。25年前に、耐震性450ガルで設計、竣工されて以来、760ガルにまで耐震性度がひきあげられているのに、本質的には、強度強化はできないまま。
 この一帯は、琵琶湖の東岸沿いに、日本海まで山のような断層群があり、柳ヶ瀬・関ヶ原断層帯は、全長が100kmにも達するので、マグ二チュード8を超える大地震の震源域。

.. 2010年09月05日 07:22   No.219009
++ 山崎久隆 (中学生)…43回       
★1.炉心に巨大な落下物〜原子炉で一番してはならないことが起こった!

 8月26日(木)「もんじゅ」で炉内作業中、炉内中継装置と呼ばれる燃料交換用の装置を原子炉容器内に落としたと発表した。この装置は全長12メートル、直径55センチメートル、重さは3.3トンで、燃料交換作業時にのみ炉内に入れられ、運転中などには引き上げられている。この装置を引っ張りあげている時に約2メートルほど引き上げた時点で落としたとされている。
 原子炉で一番してはならないこと、それは炉心に損傷を与えることだ。もちろん炉心とは主に核燃料を指す。しかし核燃料の健全性を支えるのは原子炉圧力容器を始めとした炉心構造物だ。その構造物に損傷を与えることになったら、補修
もしくは交換可能な部品でなければ原子炉は使用不能となる。
 今回「もんじゅ」で発生した事故は、その炉心部に3.3トンの重量物を落下させるというものだ。

★2.東電などが運転する軽水炉の場合、原子炉圧力容器には多くの構造物があるが、燃料交換時には圧力容器の蓋を開放し、燃料取り替えや機器を置くプールの高さまで水を張り、上部格子板の位置まで空っぽにする。そこに何かを落下させれば、燃料には当たらないが、燃料を支える格子やその外周にあるシュラウド(注)、あるいは圧力容器本体に損傷を与える可能性がある。このような場合はまず目視点検をし、傷の存在を確認する。その後取り外せるものであれば交換し、外せないものは損傷の大きさを測定する。果たして使い続けられるかどうかは別としても、受けた影響を調べることは出来るだろう。
  (注)シュラウド=炉心部を構成する燃料集合体や制御棒を内部に収容する円筒状の構造物。

.. 2010年09月07日 06:28   No.219010
++ 山崎久隆 (中学生)…44回       
★3.「もんじゅ」はどうか〜詳細な調査ができない構造

 「もんじゅ」の圧力容器には冷却材のナトリウムが満たされており、これは不透明な液体金属なので内部の装置のうち外せないものは目視は出来ない。そのうえ酸素や水と接触すると爆発的に燃焼するため、蓋を開放しての作業は出来ない。
「プラグ」という小さく穴の開いた装置を介して、全ての作業は行われる。また液体ナトリウムの中で行うように設計されているため、外観検査などを目視確認で行うこと自体が想定されていないのだ。これは致命的である。今回の事故に関
連して目視検査を開始しているが、ファイバースコープ越しにCCDカメラに依らざるを得ない。これでは詳細な調査など出来ない。
 目で見て確認さえ出来ずに、損傷の有無を調べることは不可能であろう。たとえなにがしか調査をしたとして、見落としがないかをどうやって保証するのであろうか。
 なんでもそうなのだが、「有る」ことを証明できても「無い」ことを証明することは難しい。これだけ大く重たい装置が落下をして、損傷が「無い」ことは事実上証明不可能なのだ。

★4.ツメでつかむ構造〜理解できない構造

 炉心上部でつり下げを伴う作業は、常に落下の危険と隣り合わせだが、このような装置にもかかわらずツメでつかむ構造というのは理解できない。今回の原因が何であれ、外れることを想定していない。そのまま落下するのは当たり前だ。
 このような構想であるならば落下防止のための装置が必ず必要だ。実際の「もんじゅ」がどうなっていたのかは説明を読んでもはっきりしないが、少なくても止め金具が外れただけで落下したようにしか読み取れない。このような単純な構
造では、地震などで揺さぶられても簡単に落ちてしまう。
 全く異なるメカニズム(たとえば補助のワイヤや電磁石を使うなど)で、ツメが外れても容易には落下しない設計にすべきだったし、原発の場合はそうなっている場所も多い。
 真下がナトリウムの満たされたタンクで、もし落ちたら容易に目視点検も出来ない場所だと言うことに何の緊張感もない。
 「ツメが外れるはずがない」思い込みとしても実に低次元で安易だ。
 もんじゅの設計は随所にこのようなずさんな部分が目立つ。
 世界で最も制御が難しく危険な原子炉の安全設計は、世界で最もずさんだというのだから、言語道断である。
 このような原子炉を動かし続けてはならない。
 「もんじゅ」は廃炉しかない。

.. 2010年09月07日 07:41   No.219011


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